第33話 バレーボール
「春吉、いくら何でも、時間の進み、速くね?」
「楓、物語の設定をぶち壊すようなツッコミはやめろ」
6月初めの週の月曜日
葉城高校球技大会初日
二年生の競技はバレーボール。
「いいかお前ら、やるからには絶対勝つぞ!!」
朝のSHL、やけにテンションが高いたっつぁん・・・。
『絶対勝つ!!』
野郎共もやる気MAXらしい。
「はぁ・・・朝からテンション高いな、オイ」
何だかうらやましい・・・こっちは深夜アニメで寝不足、頭がヤバス!!
「いいか、何が何でも三組が1位だ!!」
『オォォー!!』
・・・熱い
「よぉ、春吉!!」
「ん?ああ、楓か・・・・・」
あまりの熱さに、げんなりしていた俺に話し掛けてきたのは楓。
「今日はお互い、頑張ろうぜ!!」
「ああ、そうっすね」
頭痛いよぉ!!
昨日(つーか今日)は、深夜3時まで起きてたからな・・・
「何だ?顔が死んでるぞ?何かあったか?」
「いや・・・別に」
・・・もし、ここにドラゴン的なボールが7個ほどあったら、間違いなく頭痛薬を求めるだろう。
「ふーん・・・ま、あまり無理すんなよ!?」
「ああ・・・」
がぁ〜!!頭ぁ〜!!
痛ぇ〜!!!!!
・・・ちなみに野郎共はあっちで権三朗を胴上げ中です。
気ぃ早ッ!!
午前10時
ついに始まる・・・
〔では、只今より球技大会初日、二年バレーボールの試合を始めます〕
『うおぉぉぉぉ!!』
会場(体育館)はオーバーヒート状態。
熱いッ!!
〔では第一試合、五組と二組の試合を始めます〕
球技大会バレーボールのルール説明!!
参加クラスは二年全クラス(二年は全6クラス)
試合はトーナメント
第一試合
二組VS五組
第二試合
一組VS三組
第三試合
四組VS六組(勝った方がシードで決勝へ)
準決勝
第一試合勝者VS第二試合勝者
決勝
準決勝勝者VS第三試合勝者
制限時間は一試合30分。
最初の10分は女子
次の10分は男子
最後の10分は男女混合で(男女少なくとも、それぞれ1人は入れる事)
〔では、試合開始!〕
『うおおぉぉぉぉ!』
たった今、第一試合がスタート。
熱い。
「春吉、頑張ろうぜ」
こう言ってくるのは権三朗。
「あんたはバレー出ないだろ」
「いやいや、ただ春吉のテンション低いからさ、盛り上げてやろうと思って・・・」
「・・・余計なお世話だ」
はぁ〜・・・頭痛いときに騒がんでほしい。
「はぁ〜・・・」
ピピィッ!!
〔第一試合、二組の勝利!!〕
・・・ああ、前の試合が終わってしまった!!
「よし、三組バレー集まれ!!」
たっつぁんが選手を呼び寄せる。
「たっつぁん、何?」
「円陣組むぞ!!」
熱い!!
「ほら、早く丸くなれ!!」
・・・たっつぁんは、こう見えて音楽教師。
だから声が響く。
頭に。
「おーし沢那、お前真ん中行け!!」
「え!あたし!マジでいいの!?」
担任指名で、楓が円陣の中央へ。
つーかみんなテンション高い!!
「よし沢那、何か掛け声をかけろ!!」
だから熱い!!
松岡〇造並に熱い!!
「え、えーっと・・・さ、三組ファイッ!!」
『オォーーー!!』
熱くて頭が死にそうです。溶ける。
「よしお前ら、行ってこいや!!」
『オォーーー!!』
〔只今より第二試合、一組と三組の試合を始めます〕
会場は〇造だらけ。
へぇ〜、頭痛すぎるとこんな幻覚が見えるんだ。
「じゃ春吉、行ってくんな!!」
「ん、あ、ああ」
そう言うと、楓達女子チームがコート内へ。
俺は何気なく、体育館内の卓球台が置いてあるギャラリーをちら見。
そこには、応援として小夜が座っている。
そして大会本部が設置されている体育館ステージには、生徒会長の席に座る美羽の姿。
・・・もう、球技大会は始まったんだ。