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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
球技大会前哨篇
25/116

第25話 対戦相手


 「・・・遅ぇ」

 

 ったく、何なんだコイツのドリブルスピード。

 

 「ま、待って、なっくん速すぎ・・・」

 

 「・・・置いてくぞ」

 

 朝っぱらからバスケの練習だ、とか言っておきながら、カオは全くドリブルが出来ていない。

 

 現在、カオと公園一周のドリブルマラソン中。

 

 「・・・遅ぇ」

 

 ・・・眠っ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いやぁ〜、なっくんは相変わらず速いねぇ!」

 

 「・・・お前が遅いだけだろ」

 

 練習開始からわずか30分、カオはバテた。

 で、今公園のベンチで休憩中。

 

 「つーか、お前なんでバスケ出来ないのに、球技大会、バスケ選んだの?」

 

 俺はそう言うと、持参のスポドリを一口。

 

 「あ、なっくんズルい!あたしにもちょうだい」

 

 「・・・質問に答えろ」 

 全く、話を聞け、このカオめがッ。

 俺はまたスポドリを一口。

 

 「だから、あたしにも一口ちょうだい!!」

 

 「やだ」

 

 「なっ!!・・・だったら」

 

 そう言うとカオは突然、ベンチから立ち上がり・・・

 

 「強制的に奪うのみ!!」

 

 「なっ!!」

 

 ぐあっ・・・こ、コイツ・・・俺が飲んでいる時に、スポドリのペットボトルを強引に引っ張りやがった!!

 

 「やめろ、こ、こぼれるッ!!」

 

 「よーこーせー!!」

 

 ぐッ・・・コイツ、どっからこんな力が・・・

 

 「止せ、カオ!!」

 

 「・・・あっ!」

 

 その時、カオがペットボトルから手を放した。

 そして・・・

 

 パシュッ!!

 

 「ぐふっ!!」

 

 ペットボトルの飲み口が、俺の前歯に直撃!!

 

 痛っ〜!!

 

 「テメェッ、急に放すなボケ!!」

 

 前歯に響く衝撃は、半端じゃなかった。

 

 「ねぇなっくん、あれ見て!!」

 

 カオは公園の外、車が走る道路を指差した。

 

 「んだよ」

 

 「ほらあそこ、パトカーが止まってる!!」

 

 「・・・・・」

 

 「ねぇ、すごくない?白黒ツートンだよ?パトカーならぬ、あれパンダーだよね!?」

 

 「・・・・・」

 

 「パトカー、パンダー・・・何か、発音が仮面ラ〇ダーに似てるね!」

 

 「・・・・・」

 

 ・・・コイツ、殴りてぇな。

 その時・・・

 

 「ん?」

 

 何となく携帯を見たら、メール受信の文字。

 

 「なっくん、どしたの?」

 

 「いや、メール・・・森島からだ」

 

 「森島?」

 

 森島っつーのは、ウチのクラスメートで、行事委員会所属。

 確か今日は、委員会があるからとかで、土曜だが学校にいるらしい。

 

 「・・・お、緊急速報・・・ウチのクラスの球技大会、バスケの部、初戦の相手が決まった・・・だとよ」

 

 こんな事、いちいちメールしなくても・・・

 

 「え?どこどこ?」

 

 「あ?えーっと・・・初戦の相手は三組」

 

 「三組かぁ・・・」

 

 三組・・・三組って、まさか・・・

 

 「ん?なっくん、どうかした?」

 

 「あ?いや」

 

 ・・・思い出した。

 三組には確か、中学時代のバスケ大会で、この俺をかなり苦しめたムカつく野郎がいるクラスだ。

 

 「・・・そういや、奴の苗字って確か・・・」

 

 ついさっき、メガネの女の子が聞いてきた苗字・・・

 

 「・・・もうちっと早く、思い出していればな」

 

 「なっくん?」

 

 「・・・おし香音、練習するぞ」

 

 やる気出てきた。

 

 「え?あ、うん!」

 

 多分、初戦からかなりの激戦になるだろうな、今年の球技大会。

 次回より、球技大会篇本格始動!!

 

 あと、もうキャラクターが尽きたので、しばらくの間はキャラプロフィールはお休みします。まさかの事態です、はい。

 

 と、言う事で、次回から新しいミニコーナーを後書き使ってやります。

 お楽しみに!!

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