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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
青上強襲篇
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第49話 涙色の夕日

お久しぶりです!!

またまたまた勝手に休載しちゃってすみませんでした!!


で、この“球技大会編”を半ば無視してやっている感じになってきちゃった今編“青上強襲編”は、いよいよ中盤突入です!!


 「テメェら・・・許さねぇ!!」


 ウシタニ君との距離、およそ5メートル。

 俺はアスファルトを蹴り、一気に接近。


 「うおりゃぁぁぁ!」


 奴の手―――スタンガンだけには注意しないと。

 俺はそのままの勢いで、ウシタニ君の腹にパンチ!!

 しかし・・・


 ガコォーン!!


 「ッ・・・!!」


 響き渡る轟音。

 何故か痛みの走る右腕。


 「くぅ・・・」


 な、情けない声が。


 「フフフ・・・頭に血が上ると、人間は冷静さを失う」


 な、何が・・・


 「・・・牛渓、コイツを早く始末しろ」


 「御意」


 あ、ウシタニ君がまともに喋った。

 って、今はそんな事どうでもいいし。


 「クソッ!!」


 ウシタニ君は思い切り拳を構え、俺に向かい振り下ろす。


 ブオォォン!!


 空気の裂ける音。

 こ、これはマズイ!!

 俺は咄嗟に拳をかわすため、右へ跳躍・・・ってあああ!!


 「うおっ!!」


 あああ!!

 勢い余ってホームから落下、線路へ・・・。


 ドサッ・・・


 「痛っ・・・」


 やべぇ・・・何とか受け身はとったけど、体のあちこちが痛い。


 「フフフ・・・面白い事をするな、君は」


 ホームの上から俺を見下ろす古宇宮。


 「・・・ッ」


 ・・・体が動かない。

 ックソ!!


 「・・・フフフ、いいでしょう」


 なっ・・・突然笑い出した古宇宮。

 き、キモい・・・。


 「明日、そうですね・・・・・では、あと仲間を3人連れて、青上の廃工場に来なさい」


 ・・・は?


 「3人ですよ? それ以上連れて来たら、人質は全員殺します。あと、もちろんですが他言も駄目。警察に頼ろう何て考えは、甘いですから」


 こ、コイツ、何言って・・・


 「・・・つまり、人質を返して欲しければ、明日の昼に仲間を3人連れて、青上の廃工場へ来いと言う事です」


 「ひ、人質!?」


 って、まさか。


 「葉城高校関係者の事ですよ」


 ・・・やっぱりか。


 「フフフ・・・馬鹿な貴方に興味を持ったからの特別処置です。せいぜい足掻きなさい」


 「きょ、興味って・・・」


 「・・・では、この子達も預かっていきますね」


 あッ!!


 「ま、待てッ!!」


 まさか・・・。

 俺は急いでホームへ上がる。

 マズイ、この展開は・・・!!

 そして・・・やっとこさホームへ上がった俺。

 そこには・・・


 「・・・そんな」


 そこに・・・もう青上の2人と、楓と美羽の姿は無かった。

 

 「マジでか・・・」













 カアカア!!

 

 ああ・・・カラスさんが鳴いてらぁ。

 

 時刻は午後6時。

 俺は燃え尽きていた。

 

 「・・・クソッ」

 

 自分の無力さに腹が立つぜチキショー!!

 

 「なんで・・・」

 

 なんで俺、こんなに弱いんだ・・・。

 そりゃ、幼少期は無喧嘩無トラブルな人生を送ってきたわけで・・・。

 今でも喧嘩なんてした事のない草食系・・・いや雑食系男子な俺であり。

 

 「・・・明日か」

 

 夕日は空をオレンジ色に染め、俺のメンタルを涙色に染める。

 

 楓・・・

 小夜・・・

 美羽・・・

 

 「・・・・・」

 

 確か奴は、仲間は三人までとか言ってたっけ。

 

 この際、葉城のボクシング部に頭下げるか?

 

 んな事考えてた

 その時!!

 

 「・・・オイ」

 

 「ひっ!!」

 

 は、背後から声が!?

 

 「は〜る〜よ〜し〜」

 

 「・・・・・」

 

 随分なガラガラ声。

 俺は何となく視線を足元のアスファルトに。

 

 ユラユラ〜と、俺に近付いてくる影ありけり。

 

 「は〜る〜よ〜し〜」

 

 声と影は徐々に近付いて・・・って!!

 

 「お、お化け!?」

 

 ま、まさか・・・

 

 ここは、南葉城駅近くの人通りの少ない道。

 

 「は〜る〜・・・」

 

 「あ、あああああ!」

 

 やべ、ちびりそう。

 しかーし、男春吉勇気を持て!!

 

 「あ、ああ悪霊退散〜ッ!!」

 

 テキトーなお経を唱えながら、一気に振り返る!

 

 「な、なんみょーほーれんそー!!」

 

 「・・・・・」

 

 「りんぴょーとーしゃーじんかいめつ・・・って、アレ?」

 

 「・・・テメェ、殺されたいのか?」

 

 あれま!!

 俺が振り返った先、そこにいたのは・・・

 

 「お、落ち武者?」

 

 「・・・シバくぞ」

 

 「いや、じょ、冗談です・・・」

 

 そこにいたのは、ボッロボロで傷だらけのバネ人間!!

 

 「な、夏哉!?」

 

 「・・・・・」

 

 ・・・悪霊ではないようだな。

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