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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
青上強襲篇
46/116

第45話 代理競技


 葉城高校二年球技大会四日目

 

 競技は野球・・・のハズでした。

 しかし・・・

 

 ザァーーーッ!!

 

 あ、雨が・・・

 

 〔本日の二年野球は、雨天のため中止です。二年生は代理競技の準備をして下さい〕

 

 代理競技・・・

 それは、雨天などで外の競技が出来なくなった時、代わりに体育館で行う代理の競技の事。

 

 ちなみに代理競技はドッジボール、卓球、バドミントン。

 この中から、学年の行事委員が話し合いで一つ決めるのだ。

 

 「おい権三朗、絶対にドッジボールにしてこい」

 「ドッジボールだからな、ヤサイ人」

 「ドッジボール!!」

 

 野郎共は、行事委員の権三朗によってたかっての状態。

 

 「ハハハッ、みんな落ち着きたまえ、ハハハッ」

 

 しかも権三朗は調子乗ってるし。

 うぜぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「死ね権三朗!!」

 「この羽虫ッ!!」

 「三回死ねッ!!」

 「醤油の海で溺れて死ねッ!!」

 「生きるなッ!!」

 

 あれから一時間後、権三朗は泣いてました。

 代理競技は卓球らしいです。

 野郎共はよってたかって権三朗のガラスのハートを粉々にしています。

 

 「・・・すげぇな」

 

 もうガラスのハートは粉末状態に。

 

 「ご、ごめんなさいぃ〜〜〜!!」

 

 権三朗、メンタル崩壊

 

 「ねぇ、春?」

 

 「あ?」

 

 権三朗の涙を鑑賞していた俺に、美羽が話し掛けてきた。

 

 「ねぇ、まだ小夜、学校に来てないよね?」

 

 「小夜?」

 

 俺は教室をぐるっと確認。

 あ、確かに小夜がいない!!

 机にもかばんはなし。

 ちなみに、時刻はもう9時半。

 

 「もしかして、また疲労で・・・」

 

 心配そうな美羽。

 

 「・・・お前、小夜の携帯にメールとかした?」

 

 「うん。でも、メールも電話も返事がなくて・・・」

 

 「返事がない?」

 

 何かあったのか?

 

 「・・・あ」

 

 あ、そう言えば!!

 

 「赤佐なら何か知ってるかも」

 

 「赤佐くんが?」

 

 「ああ」

 

 昨日の夜の、アレ。

 もしかして、赤佐なら何か知ってんじゃね?

 

 

 

 ・・・しかし

 

 「赤佐もいねぇ!!」

 

 役立たずめがッ!!

 しかもメールも電話も通じん!!

 

 「何なんだッ!!」

 

 まさか、駆け落ちって言うオチか!?

 あ!?

 

 まさかな。

 ・・・いや、ない。

 うん、絶対。

 

 「春?」

 

 「ん?あ、いや」

 

 いかんいかん、変な想像している場合じゃない。

 

 「小夜も赤佐も、風邪で休みとかじゃねぇの?ほら、昨日ドシャ降りの雨だったし」

 

 「風邪かなぁ〜?」

 

 「きっとそうだよ。うん絶対。じゃなきゃ・・・」 

 俺は赤佐をシバく。

 

 「春、なんか目、怖いよ・・・」

 

 その時!!

 

 「お、木山!!」

 

 「あ?」

 

 背後から声が。

 

 そこにいたのは、二年一組の森島。

 一年の時のクラスメイトだった奴。

 

 「森島?どうした?」

 

 若干焦り気味の森島。

 

 「いや、ちょいと聞きたい事があって」

 

 「聞きたい事?」

 

 って何だ?

 俺の誕生日か何かか?

 

 「あのさ、木山って吉崎と知り合いだよね?」

 

 「・・・一応」

 

 んだよ、バネ人間の話題かよ。

 つまらん。

 

 「でさ、まだ今日、吉崎と水岡が学校来てなくてさ。木山、お前何か知らないか?」

 

 「知らねぇ」

 

 超絶興味ねぇ。

 

 「そうか・・・悪いな!!」

 

 そう言うと、森島は去って行った。

 

 「友達思いなやつよの・・・」

 

 アイツは結構義理堅いのだ。

 

 「小夜に赤佐に水岡にバネ人間。こりゃ、何かの事件フラグでも立ってそうだな」

 

 「春、そんな事言わないのッ!!」

 

 結構本気な美羽。

 

 「ま、バネ人間は事件に巻き込まれても生還率100%な野郎だし。赤佐も小夜も何だかんだで運いいし。きっと大丈夫だろう」

 

 多分。

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