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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
球技大会前哨篇
26/116

第26話 ヤサイ人


 「初戦は一組じゃ〜!!!!!」

 

 ・・・月曜日、俺がいつも通り学校へ登校、そして教室に入った瞬間、物凄い熱気がッ!!

 

 「これは因縁だ!!これは因縁なのだ!!」

 

 教室の中央、そこには行事委員の権三朗の姿が。

 

 「打倒一組!!」

 

 ・・・朝から、かなりのウザハイテンション。

 俺はたまたま近くにいたクラスメートに声を掛ける。

 

 「なぁ、赤佐」

 

 「ん?ああ、春吉か。何?」

 

 クラスメートの赤佐大輔あかさだいすけ

 まぁ、そこそこ仲の良い友達だ。

 

 「あのスーパーヤサイ人は、何かの宗教団体にでも入ったのか?」

 

 「スーパーヤサイ人・・・ああ、権三朗か」

 

 スーパーヤサイ人の歴史・・・それは第2話を見よう。

 

 「いや、何かね、ウチのクラスの球技大会の種目、どれもこれも初戦が一組になったんだってさ」

 

 「初戦?」

 

 「ああ。テニスもバレーも野球もバスケもサッカーも、全部初戦は一組」

 

 「なっ・・・」

 

 確か球技大会のトーナメントは、公平に行事委員会がくじ引きで決める。

 つーことは・・・

 

 「・・・だから、あのヤサイ人はテンション高いのか」

 

 男ってのは、何か偶然が起きるとハイテンションになる生き物なのだ。By権三朗。

 

 「・・・ウゼェからシバくか、ヤサイ人」

 

 「は、春吉?」

 

 ったく、こっちは寝不足なんだぞ(深夜アニメ見てたから)。

 馬鹿に騒がれると頭ガンガンすんだよ。

 

 「おい、そこのヤサ・・・」

 

 その時、

 

 ぴーんぽーんぱーんぽーん!!

 

 『二年三組木山春吉、至急校長室まで来なさい。繰り返す、二年三組木山春吉、至急校長室まで来なさい』

 

 こ、校内放送!?

 し、しかも校長室!?

 

 「春吉、お前、何かしたか?」

 

 赤佐の顔は、軽くひきつっている。

 

 「・・・心当たりはないぞ、多分」

 

 職員室への呼び出しならまだ分かる。だってまだ進路調査表出してないし。

 けど、それぐらいで校長室呼び出し・・・は、ないだろう。

 

 「ま、まぁ春吉、とりあえず行ってこいよ!」

 

 「あ、ああ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんこん!

 

 「し、失礼します」

 

 葉城高校北校舎一階、校長室。

 

 俺は、深呼吸をし、手の平に「人」の字を三回書いて飲み込み、軽く頬っぺたをつねってから、校長室の扉をノック。

 

 そして、入室。

 

 そこには・・・

 

 「あ、来た来た」

 

 校長室内部。

 そこには、スーツを着た校長、ラフな私服着用の担任、腕に「会長」の腕章を付けた美羽。

 そして・・・

 

 「こんにちは!」

 

 「なッ・・・!?」

 

 我が高校の制服を着た・・・

 渡邉さんがいた。

 

 「な、なんで?」

 

 も、もしかして、ラブコメ漫画や恋愛小説によくある、転校してきましたパターンですか!?

 

 「私、この学校に転校する事になりました」

 

 あ、当たったぁ!!

 

 「いやぁ〜木山、やっぱりお前、知り合いだったかぁ」

 

 「た、たっつぁん!」

 

 たっつぁんとは、我がクラスの担任、和波辰のあだ名である。

 名前がたつだから、たっつぁん。

 

 「こ、これ、どゆことなの?」

 

 「いや、ただこの子・・・渡邉さんが、この学校に知り合いがいるって言うからさ」

 

 「ご指名ですかッ」

 

 ああ・・・

 

 「春吉くん、これからよろしくお願いしますね」

 

 「あ、うん・・・」

 

 ・・・この時、まだ俺は気付いていなかった事が、二つある。

 

 一つは、渡邉さんとは同じクラスではない事。

 この時の俺は、てっきり同じクラスだと思いこんでいて、かなりの苦労を覚悟したものだ。

 

 そしてもう一つは・・・さっきから、美羽がずーっと、殺意の目で俺を見ていた事だ・・・。

 新・ミニコーナー!!

 

 (姫様達の日常を覗いちゃおう!!)

 

 「はいどもー!! ミニコーナーのリポーター役を勤めさせて頂く、重原権三朗です!!

 今回は、日頃春吉目線で進むストーリーでは、まず書かれる事のない、ヒロイン達の日常を覗いてしまおうと言うコーナーです!」

 

 第一回 沢那 楓

 

 〇〇県〇〇市

 沢那柔道場

 

 平日午前6時00分

 

 「おはようございます、みんなのアイドル、重原権三朗でござんす!

 今日は、沢那楓の実家に潜入です!!」

 

 沢那家、楓の部屋

 

 「むにゃむにゃ・・・・・」


 

 「寝てますねぇ・・・白いTシャツに、白い下ジャージって、普通男子の寝着じゃありませんか?

 あららぁ、寝癖が・・・コイツ、寝る前に髪、ドライヤーで乾かしてねぇな。 しかも、ヨダレまで垂らしちゃって・・・本当に女子か、コイツ?

 って、もう今回終わりかよッ!?」

 

 注意:ミニコーナーは、一回約500文字くらいでお送りしていきます!

 

 つづくッ!!

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