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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
青上強襲篇
49/116

第47話 古宇宮 友喜


 「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

 

 な、何だ!?

 

 「な、何が・・・」

 

 「・・・フフフ」

 

 

 

 

 

 

 今から遡る事、5秒前

 

 「殺れ、牛渓」

 

 俺は目を見開いた。

 目の前にいる大男が、その太い右腕を振り上げ、二つある眼で、俺の瞳を凝視。

 そして・・・

 

 バコッ!!

 

 「がはッ!?」

 

 物凄い衝撃が、俺の体を走った。

 体が、宙を舞った。

 

 な、何が起きたのか、分からなかった。

 

 ドサッ・・・

 

 気が付くと俺は、駅のホームの上に横たわっていた。

 今、駅のホームには、俺と大男、そして古何とか君の三人のみ。

 

 「・・・ッ」

 

 体からは、生々しい痛みが。

 

 「・・・牛渓、そいつを回収しろ」

 

 やべ・・・体が動かん・・・痛ぇ。

 つーか、何か意識が・・・。

 

 「・・・フフフ」

 

 古何とか君の笑い声が聞こえる。

 ・・・なるほど。俺、喧嘩でも売られたのか。

 相手は二人。

 青上校のウシタニ・・・君と古何とか君。

 

 「・・・てめぇ・・・ら・・・」

 

 苦しい。

 息すんのすらキツイ。

 

 「・・・何だ、まだ意識があったのか」

 

 この・・・古何とか君め・・・。

 

 「あん・・・た・・・ら・・・これ、障害・・・罪で・・・捕まるぞ」

 

 「・・・は?」

 

 場の空気が一瞬フリーズ。

 

 「・・・障害罪か、葉城高生は面白い事を言うな・・・」

 

 「笑い・・・事じゃ・・・ねぇ・・・」

 

 何か・・・頭がぼーっとしてきた。

 

 「・・・フフフ、ではそんな君に、僕からも面白い事を教えてあげよう」

 

 「お・・・もしろ・・・い・・・事?」

 

 何だ?

 まさか、作者の中学時代の赤っ恥体験をカミングアウトすんのか?

 

 「・・・まず初めに、君は青上高校を知っているかい?」

 

 「・・・青上」

 

 青上・・・確か、不良率96%の、地球一荒れていると言われている極悪の高校だ。


 

 「僕は、その青上の不良集団『ブルーパンチ』を仕切る、いわゆるリーダーと言うやつだ」

 

 作者の補足説明!!

 

 青上高校(男子校)には、沢山の不良がいます。

 今では絶滅したと言われているリーゼントやアフロ、パンチパーマからスキンヘッドまで多種多様。

 

 そんな青上高校の中では、不良達にランク付けがされているんです。

 ランクはAからEまでの五段階。

 Aの方が強く、Eに近くほど弱いんです。

 

 「ブルーパンチって言うのは、そんな不良激戦校の中でも、特に強いランクAだけを集めて創った、最強の不良集団なんだよ」

 

 ・・・作者、あんたな・・・。

 

 「・・・で、僕はそのブルーパンチのリーダーなんだけどさ」

 

 そう言うと、古何とか君は近くのベンチへ。

 

 「・・・ブルーパンチのメンバーは皆、優秀でさ。みんな僕の命令には絶対服従なのね」

 

 「・・・・・」

 

 何だ、何言ってんだ?

 

 「・・・僕ね、この前、ちょいと葉城高校のとある人と揉め事起こしちゃってさ。今、ちょっとイラついてんだよね」

 

 「とある・・・人」

 

 「ああ、とある人とね。・・・で、僕はそいつが許せなくてさ。葉城に対して今、ブルーパンチの奴らにある命令を出したんだ」

 

 「・・・・・」

 

 何なんだ、コイツ。

 

 「・・・葉城高校全生徒723人と、教師等職員51人全員を狩れ」

 

 「なッ・・・」

 

 な、何言ってんだコイツ・・・。

 

 「ブルーパンチは総勢89人。僕を足して90人」

 

 「お前・・・」

 

 「不良高校内でもかなりの実力者89人が、葉城高校関係者約800人を、狩るんだよ。たとえ、か細い女子生徒でも、もう定年の老人教師でも、とにかく葉城高校関係者全員を、狩る」

 

 「何で・・・」

 

 「決行日はこの一週間。既に、ブルーパンチはみんな動き出しているし、今日までに合計37人の葉城関係者を狩った」

 

 「・・・何で」

 

 信じられない・・・

 

 「・・・フフフ、何でかだと?」 

 

 古何とか君は、笑っていた。

 

 「そんなの簡単さ。僕をこけにしたとある男―――梨本冬希に復讐するためだよ」

 

 「・・・ッ!?」

 

 コイツ・・・今、何て・・・

 

 「だけど、梨本だけを狩ってもこのイライラは収まらない。だから、どうせ梨本を狩るなら、連帯責任って事で、梨本の学校の奴全員を狩って、このイライラを・・・静めようと思ってさ」

 

 「・・・マジ・・・か・・・よ・・・」

 

 ・・・まさか

 

 「・・・古何とか君・・・一つ・・・聞いて・・・いいか?」

 

 「・・・ん?」

 

 あ〜喉痛ぇ・・・

 けど・・・

 

 「小夜と・・・赤佐を・・・あと夏哉は・・・お前らが・・・」

 

 「・・・さあな。狩った奴の名前など、いちいち覚えてはいないよ」

 

 カチンッ

 

 この野郎・・・も、ムカつくけど・・・

 

 冬希・・・

 

 「・・・さて、では牛渓、コイツを始末しろ」

 

 「・・・(コクリ)」

 

 あの弱虫野郎・・・何勝手に・・・てめぇのせいで・・・葉城の皆さんが・・・。

 

 「殺れ」

 

 ブォォォンッ!!

 

 大男の拳が、空気を裂きながら、俺目掛け・・・

 

 ・・・やっぱ、冬希もムカつくけど。

 

 だからって、無関係な俺達を巻き込むな!!

 この古何とか君めッ!! 

 「・・・フフフ」

 

 その時・・・

 

 パシッ!!

 

 俺に向かい放たれた、大男の拳。

 しかし、それは俺の5センチ前で止まった。

 

 「・・・ムっ」

 

 あ、大男が喋った。

 んな事より・・・

 

 「・・・何へばってんだ、春吉」

 

 「お前・・・ッ」

 

 大男のパンチを素手で受け止め、俺を救ってくれたのは・・・

 

 「こっちは血ぃ不足でふらふらなんだよ、早く立ってくれ」

 

 「うるせぇ・・・こちらとてふらふらじゃ!!」

 

 大魔神さんは、ご機嫌ななめのようです。

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