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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
青上強襲篇
51/116

番外話 藤高の伝説後編


 翌日

 

 「なぁ春吉、お前聞いたか?」

 

 朝1番に、俺の席に来た権三朗。

 

 「何?」

 

 うざいから、テキトーにあしらおう。

 

 「藤高の伝説だよ!」

 

 「・・・伝説」

 

 中二ですかコノヤロー

 

 「そう、今下藤野をテリトリーにしている、藤高日高一派!!」

 

 ヤクザか?

 極道か?

 

 「〔下藤野の若虎〕日高に、〔若虎の右腕〕赤坂、〔下藤野の守護神〕小山とか〔藤高の巨兵〕山本などなど。不良界では超が付くほどの有名グループ、日高一派」

 

 そう言うとこやつ、かばんから一冊の本を取り出した。

 なになに・・・〔週刊ヤンキー〕。

 ・・・は?

 

 「これ、あの不良高の岡田工業のOBが作ってる雑誌」

 

 いや、知らねぇし。

 

 「見ろよ、今週の巻頭特集〔須貝学園の番格潰し、全て失敗〕」

 

 いや、だから知らねぇから、そんな事。

 

 「中でも、藤高の日高は須貝学園の不良10人を、1人でやったんだって」

 

 ・・・こいつ、もしかして夏休みデビュー希望?

 

 「すげぇよな、かなり憧れるんだけど!!」

 

 「・・・・・」

 

 どうやら、権三朗は間違った方向へ向かおうとしているらしい。

 

 「日高さんか・・・一体、どんな人なんだろう」

 

 「・・・はぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、その日の放課後

 

 「何故だ・・・」

 

 今、俺は下藤野高校前にいます。

 

 「何故、俺はこんな所に・・・」

 

 「まあまあ」

 

 隣にいるのは権三朗。

 どうやら、マジで夏休みデビュー希望らしい。

 

 「今日は日高さんに頼んで、俺も一派の一員にさせて貰うんだ!!」

 

 「・・・馬鹿だ」

 

 権三朗、馬鹿だ。

 相手は天下の不良様だぞ? こんなひょろひょろ、一撃でアウトだぞ?

 

 「にしても、藤高の制服ってかっけーな」

 

 そう言うのは楓・・・ってか

 

 「何でお前もいんだよ!?」

 

 「いいじゃん、何か面白そうだし」

 

 そう言ってる楓の視線は、そろそろ下校者が増えてきた藤高生徒の制服。

 

 「面白そうってな・・・」

 

 まったく・・・

 

 「なんか、大量の藤高制服の中に葉城の制服って、何か目立ちますね」

 

 って言ったのは・・・

 

 「だから、何でお前もいんだよ!?」

 

 「ほへ?」

 

 小首を傾げながら、こっちを見る亜希。

 

 「ほへ? じゃなくて、お前は何しに来たんだよ!?」

 

 「ああ、何か面白そうでしたから」

 

 お前もかッ!!

 

 「・・・はぁ」

 

 ため息も出るよ・・・

 

 「ねぇ、あの制服、他校じゃない?」

 「あれ、どこ校?」

 「もしかして、殴り込みとか?」

 「不良・・・にしては、ひょろひょろが一人いる・・・」

 

 ん?

 辺りを見ると、いつの間にか藤高生がいっぱい。

 

 「・・・権三朗、今日はもう帰らね?」

 

 面倒事が起きる前に。

 

 「・・・いや、俺は不良になるんだ!! こんな所で諦めてたまるか!!」

 

 「あっそ、じゃ俺らは帰るから。楓、亜希、行こうぜ」

 

 「ああ、ちょっと、一人にしないで!!」

 

 うぜぇ。

 その時・・・

 

 「おい、てめぇら!」

 

 げ!!

 藤高校舎の方から、ちょいと太めの人が・・・

 見た目明らか不良。

 

 「あ、小山さん!!」

 「ちわーす!!」

 「あれです、例の怪しい奴ら!!」

 

 なんか・・・ヤバイ感じに・・・なってきとる。

 

 「何モンだ、てめぇら?」

 

 うわ、メンチ切っとる、メンチ切っとる!!

 

 「あ、貴方は・・・藤高の守護神、小山さん!」

 

 「あ?」

 

 ご、権三朗!?

 

 「うわ、マジで小山さんだ・・・すげぇ」

 

 「んだテメェ、離れろや」

 

 権三朗と不良の距離、わすが20センチ。

 つーか、権三朗興奮し過ぎ!!

 

 「コイツが藤高の守護神・・・」

 

 確かに怖いオーラはあるけど・・・ただのデブ。

 

 「春吉、このデブだれ?」

 

 か、楓さん!?

 

 「なッ、テメェ・・・」 

 なあッ、怒り買っちゃった!?

 

 「ああ、死んだな」

 「小山さんの前で禁句ワードを・・・」

 「アイツら、マジで言ったのか?」

 

 うわ・・・何か周りの奴が言っとる。

 

 「楓駄目だろ、本人の前でそんな事言ったら・・・」

 

 「テメェ、なめてんのか!?」

 

 ひぃ〜!!

 

 「貴方、カルシウム足りてます? もっと小魚とかを・・・」

 

 亜希、火に油を注ぐな!!

 

 「この・・・泣かすぞコラァ!!」

 

 「ああぁ(汗)」

 

 何故か権三朗が1番ビビってます。

 

 「ちッ、やんのか?」

 

 「ちょ、おま、楓!」

 

 ヤバイ、大魔神が戦闘モードに!!

 

 「んだ? 女はすっこんでろ!!」

 

 「よく喋る豚だな」

 

 楓ぇ〜!! もう止めてぇ〜!!

 

 「んだとコラァ!!」

 

 バコッ!!

 

 「グヘッ!!」

 

 あ・・・相手が放った拳が、権三朗にクリーンヒット!!

 近くにいるからこうなる。

 

 「次はテメェに喰らわすぞ!!」

 

 「さすがデブだけあって、威力はなかなかだな」

 

 もう、事態は収集のつかない方向に・・・

 

 「う〜ん・・・カルシウムが豊富な小魚と言えば・・・」

 

 亜希は何かズレてるし・・・。

 

 その時!!

 

 「おう、何してんだ小山?」

 

 またまた校舎の方から、一人の男が・・・。

 

 「あ、あれは!!」

 

 権三朗、フラフラになりながらも、何とか立ち上がる。

 

 「あ、赤坂先輩!!」

 

 赤坂?

 

 「どうした小山? 喧嘩か?」

 

 新手か・・・つーか、早く帰りたい。

 

 「赤坂先輩、こいつら、藤高に殴り込みしに来たみたいで」

 

 「あんだと?」

 

 「え、ちょ、違」

 

 「るせぇ!!」

 

 バコッ!!

 

 権三朗、本日二発目。

 

 「おう、どうしたどうした?」

 

 むむ、さらに校舎の方から数人・・・

 

 「お、沙希に雲雀丘、それに日高ちゃん!!」

 

 またまた新手・・・

 つーか、その他にも藤高不良組がゾロゾロと・・・ 

 「赤坂、小山、何だそいつら?」

 

 「知らねぇ、何か殴り込みらしいけど」

 

 やべ・・・変な誤解が・・・

 

 「殴り込みだ?」

 

 あいつ・・・が、日高恭介って奴か・・・。

 正直逃げたい。

 

 「きょーすけ・・・」

 

 「大丈夫、10秒でしめる。深月は下がってな」

 

 うわ、何かカッコイイ・・・じゃなくて。

 

 「楓、ここは一旦引く・・・」

 

 「男三人か、よし、掛かってこい!!」

 

 楓ぇ〜!!

 

 「沙希も下がってな。ここは俺らでやる」

 

 「う〜ん、じゃあ任せる!!」

 

 向こうはもう戦闘スタンバイ。

 

 「やべぇよ、これはマジで・・・」

 

 さて、どうするかな・・・

 

 「赤坂、小山、行くぞ!!」

 

 「「おお!!」」

 

 どうする・・・どうする・・・どうする・・・

 

 あ、そうだ。

 

 「おりゃあぁ〜!!」

 

 俺は咄嗟に行動を起こす。

 まずは、そこで伸びている権三朗の襟をつかみ、

 

 「セイッ!!」

 

 相手に向かい投げる!

 

 ブオォォォン!!

 

 「なッ!?」

 「なにッ!?」

 「くッ!?」

 

 一瞬怯んだ!!

 今だッ!!

 

 「えっ!?」

 「うっ!?」

 

 俺は右手で楓の襟、左手で亜希の襟を掴み・・・

 

 「ふりゃぁ〜!!」

 

 全力疾走で逃げる!!

 だって、かないっこないもん。

 

 「な、ま、待て!!」

 

 後ろから声が・・・

 ふ、振り向いてはいけない!! 前だけをみるんだ俺!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何で逃げたんだよ」

 

 やっとこさ葉城のテリトリーへ逃げてきた俺。

 しかし、大魔神はお怒り気味。

 

 「あんな奴ら、あたしなら5秒で・・・」

 

 「だーっ、だから、喧嘩とかは駄目、下手して学校に知れたら停学だぞ」

 

 「んだよ・・・」

 

 はぁ、はぁ、つ、疲れたぁ〜。

 

 「やっぱり鰯? それともメザシ?」

 

 亜希はまだズレてる。

 

 「に、しても・・・」

 

 「ん、どうした亜希?」 

 やっと魚の話題終わったか?

 

 「あの、日高って人の後ろにいた、あの子・・・雲雀丘って・・・」

 

 「亜希?」

 

 「もしかして、雲雀丘財閥の子かな?」

 

 「財閥?」

 

 それって、亜希の渡邉財閥とかの、財閥?

 

 ・・・ん?

 あれ?

 

 何か・・・忘れてないか?

 

 あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、藤高校門前

 

 「だから俺、日高一派の一員に・・・」

 

 「テメェ、まさか他校のスパイ!?」

 

 「だから違・・・」

 

 「日高ちゃん!!」

 

 「・・・とりあえず、しめとくか」

 

 「え、ちょ、まっ・・・ぎやゃあぁ〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日、権三朗は

 

 「もう、不良嫌!!」

 

 と、言いながらボロ雑巾の姿で帰ってきました。

 いかがでしたでしょうか?

 今回、コラボを提案して頂いた作戦参謀さんには、心からの感謝です!!

 

 で、三姫月間第四弾は、作中で春吉が金曜日の楽しみと豪語している〔魔法戦士ワイバーンナイト〕の特別読み切り!!

 

 第五弾は、三姫世界の設定等の紹介!!

 

 おかげさまで、ユニークアクセス数が8000アクセスを突破&PVアクセス数も50000アクセス突破目前の所です。

 

 皆様、本当にありがとうございます!!

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