表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
球技大会前哨篇
30/116

第30話 秋キター!!


 「・・・今日は暑ぃな、オイ」

 

 現在5月の終わり

 午後7時

 

 木山春吉、バイト帰り中。

 

 「・・・・・」

 

 はぁ・・・つまらん。

 やっぱり、夏哉は苦手だな。

 どうも好きになれん。

 

 「・・・暑い」

 

 がぁぁぁ!!蒸し暑い!!

 今日は熱帯夜になりそうだ。

 良い子のみんなは腹出して寝るなよ。

 風邪引くから。

 

 「・・・あれ?春吉?」 

 ん?どこからか声が。

 

 「やっぱり、春吉」

 

 「あ?」

 

 俺は声のした方向―――後ろを向くと、そこには制服姿の小夜が。

 彼女の手には、満ぱんのスーパーレジ袋が4つ。

 

 「あ、小夜か」

 

 「・・・(コクリ)」

 

 相変わらずの無表情・・・ポーカーフェイス。

 

 「どうした?買い物帰りか?」

 

 「・・・うん」

 

 「そっか・・・よし、荷物半分貸しな」

 

 「えっ?」

 

 「このスーパービューティフルハンサメン春吉君が荷物を持ってしんぜよう!!」

 

 か弱い女の子を救うヒーロー、ハンサメン春吉!

 

 「・・・大丈夫」

 

 「ええからええから、遠慮するでないぞよ」

 

 俺はスッと手を差し出す。

 

 「・・・ありがと」

 

 俺は小夜からスーパーレジ袋を2つ受け取った。

 おお・・・意外と重いなコレ。

 

 「コレ、小夜ん家まで運べばいいんだよな?」

 

 「・・・うん。本当にありがと」

 

 「くるしゅうない、くるしゅうない」

 

 ・・・改めて見ると、スーパーのレジ袋の中には卵やらネギやら米やら牛乳やらケチャップやら何やら、いっぱい入ってる。

 さすが、7人分の食料といった所か。

 

 「・・・・・」

 

 「・・・・・」

 

 薄々気付いてた。

 やっぱり、無言の帰り道になった。

 

 「・・・なぁ、小夜は球技大会、何に出るの?」

 

 「・・・一応、野球にテニス」

 

 「や、野球っすか・・・」

 

 に、似合わねぇ!!

 

 「小夜、野球出来るの?」

 

 「・・・たまに、天馬と野球中継見てるから」

 

 「ああ・・・」

 

 そのレベルですか。

 

 「・・・西武ライオ〇ズ、カッコイイよね」

 

 「あ、ああ・・・そうっすね」

 

 ライオ〇ズか・・・俺は巨〇派かな。

 

 「・・・春吉は?」

 

 「ん?ああ、俺?」

 

 ・・・はぁ

 

 「俺は・・・バレーとバス・・・」

 

 その時・・・

 

 「オイ、そこの残念ボーイ!!」

 

 「ん?」

 

 「・・・?」

 

 ・・・今、誰か喋ったか?

 

 「後ろだ」

 

 「後ろ・・・?」

 

 謎の声は後ろからした。 俺と小夜は同時に振り返る。

 そこには・・・

 

 「おやおや、まさか木山、彼女とデート中だったかい?」

 

 「・・・あんた」

 

 そこにいたのは、丸坊主の頭にくろぶちメガネ、そしてシワ一つない制服を着用した男子生徒。

 

 「まさか、木山に彼女が出来てるとは。世界には面白い事でもあるものだな!!」

 

 「・・・ハゲメガネ」

 

 「なっ・・・」

 

 ・・・このハゲメガネ、名前は瀬良秋馬せらしゅうま。葉城高校二年四組在籍。

 

 「フフフ、まぁ、一般の残念庶民共には、この瀬良家の美は理解できないか。いやぁ残念、残念」

 

 「・・・あんたの美的センス、おかしいんじゃねぇ?」

 

 ハゲにくろぶちメガネ

 ・・・シュール。

 

 「・・・まぁいい。それよりも、ここで会ったのも何かの縁、君の彼女を紹介してくれないか?」

 

 「・・・は?」

 

 ・・・瀬良秋馬。

 夏哉と同じ、中学時代からの知り合いだが、出身中学は違う。

 そしてコイツこそ、揶木村中学校バスケ部、不動のエースと呼ばれ、“嵐の四季”の一人、揶木村の秋雨と言われた男だ。

 

 

 

 「・・・彼女」

 

 ハゲメガネの言葉に、ポカーン顔の小夜。

 

 「オイハゲメガネ、小夜は別に彼女とかじゃねーよ」

 

 「・・・ッ」

 

 あ?今度は俺の言葉に、ショック顔の小夜。

 珍しいな。

 

 「彼女ではないのか?僕はてっきり、二人でスーパーのレジ袋を持っているから、同棲でもしてるのかと・・・」

 

 「セイヤッ!!」

 

 ドスッ!!

 

 「おふっ!!」

 

 俺はハゲメガネの腹に正拳突き。

 

 「ぐうぅ・・・しょ、庶民の分際で・・・」

 

 「うるせぇ、とっとと消えろハゲ」

 

 全く、秋馬は夏哉ぐらいウザイ。

 

 「・・・ハッ、まぁ僕も庶民相手に本気でキレたりはしないさ。じゃ、僕は忙しいんでね、これで失礼するよ」

 

 「・・・忙しいなら何故俺に話し掛けたんだ」

 

 全く、このハゲメガネの上から目線ときたら・・・ 

 「フン、では木山、球技大会、楽しみにしているぞ」

 

 「・・・・・」

 

 そう言うと秋馬は、速歩きで立ち去っていった。

 

 「・・・ったく、オイ小夜、そろそろ行く・・・」 

 ・・・小夜さんは、まだショック顔でフリーズしていました。

 ミニコーナー、始まるよぉ!!

 

 午前7時半

 仲田駅ホーム

 

 「はぁ・・・これじゃ朝練、間に合わないな・・・」

 

 楓さんは寝坊しましたからね・・・

 

 「(美羽)あ!楓ぇ〜!!」

 

 「ん?お、美羽か!」

 

 生徒会長合流!!

 

 「(美羽)あれ?楓、朝練は?」

 

 「あはは・・・それが寝坊しちってさ」

 

 にこやかな談笑中。

 そこに、我らがヒーローの登場!!

 

 「(春吉)お、美羽に半男生物・・・」

 

 ドスッ・・・

 

 「(春吉)がぁっ・・・!?」

 

 「うっせぇ!!誰が半男生物だ!!」

 

 春吉、瞬殺・・・

 

 「(春吉)くっ・・・な、なんのこれしき」

 

 ドスッ・・・

 

 「(春吉)・・・」

 

 バタンッ!!

 

 「全く・・・」

 

 春吉、ノックアウト!! 

 

 つづくぅ〜!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ