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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
青上強襲篇
50/116

番外話 藤高の伝説前編


 三姫月間第三弾は、作戦参謀さんの日高キャラとコラボ!!

 ちょっと話が長くなりそうなので、物語は前後編に分けます!!


 それは、じめじめとした梅雨本番の、6月のとある日の事。

 

 ザァーーーッ

 

 「あ〜・・・雨が、雨がぁ」

 

 俺、木山春吉はいつも通り、学校に向かい登校中!!

 

 「暑ぢーし、雨すげーし・・・」

 

 雨降ってんのに暑いってどゆ事!?

 これぞ6月、THE・梅雨って感じだな。

 に、しても・・・

 

 ザァーーーッ

 

 雨が・・・もうブレザーもズボンもワイシャツも靴下もビショビショ。

 もう、傘は役に立ちそうにないくらいの豪雨。

 

 『本日の降水確率は90%です!!』

 

 朝、ニュースでお天気お姉さんがそんな事言ってた気がする。

 

 「はぁ・・・」


 

 今日は体育ないから、ジャージは持ってきてないしな・・・。

 学校行っても、俺はこのままビショビショライフをしなくてはいけないのかッ!?

 

 もう、雨に超げんなりしていた

 その時・・・

 

 「アニキ、本当に今日、実行するんすか?」

 

 「あたぼうよ!! 下藤野、慈恵、葉城、桜ヶ丘、岡田工業、北陽、青上。今日こそ俺はこの7校の番格潰して、俺ら須貝学園が喧嘩1番だって所を見せ付けるんだ!!」

 

 ・・・そこの路地裏から聞こえる、明らかなイベントフラグ。

 声は男の声が二つ。

 

 「まずは何処から潰します? アニキ?」

 

 「そうだな・・・慈恵の本庄と青上の古宇宮はやべぇって聞くし、かと言って北陽や桜ヶ丘もな・・・岡工は猫舌さんいるし・・・」

 

 優柔不断な不良だな、オイ。

 つーか、俺早く学校行かねぇと、ダーク生徒会長にグーを貰っちまう!!

 早いとこトンズラしよう。

 

 「まずは・・・下藤野か葉城だな。日高一派を先にやっとかないと、後々面倒だし。葉城は・・・って、葉城の番格って誰だ?」

 

 ・・・こいつ、葉城にも来んのかよ。

 

 「まあ、とりあえずは下藤野だ。須貝不良組全員に伝えとけ、今日午後5時、下藤野の若虎、日高恭介を狙うとな」

 

 「あいあいさー」

 

 下藤野・・・ああ、確か権三朗が言ってたな。

 

 『春吉、藤高って知ってるか? 最近の藤高はやべぇらしいぞ!!』

 

 みたいな事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の下校時

 南葉城商店街

 

 「でね、5組の八原さんが、また彼氏ふったらしくてさ」

 

 「八原っちか・・・あいつ、かなりの飽き性だからな」

 

 「・・・わかる」

 

 「・・・・・」

 

 只今、三人の女子と絶賛下校中(帰る方向が一緒なので・・・)。

 で、三人は現在、ガールズトークなるものをしているらしい。

 

 「楓は、彼氏とか作らないの?」

 

 「う〜ん・・・あたし、別に男とか興味ないし。・・・小夜は?」

 

 「・・・まだ、運命的な結び付きはない」

 

 「・・・・・」

 

 ・・・もの凄く、いづらい雰囲気。

 つーか女子三人に男子一人って、かなり気まずいんだよ!!

 

 「・・・美羽は?」

 

 「えッ、私? 私は・・・」

 

 ・・・はぁ、ついていけないな、ガールズトークってヤツは。

 その時!!

 

 「いたぞ、日高だッ!!」

 

 ん?

 突然の怒鳴り声。

 その声は前方から。

 

 「・・・何だ?」

 

 何だ何だ?

 喧嘩か?

 

 「ちッ・・・ここじゃ人目が・・・一旦逃げるぞ、深月」

 

 「・・・うん」

 

 そんな話し声と共に、俺の横を二つの人影が通り過ぎる。

 ん?

 あれ? 今のヤツって確か・・・

 

 「逃がすな、追えぇ!!」

 

 謎の二人組が通り過ぎたすぐあとに、今度はどこぞの学ランを着た、ごつい兄ちゃん達が、俺の横を通り過ぎようとしていた。

 

 しかし・・・

 

 「あッ!!」

 

 一人の学ラン兄ちゃんが、こちらを視認、大声を上げた・・・つーか、不良に目ぇ付けられた!!

 

 「どうした松川?」

 

 「榊原さん、こいつら葉城の制服着てますよ!」

 

 「あんだと?」

 

 そう言うと、俺らの周りにゾロゾロと集まりだす学ラン不良達。

 

 「な、なに・・・」

 

 美羽は不良にビビり気味のご様子。

 

 「・・・・・」

 

 小夜も少し怖がってますな。

 

 「あ? 何だコイツら?」

 

 逆に楓は戦闘モードに・・・ってか、超たくましい!!

 

 「相手は約10人・・・どうする?」

 

 とりあえず、ここは男春吉、震える足に鞭打って、ドーンと構えますぜ!!

 

 「10人って、春吉、お前戦うつもりか?」

 

 「あ、当たり前だ!! お、俺はに、にに日本男子だぞ!!」

 

 あー・・・声震えちったな。

 

 「日本男子って・・・まぁ、あたしの邪魔はするなよ?」

 

 ほ、本当にたくましい子やッ!!

 

 「小夜と美羽は下がってな」

 

 「う、うん」

 

 「・・・(コクリ)」

 

 そう言うと二人は少し後ろへ。

 

 「榊原さん、確か〔須貝のぶっ潰す高校リスト〕に葉城って・・・」

 

 「ああ、確かあった気がする」

 

 一方の相手は、なにやら相談中。

 

 「まぁ、とりあえずコイツらしめて、葉城の番格を呼び出すエサにでもするか!!」

 

 ・・・どうやら向こうはやる気満々のご様子。

 

 「野郎共、やっちまいなッ!!」

 

 く、来るか・・・

 しかし・・・

 

 「オラッ!!」

 

 ドスッ!!

 

 「・・・ッ!?」

 

 突然、榊原・・・さんって人が吹っ飛んだ。

 

 「な、何だ!?」

 「さ、榊原さん!?」

 「い、一体!?」

 

 不良共、超パニクってます。

 

 「へ?」

 

 で、俺もきょどる。

 

 「てめぇら、一般人には手ぇ出すんじゃねぇ!! 狙いは俺だろ!!」

 

 突然の声。

 俺は恐る恐る、声のした方向を見る。

 

 「なッ・・・あ、あれはッ!?」

 「帰ってきた・・・」

 「下藤野の若虎!!」

 

 そこにいたのは、さっき俺の横を通り過ぎた・・・ 

 「出たな」

 

 不良の一人が、そう呟いた。

 

 「日高・・・恭介ッ」

 

 日高恭介?

 って、確か・・・

 

 「てめぇらの目的は俺だろ? だったら一般人には手ぇ出さねぇで、正々堂々俺んとこに来いよ!!」

 

 なんと凛々しい人!!

 

 「んだてめぇ、さっき真っ先に逃げたくせに!」

 

 「う、うるせぇ、とりあえず、来るなら来い!」

 

 な、何なんだ・・・

 

 「春吉」

 

 「ん?」

 

 ツンツン、と小声で肩を突いてくる楓。

 

 「ここはあの人にまかせて、あたしらはトンズラしない?」

 

 「・・・・・」

 

 後ろへ振り返ると、コクコクと頷く美羽と小夜の姿が。

 

 「あの人が不良の注意を引き付けてる今がチャンスた。春吉、美羽、小夜、早く、こっち!!」

 

 い、いいのかな?

 平和を愛する俺としては、喧嘩はしないにこしたことはないけど・・・。

 

 「ハッ、いくら日高とて、1対10ではマズイんじゃねぇか? あ?」

 

 「るせぇ、やってやろうじゃねぇの!!」

 

 ・・・任せて良さそうな雰囲気。

 

 「春吉、早く!!」

 

 「あ、ああ・・・」

 

 こ、ここはあの人に任せて、一旦退散するか。


 後編&三姫月間第四弾の短編は、今週中には掲載予定です。(もしかしたら多少遅れるかも)

 

 で、ここからは告知!

 今回のコラボ作品、作戦参謀さん執筆の【日高の馬鹿と無口な小悪魔と】は、小説家になろう(当サイトですね)にて絶賛連載中です!!

 ぜひ、御一読を!!

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