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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
ゴールデンウィーク篇
6/116

第6話 インフルの脅威

 ゴールデンウイーク初日・・・。

 

 今日は野郎共と映画・・・のハズでしたが!!

 さっきこんなメールがッ!!

 

 “悪い、やっぱ今日の映画中止!!タカとナカジーがインフルでダウンしたそうな。

 なので、今日は中止。

 クレームはインフルの二人まで

 By権三朗”

 

 ちなみに、タカとナカジーってのは、一緒に映画行くハズだったメンバー。

 

 で、今俺は・・・

 

 一人映画館の前。

 さみしッ!!

 

 つーか俺が映画館に到着した時に来たこのメール・・・タイミング悪くね?

 

 「さて・・・どうしたものか・・・」


 

 このまま帰ってもいいのだが・・・それじゃつまらない。

 

 「・・・とりあえず腹減ったな」

 

 キュグルル〜っとなる腹。切ない。

 

 ちなみに現在午前11時半。

 空は快晴、気温は程よい。

 

 とりあえず俺は空腹を満たすため、近くのファーストフード店へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 映画館近くのファーストフード店。

 ここはテーブル席以外にカウンター席もあるので、一人でも利用しやすい。

 

 「いらっしゃいませ〜!!」

 

 営業スマイルを浮かべ、店員はレジの前へ。

 

 ・・・やはり、昼時だけあって店内は混んでるなぁ〜・・・。

 

 「店内でお召しあがりですか?」 

 「あーいや、持ち帰りで」

 

 店内での食事を断念。

 

 「ではご注文の方をどうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局俺はツインチーズバーガーセットにうまうまチキン、そしてホットアップルパイを注文。

 現在俺はその注文した品が完成するのを待っている所です、はい。

 ・・・俺は何となく携帯を取り出し、時刻を確認。

 

 ・・・そう言えば今日、楓の出場する柔道大会開催日だったっけ。

 頑張ってんのかな?

 

 「・・・30番でお待ちのお客様?」

 

 俺はハッと気付き、手元の番号札を確認。

 あ!30番だ!!

 

 いかんいかん!!

 

 「あ、はい!!」

 

 俺は店員の元へ・・・あれ?

 

 「・・・お客様、お品物でございます」

 

 「あ、はぁ・・・」

 

 俺は品物を受け取りながら、店員の顔を確認する・・・ってやっぱり。

 

 「よっ!小夜!!」

 

 「・・・え?春吉?」

 

 やっぱり小夜だ。

 向こうも今気付いたみたい。

 

 「ここでバイトしてんだ!!」

 

 「・・・(コクリ)」

 

 相変わらず無口・・・そんなんでやっていけんのか?

 それより・・・

 制服似合ってるな・・・・・。

 

 「・・・・・ん?」

 

 「ん?ああ、いや、何でもない」

 

 首をちょこっと傾けて、ん?、は破壊力抜群。

 これは一般青少年には刺激が強すぎる!!

 

 「あ、俺、そろそろ行くから」

 

 いかんいかん、これ以上ここにいると小夜のバイトの邪魔になってしまう。

 

 「バイト頑張れよ!」

 

 「・・・・・あ!!」

 

 俺が店から出て行こうとすると、小夜に呼び止められた。

 

 「・・・えっと」

 

 「ん?」

 

 「ありがとうございました(ニコッ)」

 

 ビブラバッ!!

 た、太陽の笑みやッ!! 

 「あ、ああ・・・」

 

 久しぶりに見たな・・・小夜の満面の笑み(営業スマイルだが)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はファーストフード店を後にし、一旦帰路に着く事にした。

 家帰ったらゲームでもすんかな・・・?

 

 俺はチャリのスピードを少しだけあげる。

 風が気持ちいねぇ〜!

 

 ・・・今なら時を止める事が出来るかも!!

 

 まぁ、無理だけど。

 

 「俺だって、スタンドさえあれば・・・」

 

 その時、俺は道路右側にあるアリーナの駐車場に、見た事ある奴を発見!!

 

 ・・・どうしよ?

 暇だし、行くか。

 

 俺はチャリの方向をアリーナ側へ変更。

 少しスピードを上げ、奴に接近!!

 わお、風がすげぇ!!

 

 んな事より、

 

 「そこのお嬢さん、こんないい日に一人で何やってんの?」

 

 「え?」

 

 俺の声に奴―――美羽が気付き、くるっとこっちに向いた。

 

 「は、春?」

 

 「イエス、Springです!!」

 

 つまらんシャレを言った所でチャリから降りる。

 

 「何してんの?こんな所で?」

 

 まさか本当に友達いないの?コイツ!?

 

 「何って、楓の試合見に来たに決まってるじゃない!!」

 

 「カエデ!?」

 

 あ、そうか!

 今日の楓の試合、ここのアリーナでやるんだっけ!!

 

 「春は何してんの?」

 

 む・・・何と答えるべきか・・・

 

 「ファーストフード店行って昼飯調達!」

 

 「ははん・・・一人で!?」

 

 「ハッハッハ、俺は一人ではないッ!!いつも心にはもう一人の自分が・・・・・あ?美羽?」

 

 「・・・・・」

 

 そ、そんな目で見るなぁ〜!!

 

 「・・・とりあえず、春も暇なんだ」

 

 「まぁ・・・うん」

 

 「じゃあ一緒に柔道の試合、見ない?」

 

 「楓のか?」

 

 「うん。だって他の友達はみんな柔道興味ない、って言うし・・・」

 

 まぁ・・・暇だし、いいかな・・・。

 

 「おう、じゃあ見に行こうぜ!!」

 

 本日の暇つぶしが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アリーナ入場料&試合観戦料は無料でした。

 

 「えっと・・・」

 

 俺はアリーナに入場した時に貰った試合表を確認する。

 

 「楓は女だから(当たり前)・・・午後0時から第三アリーナで葉城高校女子VS岡田工業高校女子・・・か。うわ、初戦は岡工か・・・」

 

 岡田工業高等学校

 

 まぁ、ぶっちゃけ不良の集まりみたいな学校。

 ヤンキーやスケバンなどと言う絶滅危惧種が数多く在籍しているらしい。

 

 「岡工か・・・楓、大丈夫かなぁ・・・?」

 

 心配そうな美羽。

 

 「大丈夫だよ、あいつは半男生物だから。そんじょそこらのメス共には・・・・・」

 

 「誰が半男生物だって・・・・・?」

 

 ・・・背後からパキッポキッと言う関節音が!!

 

 「あ、楓!!応援にきたよ!!」

 

 美羽は笑顔、俺はヤバスな顔。

 よし、勇気を持って振り返えろう。

 

 くるっ!!

 

 「ハロー春吉」

 

 そこには、鬼の形相をした楓の姿が・・・

 

 「あら〜可愛いお嬢さん、お名前は何ていうの!?」

 

 木山流会話術、三ノ型、初めて会った風に話す。

 

 「・・・・・」

 

 い、威圧感スゲー!!

 

 「もう一度聞こう、誰が半男生物だ?」

 

 「・・・権三朗の事です、はい」

 

 「本当か?」

 

 目が怖ぇ〜!!

 

 「ほ、本当です・・・」

 

 「まぁ・・・今日はいいか」

 

 楓はふぅ〜ッとでっかいため息。

 

 ああ・・・一安心。

 

 「楓、どうしたの?」

 

 楓のため息に美羽が反応。

 

 「いや・・・何でもない」

 

 ハハハ、俺は気付いた!!

 コイツ、緊張してんな!!

 

 「おい楓、今日は確か団体戦だろ?お前ウチの何番目なの?」

 

 恐らく先峰と見た!!

 

 「・・・・・大将」

 

 「・・・は?」

 

 大将?

 大将って、あの裸で、おにぎりで、絵を描いている・・・アレか?

 

 「どうしよう・・・めちゃくちゃ緊張すんだよ」

 

 ・・・これは一大事だ!!

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