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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
球技大会前哨篇
28/116

第28話 春と夏


 「えーっと、本日の放課後、球技大会でバスケを選んだ人は練習があるんで、帰りのSHLが終わったら体育館に集まって下さい!!」

 

 体育倉庫裏で地獄を味わった翌日の朝のSHLで、クラス委員の奴がこう言った。

 ・・・ヤベェ、今日バイト入ってんだよな。

 

 「なぁ春吉」

 

 「んあ?」

 

 今、俺に話し掛けて来たのは、My後ろの席の赤佐クン。

 

 「俺さ、今日用事入ってんだ。だからバスケ練習出れねぇから。そこの所よろしく!!」

 

 「・・・は?」

 

 俺も入ってんですけど、用事。

 

 「春吉、俺も用事あるから無理!!」

 

 「・・・はい?」

 

 「悪い、俺も無理!」

 

 「・・・え?」

 

 「オイラも・・・無理でゴワス」

 

 「・・・へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後

 

 「えっ!?今日男子、木山君だけなの!?」

 

 「・・・ああ」

 

 あいつら・・・俺だって生活のためのバイトが・・・。

 

 「はぁ・・・全く、男子やる気なさすぎ!!」

 

 「あの・・・俺に言われても・・・」

 

 本当は俺もサボりたかったさ。

 こっちは生活掛かってんだから。

 けど、俺がサボると練習参加男子が0になって、後々女子から文句を頂戴する事になってしまう。

 ・・・後でバイト先には電話入れとこ。

 

 「まぁ、一応木山君は来てる訳だし・・・他の男子はほっといて練習しますか!?」

 

 「うん!!」

 「OK!!」

 「おし!!」

 「・・・うん」

 

 女子共はやる気満々らしい(美羽を除く)。

 俺も適当にシュート練習でもしてようかな?

 

 「じゃあ各自、4時半まで個人で練習!」

 

 ・・・どうやら女子も個人練らしい。

 まぁ、俺には関係ないがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 我が葉城高校の体育館は、この辺の高校の中で、群を抜いて大きい。

 だって、体育館内にバスケコートが2つあんだぞ!?

 ハーフコートに換算すると4つ!!

 

 で、今日の体育館使用クラスは確か、北コートは我が三組のバスケ組。

 で、南コートは・・・

 

 「ふぁ〜・・・だりぃな、オイ」

 

 「・・・おい、ちったぁやる気出せ」

 

 ・・・体育館内に、本日の南コート使用クラス、一組のバスケ組が登場。

 

 「・・・・・」

 

 んな事はどうでもいい、とりあえず今はシュートに集中せねば!!

 

 「・・・ッよ!!」

 

 3Pラインからのフリースロー。

 

 ガツンッ!!

 スッ・・・

 

 見事、ゴール!!

 

 「・・・一人じゃ・・・つまらん」

 

 何故・・・マジで・・・男子、俺だけなの?

 話し相手がおらんがな。

 つまらんがな。

 

 「はぁ・・・」

 

 一方の女子は・・・楽しそうにキャッキャッやっとるし。

 ・・・あ、美羽がこけとる。

 

 「・・・はぁ、何かつまらんし、コレ決めたら帰るか」

 

 マジでつまらん。

 俺は近くにあったバスケットボールを手に取り、バスケコートのセンターラインへ。

 

 「・・・コレ、入ったら奇跡だよな」

 

 俺はバスケットボールを構え、足をグッと曲げ、視線をゴールへ。

 ・・・ふぅ。

 

 よし、今だッ!!

 

 俺は一気に足をバネにしたジャンプ、そして、ボールを手から放つ!!

 

 その時・・・

 

 バシンッ!!

 

 「・・・!?」

 

 ぼ、ボールが弾かれた!?

 

 「・・・よぉ、相変わらずシケたシュートすんなぁ、オイ」

 

 なッ、こ、この声はッ!!

 

 「・・・何の用かな?全身バネ人間君?」

 

 「ハハハッ、まだそれ覚えてたか、春吉」

 

 ・・・俺のスーパーウルトラミラクルセンターシュートを弾いたこの男。

 不適に笑う、長身男子。

 

 「何がハハハッだボケェ、マヨネーズ掛けるぞ、マヨネーズ!!」

 

 「・・・何言ってんだ、テメェ?」

 

 ・・・コイツの名前は、吉崎夏哉。二年一組。

 

 「・・・で、何の用だ」 

 「いや、ただ冷やかしに来ただけだ」

 

 いやー、ウザイですわね、この坊ちゃん。

 

 「用がないなら帰れ、邪魔だ」

 

 「・・・ハッ、何だかやる気なさそうだな」

 

 「・・・・・」

 

 ・・・吉崎夏哉、コイツとは中学時代からの知り合いだ。一応・・・。

 まぁ、お互い出身中学は違うけど。

 

 「お前、確か三組だろ?まさか初戦から当たるとはな」

 

 「・・・へっ、また“あの時”みたいにボコボコにしてやるよ、楽しみにしてな、バネ人間」

 

 あー・・・やる気失せた。

 俺はバスケットボールをボール入れに投げ飛ばし、バネ人間がいる体育館を後にした。

 

 

 あー、もう気分は最悪。

 はーい、今回出番がなかった権三朗です!!では、ミニコーナー、始まるよ〜!!

 あ、今回から俺の台詞に「」は付かない事になりました!!

 理由は、何だか台詞がややこしくなるからです!

 

 沢那家

 午前6時45分

 

 「やべっ、遅刻だぁ!!」

 

 「(母)こら楓!着替えながら物を食べない!」

 

 ・・・現在、楓さんは制服に着替えながら食パン食べてます。

 意外と器用だな、オイ!!

 

 「だって時間ねぇんだもん。あ、食パンおかわり!!」

 

 「(母)楓!だらし無いから止めなさい!!」

 

 「えーっ・・・だって時間が・・・」

 

 「(父)楓ッ!!」

 

 おお!!奥の部屋から父親登場!!ゴツイ!!

 

 「(父)母さんの言うを聞きなさい!!」

 

 「げっ!!父ちゃん・・・」

 

 あ、楓の口から食パンが落ちた。

 

 つづくッ!!

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