第２０話 訪問者
「あ〜ヒドイ目にあった・・・」
「それは春吉のせいだからな！！」
あ〜・・・背中が痛いよぉ〜！！
現在、俺の家。
で、何故か・・・
「うん・・・なかなかね、この味」
「・・・美味しい」
「あっち！！ふぅ〜ふぅ〜」
・・・土曜日午前８時、我が木山家には美少女が３人。
「・・・何故、あんたらが・・・」
『えっ！？』
楓、小夜、美羽の声が見事に重なる。
「だから、何であんたらがウチの朝食を・・・」
事の発端はさっきのコンビニ。
見事、楓の幻の右を喰らった俺は、バタンきゅ〜になってしまった。
で、意識を失った俺を、楓が家まで運んでくれたらしい（つーか、こうなったのも全て楓のせいじゃ・・・）。
で・・・
「この借りは、みんなに朝ごはんご馳走してくれたらチャラにしてやるよ」
などと言う、我が家庭の食料状態を無視した要求を突き付けられ、渋々了承したのだが・・・
「・・・まさか、お前らが来るとは・・・」
なんでこいつらに朝食をご馳走せねばならんのだ！！
「ま、いいじゃん！！さっさと食おうぜ！！」
「・・・ったく、牛乳飲ますぞコラ！！」
「あ゛！？」
「・・・すみません」
食費が・・・
「ねぇ、春？」
「・・・あ？」
今日の朝食メニューはお手軽チーズトーストにコンソメスープ、サラダ。
「あんた、両親は？」
「ブホッ！！」
ぱ、パンが気道に！！
「春！？」
「だ、大丈夫・・・」
実の所、まだ学校や親族、そして美羽達にも、両親夜逃げの件は言っていない。
何て説明するか・・・
「そう言えば、春吉の両親って確かサラリーマンだったよな？」
「あ、ああ」
サラリーマン、それは昔の話。
「そ、そんな事より・・・あ、後でマ〇オやんねぇか？」
苦し紛れの言い訳。
「春、両親は？」
美羽・・・くそ、強敵かコイツ！！
「・・・確かに、土曜日のこの時間に両親がいないのは、おかしい」
小夜・・・無口キャラのお前が何言ってんだ！
「あたし・・・マ〇オパス。帰って柔道の練習しないと・・・」
楓・・・お前だけ赤ヒゲの話題に乗っても意味ねぇんだよ！！
「りょ、両親は・・・」
夜逃げしました、と素直に言ってみるか？
いや、それじゃ何か恥ずかしい。
「・・・現在、旅行中です」
結果、嘘をつく。
「・・・どこに？」
「・・・サイパン」
「いつまで？」
「・・・多分一週間」
「多分？」
・・・しつこい
「えーっと・・・その・・・」
その時！！
ピーンポーン！！
インターホンが鳴った。 それは、質問攻めの終わりを意味する。
「おっと、誰だろ？」
俺は美羽と小夜を無視し、玄関へ。
「はーい」
ガチャっとドアを開けると、そこには・・・
「こんにちは！」
ニコッと微笑むワンピース姿のメガネ少女がそこにいた。手には小さいかばん。
え？誰？
「えーっと・・・どちら様で・・・？」
すると、少女は何やらごそごそととかばんの中をあさり出し・・・
小さい紙を取り出した。
「私、渡邉会所属の、渡邉亜希と申します」
そう言って、少女―――亜希は俺に小さな紙、名刺を差し出してきた。
「あ、ども」
俺はつられて名刺を受け取る。
渡邉会若頭 渡邉亜希
ん？渡邉？
確かどっかで・・・
・・・まさか
「本日は、春吉さんとのご結婚の件について、いろいろとご相談したく・・・・・」
ご、ご結婚！？
ま、ままままま、まさかこの子！？
「あの、お邪魔してもよろしいでしょうか？」
笑顔の亜希。
わ、渡邉会って・・・
いやぁ〜！！！！！！
ミニコーナー、キャラクタープロフィール紹介！
キャラクターＮｏ．５
重原 権三朗
（シゲハラ ゴンザブロウ）
男性、現在１６歳、葉城高校二年三組在籍。
身長：１７１ｃｍ
体重：６０ｋｇ
誕生日：８月１日
血液型：Ａ型
好きな物：名誉、地位、空想、消しゴム
嫌いな物：地味、２番手、現実、犬
趣味：同人誌を書く、読む
特技：現実逃避、嘘泣き、絵画
その他：地味脇役ポジションの子、意外と絵が上手い、結構な二次元派で現実が嫌い（妄想癖あり）
