第54話 北と南
ども!!
今回は春吉目線と冬希目線でお送りします!!
葉城の皆様を助ける、大作戦の実行。
青上工場第一倉庫、北入口。
「・・・来ましたね」
「・・・・・」
俺と夏哉は北入口へやって来た。
そして、北入口には・・・
「マジでか・・・」
そこにいたのは、古宇宮と牛渓。
「・・・読まれたか」
夏哉はボソッと呟く。
「・・・フフフ、木山に吉崎・・・」
不適に笑う古宇宮。
相変わらずキメェな。
「・・・おい春吉」
「ん?」
小声で話し掛けてきたバネ人間。
何だ?
「お前、ここであの二人を引き付けとけ」
は?
「ここに二人いるって事は、どこかの入口ががら空きって事だ。俺、ちょっくら東入口行ってくるから、あの二人よろしく」
「はあ!?」
え、何?
喧嘩ど素人の俺に、喧嘩最強集団のリーダーとその相棒を引き付けとけだ?
「む、無理っス!!」
無理無理無理無理無理無理無理無理無理だ!!
「うるせぇ、とにかく頼んだぞ」
ってうおぉぉい!!
あいつ、全力疾走で東入口に向かっていきやがった!!
「ちょ、ちょっと・・・」
「フフフ・・・」
ひ、ひぃ〜!!
や、やばい・・・
「・・・牛渓、奴を追え。コイツは僕が狩っておこう」
「・・・御意」
ってうおぉぉい!!
ウシタニ君も全力疾走で東入口へ・・・
な、夏哉・・・お前の行動意味ねぇー・・・。
「フフフ・・・」
ハッ!!
この不気味な笑い声!
「さて・・・僕らも殺り合おうか」
・・・・・無理だ。
―――――
一方、南入口。
僕と秋馬君の目の前には、二人の男の人が。
「アッヒャッヒャッ!! 俺ぁ守屋徹、俺の相手してくれんのは誰だ?」
金髪のリーゼント、グラサン、手には全ての指に銀色の指輪、腰にはパンパンのポーチが四つ。
チャラい人だな・・・
「・・・俺は櫛山博一。ブルーパンチ幹部」
もう一人は大人しそうな細身の男性。
けど・・・右手に金属バット、左手に釘バット・・・。
こ、怖い・・・。
「二人か・・・」
秋馬君は恐怖心とかないのかな・・・?
全く動じてないし・・・。
「・・・冬希よ」
「えっ?」
その時、突然小声で話し掛けてきた秋馬君。
「作戦変更だ。ここに二人いるって事は、どこかの入口ががら空きって事だ。・・・ここは僕が引き付けておくから、冬希は西入口へ走ってくれ」
「西入口? って、それじゃあ秋馬君は・・・」
「大丈夫だ。瀬良家の血を継いでいるこの僕が、不良共に遅れをとるものか!!」
そんな・・・
「それに、今日は皆武器持参だ。少し卑怯だが、武器さえあればあんな奴ら、ちょろいものだ」
・・・そう。
今日はみんな、それぞれ武器を持参してきている。
もちろん僕も・・・
「行け冬希、早く!」
「・・・うん!!」
僕は・・・秋馬君を信じる事にした。
西は確かあっち。
僕は全力疾走で西入口へ向かい、走りだした。
「・・・逃がさない」
後ろから誰か追ってくる・・・けど、僕は振り替えらずに走った。
次回より四人それぞれのバトルが!!
青上強襲篇も佳境突入です!!