番外話 ワイバーン
三姫月間第六弾は魔法戦士ワイバーンナイト。
ではどぞ!!
ここは、人と竜と魔法が共存する世界。
人は魔法と竜を従え、この世界のてっぺんに君臨していた。
オリバ帝国
帝国のはずれ、辺境の村「パル」。
そんなパルのさらにはずれにある「サナーの竜騎士訓練所」。
「・・・サナーさん」
木造の一戸建て、庭には竜舎。
「なんだ、ジェイクじゃない!!」
少年―――ジェイクは訓練所の扉を叩いた。
すると扉は開き、中から一人の若い女性が。
彼女―――サナーはジェイクを手招き。
「入りなさい、もう準備は出来てるわ」
「サンキュー!!」
するとジェイクは家の中へ。
ジェイクはパル村出身の竜騎士の訓練生。
竜騎士―――ドラゴンやワイバーンにまたがり、自らの魔法を使い、国に使える帝国兵のこと。
「パイロキネシス!」
サナーは人差し指をたて、そう唱える。
すると、釜にボッと火がついた。
「今、コーヒーいれるから」
「いつも悪いな」
ジェイクはリビングの椅子に腰かける。
「で、今日はどうするの?」
ポコポコと沸騰しだす釜の水。
サナーは手早くコーヒー豆を準備しつつ、ジェイクに問い掛ける。
「あー・・・今日は低空飛行と旋回を・・・」
ジェイクは軽く苦笑いで答える。
ジェイクは正直、運動が苦手。
竜騎士を目指すなんて無謀な人間なのだ。
しかし・・・
「またそれの練習? 全く、いつになったら魔法飛行の練習にたどり着くのやら」
「し、仕方ないだろ・・・これでも、努力はしているんだけど・・・」
自分の言葉に、しょぼ〜んとするジェイク。
その時・・・
「大変だ、また盗賊達が現れたぞ!!」
村の方向から、男性の叫び声が聞こえた。
「なッ、盗賊!?」
サナーはその言葉を聞き、顔が真っ青に。
ハーラ盗賊団
この近辺の村に出没し、ワイバーンを扱い盗賊行為を行う集団だ。
普段なら、村の在住騎士に追っ払ってもらうのだが・・・
「前の戦いでクマラさん、怪我しちゃったから・・・」
クマラとは、この村の在住騎士。
先週の戦いで怪我をおい、現在療養中。
「どうしよう・・・」
このままでは、盗賊達が次々と村を破壊してしまう。
その時!!
「僕が行きます」
ジェイクはその場で立ち上がり、サナーの目を見て言った。
「なッ、ジェイクはまだ訓練生でしょ? それに魔法飛行だって・・・」
「僕は・・・僕は、村を守るために竜騎士になろうとしているんだ。だから・・・」
そう言うと、ジェイクはコートを手に取り、外へ・・・。
「ちょ、ちょっと」
竜舎
「・・・頼むぞ」
ジェイクは、自らの愛竜にまたがり、大空へ!!
村上空
「ヒッヒッヒ、クマラがいなければこっちのものだ!!」
盗賊達は村目掛け急降下。
「く、くるぞ!!」
村人達は、急いで建物の中へ。
その時
「待て、と、盗賊!」
「あ?」
盗賊達が声のした方向に顔を向けると、そこには一人のワイバーンナイトが。
「何だテメェは?」
「僕はジェイク。む、村を守る竜騎士だ!!」
今行くしかない、ジェイクは自分にそう言い聞かせ、盗賊達に向かい突撃!
「炎の魔法、フィア!!」
魔法飛行、それは魔法を使用しながらの飛行の事で、難易度は使用魔法によってかわる。
フィアは前方に向かい、炎球を放つ初級魔法。
しかし・・・
ガクッ!!
「うおッ!?」
ジェイクはバランスを崩し、危うく落ちかねた。
「ハハハ、そんなんでワイバーンナイト気取りか? 笑っちまうぜ!」
盗賊達は皆ケラケラと笑い、視線を再び村へ。
「こんな奴ほっといて、さっさと村を襲いに行こう!!」
盗賊達は皆一斉に急降下。村が危ない!!
「くそっ、僕は村を守るために竜騎士目指してんだ。こんな所で・・・」
ジェイクは掌をぐっと握った。
「僕は・・・村を守るんだ!!」
ジェイクはそう言うと一旦深呼吸。
そして・・・
「雷の魔法、レスクボルト!!」
相手の頭上に雷を落とす、上級魔法。
「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
バリバリバリ!!
「ぎやぁぁぁぁぁぁ!!」
雷は盗賊達にクリーンヒット!!
「やられたぁ!!」
盗賊達は黒焦げになりながら、村の外れに落ちて行った。
「・・・やった」
ジェイクはぐっと握った掌を見つめた。
「僕は村を救ったんだ!! やったぁぁぁ!!」
こうしてジェイクの、長い竜騎士生活が幕を開けたのである。
Fin
「ど、どうっすか美羽さん!?」
俺はDVDレコーダーのスイッチを切りながら、目の前にいる美羽に質問。
美羽の手には「魔法戦士ワイバーンナイト1」と書かれたパッケージ。
「・・・正直」
「しょ、正直?」
「正直、展開が急すぎてつまらない」
「・・・・・」
凄い微妙でしたよね、コレ・・・。
三姫月間第七弾は、ちょっとした発表!
これは活動報告の方でやります!!
下手したら8月1日になっちゃうかも・・・