第29話 木山の歴史
ども〜!!
今回から、物語は少し真面目な雰囲気になります。コメディーを楽しみにしていた方には申し訳ない。
ただ、物語のストーリー上、結構重要な箇所なんで、よろしくお願いします。
「・・・今日は厄日だな、こりゃ」
結局、バスケ練習を半分サボった俺は、時間的に間に合うと判断し、バイト先へ直行。
「・・・・・」
堀田スポーツジム
葉城高校からチャリで数十分の所にある、そこそこ大きいスポーツジムだ。
ジムの中にはフットサルコートやバスケコート、トレーニングルームから競泳プールまである。
そして、ここが我、木山春吉のバイト先でもある。
「木山君、バスケ三番コートのメンテナンス、やってくれるか?」
「あ、はい」
主な仕事は、コートの清掃や道具の補充、たまに受付をやったり。
「バスケ三番コート・・・うわ、テープ剥がれとるがな!」
センターラインのテープがもうベロベロ!!
貼直さないと!!
「・・・・・」
ペリペリっ
・・・何だか、バスケコートにいると、中学時代を思い出すな・・・
市立・仲田中学校
葉城高校の最寄駅から二駅離れた仲田駅のすぐ側にある、おんぼろ中学校。
俺の母校だ。
俺は、このおんぼろ中学校時代の三年間、モテたいからという理由でバスケ部に所属していた。
まぁ、今思えば、あの時は野球だろうが、サッカーだろうが、モテれば何でもよかった気がする。
でも、偶然なのか何なのか、俺はバスケ部に入った。
それから、俺は三年間、どっぷりとまではいかないけど、そこそこ充実したバスケ生活を送る。
そして、自分の気付かぬ内に、強くなっていた。
他の部員と同じ練習量、同じメニューなのに、俺だけ何故か周りより頭一つ上達が早かった。
いや、マジで。
何でかは知らねぇ。
ただ、中学三年になる事には、仲田中のエースと呼ばれる程になっていた。
・・・コレ、全部本当だからね?
監督からは「天才だ」と言われ、仲間からは「いろんな意味ですげぇ」って言われたっけ。
とにかく、俺は中学時代、バスケが馬鹿みたいに上手かったの!!
コラそこ、鼻で笑わない!!
で、元々バスケの強豪だった仲田中は一昨年(俺が中三の頃)、見事地区大会を制覇し、県大会へ行った事がある。
ちなみに、そん時のエースは俺。
凄いでしょ!?
で、県大会も見事に勝ち進み、県ベスト4の場所まで来た。
ここで見事勝利したら、インターハイ!!
もちろん、俺はやる気充分だった。
だが・・・
その他の三校に、奴らがいた。
“嵐の四季”
何か中二のネーミングセンスなこの呼び名。
後にこう呼ばれる事となる、四人の選手がいた。
仲田の春風
坂倉の夏空
揶木村の秋雨
笳崚の冬将軍
ガチで中二のセンスの通り名。
奴らは、まさに最強。
物凄い強い。
そして、彼ら四人の中学が、県大会の優勝をかけ、県大会決勝リーグでぶつかった。
・・・もう皆さん、薄々気付いていると思うけど、“仲田の春風”は、この俺木山春吉。“坂倉の夏空”は、吉崎夏哉。
決勝リーグ第一試合
仲田中学VS坂倉中学
・・・この事については、いずれ、ゆっくり話しをするつもり。
まぁ、気長に待っててくれや。
・・・で、先に言っておくが、その“嵐の四季”の四人は今、何の偶然なのか皆、この葉城高校に進学したのだ!!
凄い偶然だよな。
俺も初めて知った時は、ビックリしたもん。
と、言う事は、今年の球技大会二年生バスケの部、そこできっと、四人はぶつかる。
何故って、四人は皆、別々のクラスだから。
あ、ちなみに去年は俺、バスケ出なかったから、奴らと試合はしていない。
・・・よし、昔の回想しているウチにテーピング終了!!
「堀田さ〜ん、メンテナンス終わりました!」
俺はこのジムのオーナーの堀田さんをコール!!
「ああ終わったか、じゃあ今から一時間、コート使っていいぞ」
「ありがとうございます!!」
ぶっちゃけ、あまりこのジムには人は来ない。
だから、メンテナンス後には、今バスケ部に所属していない俺にとっての、唯一のバスケ練習の場所として、コートを貸してもらっている。
「・・・よし」
俺はバスケットボールを手に取り、リングに向かい突っ走った。
物語は真面目になったけど、こっちはふざけるぜぇ!!ミニコーナー、始まるよ〜!!By権三朗
午前7時
沢那家
「じゃ、行ってくる!!」
「(母)車には気をつけてね!!」
楓さん、先程父親からもらったたんこぶを手で摩りつつ、チャリで駅に向かい疾走開始!!
「(近所の人)あら、沢那さん、おはよう!」
「おう、おばちゃん、おはよー!!」
「(近所の酒屋)お!カエちゃん、おはようさん!!」
「酒屋のおっちゃん、おはよー!!」
「(近所の子供達)あ、楓姉ちゃん、おはよう!!」
「おはよー!!ちびっ子共!!」
・・・近所の人気者なのか?コイツ・・・
つーか、ちびっ子は楓のほう・・・
ぶちっ
い、痛っつぅ〜!!
「アレ?今、何か引いたか?」
つづくッ!!