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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
球技大会本戦篇
36/116

第36話 テニス


 翌日・・・

 

 火曜日、葉城高校球技大会二日目。

 

 二年、競技はテニス。

 

 現在午前10時

 

 テニスは午前男子、午後は女子。

 

 バレーボールと違って、テニスは個人競技となるので、たまにトーナメントの関係上、同じクラス同士の奴が戦う事もしばしば。

 

 で・・・

 

 

 

 「きゃ〜!!」

 「吉崎くん、頑張ってぇ〜!!」

 「吉崎くんカッコイイ!!」

 「なっくんファイトォ!!」

 

 第二テニスコート(葉城高校にはテニスコートは二つある)にて、黄色い歓声が上がっている。

 

 「ハッ!!」

 

 パコンッ!!

 

 「きゃ〜、吉崎くん〜!!」

 「カッコイイ!!」

 「L・O・V・E・夏哉ぁ〜!!」

 「なっくんナイススマッシュ!!」

 

 ・・・お分かり頂けただろうか?

 容姿端麗頭脳明晰、運動OK勉強OK、おまけにイケメン。

 去年のミスター葉城、吉崎夏哉。

 ファンクラブもありますよぉ。

 

 「・・・ふぅ」

 

 何だかむかつく。

 

 「春、あんたひがんでる?」

 

 「・・・うっせぇ」

 

 現在応援席。

 周りには美羽、楓、小夜、顔真っ赤の赤佐。

 

 ・・・もちろん、あのにっくきバネ人間の応援ではありません。

 

 今、夏哉の戦っている相手・・・

 

 「はぁ〜はぁ〜、き、キツイ・・・」

 

 もうバッテバテの重原権三朗。

 

 「おい脇役、もっとしっかりせい!!」

 

 ヤジを飛ばしてみる。

 

 「う、うるせぇ」

 

 半分声が出てないし・・・。

 

 「・・・このままだと、一回も点を取れずにコールド負けだな」

 

 奴を庇うつもりではないが、権三朗はテニス経験者なので、決して下手と言うわけではない。

 ただ・・・

 

 「・・・いくぜ」

 

 シュッ!!

 

 夏哉はテニスボールを天高く上げ、

 

 パコンッ!!

 

 強烈なサーブ!!

 

 「うわっ!!」

 

 バッシーンッ!!

 

 権三朗のラケット、宙をきる。

 

 「きゃ〜!!吉崎くん〜!!」

 「すご〜い、カッコイイ!!」

 「夏哉様ぁ〜!!」

 「なっくん、手加減手加減!!」

 

 これは・・・精神的に大ダメージ。

 権三朗のHPは既に赤く点滅している!!

 

 「・・・あんた、テニス経験者とか言ってたけど・・・」

 

 夏哉はラケットを手の平でクルクル。

 

 「案外、弱ぇな」

 

 「なッ・・・」

 

 ご、権三朗のガラスのハートが・・・割れた!!

 

 「あらら〜、もう権三朗は再起不能だね」

 

 美羽は軽蔑の目。

 

 「ああ・・・あぁ・・・あ・・・ぁ・・・」

 

 権三朗君は、泣いていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 午前、男子は夏哉の優勝で幕を閉じ、時刻は午後1時。

 テニス女子スタート!

 

 「いよいよだ・・・ああ・・・」

 

 「・・・何故、お前がそわそわしてんだ?」

 

 テニス第一コートの応援席。

 そわそわしている赤佐クン。

 

 「だ、だって・・・」

 

 「・・・ピュアやの」

 

 だいたい理由は分かる・・・。

 

 〔只今より第一コート、三組荏咲小夜と一組水岡香音の試合を始めます〕

 

 「ああ・・・荏咲さん・・・」

 

 「まぁ、とりあえず落ち着こうぜ赤佐」

 

 俺は赤佐を静めながら、後ろを確認。

 

 「小夜ぉ!!気合いだぁ!!」

 

 楓に美羽、権三朗の抜け殻、その他三組の野郎共とレディ共。

 あとたっつぁん。

 

 「赤佐、あんまそわそわしてっと、気付かれるぞ!?」

 

 純粋赤佐大輔片思い物語がな。

 

 「だ、だって・・・大事な初戦・・・」

 

 「とにかく落ち着こ」

 

 全く・・・。

 

 「あのな、小夜は小学中学とテニス部だったんだ。今でこそ弓道部だが、たまに堀田ジムでテニスやってるし・・・」

 

 「ああ・・・ああ・・・・・」

 

 話、聞いてねぇ〜!!

 

 「はぁ〜・・・しっかし」

 

 小夜の相手・・・確か水岡っつったっけ?

 いつも夏哉とつるんでる奴。

 

 「・・・小夜」

 

 小夜はグッとラケットを握り、視線は水岡。

 一方の相手は、ラケットの握り方をクラスの女子に教わり中。

 

 「これは・・・余裕かもな」

 

 「・・・それはどうだかな」

 

 「・・・ッ!!」

 

 ぶほっ!!

 いつの間にか、隣に夏哉の姿が!!

 

 「あのカオはすげぇぞ、いろんな意味で」

 

 「はぁ?」

 

 「まぁ・・・見てればわかるさ」

 

 その時!!

 

 〔ゲームスタート!〕

 

 試合が始まった!!

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