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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
球技大会前哨篇
16/116

第16話 魔法戦士


 「魔法戦士ワイバーンナイト、始まるよぉ!!」

 

 ・・・はい、今俺、木山春吉は、帰りの電車の中、携帯にイヤホンをつけ、ワンセグでアニメを視聴中・・・。

 本当だったら、家でゆっくり見るはずだったのに・・・。

 

 「春、またソレ見てんの!?」

 

 隣には美羽。

 

 「うるさいうるさい!!俺にとって、これが金曜日唯一の楽しみなのだ!」

 

 ・・・先程までやっていたバスケ練習。

 美羽と一対一やったり、ダンクの練習したりしているウチに、時刻はもう午後7時。

 

 で、ぶっちゃけた正直な感想、美羽バスケ下手くそすぎ・・・

 ドリブルすら微妙な所でした。


 

 で、今、その練習を終え、電車で帰宅中。

 

 「春もホント、アニメ好きだよねぇ」

 

 「・・・まぁね、面白そうなヤツはゴールデンだろうが、深夜だろうが必ず見るし」

 

 ・・・暴露します。

 俺は軽度のアニメオタクです。

 

 「ソレ、魔法戦士ナンチャラとか言うやつでしょ!?ちびっ子向けの」

 

 「ナンチャラではない!ワイバーンナイトだ!」 

 魔法戦士ワイバーンナイト・・・ドラゴンにまたがる魔法戦士の主人公が、魔法を使って世界征服を企む悪の組織とバトルしたり何かしたりするアニメ。

 

 「全く・・・」

 

 少々飽きれ気味の美羽、しかしそんなの無視。

 

 「いや〜!!いつ聞いてもこのオープニングはいいねぇ!!」

 

 超絶感動中!!

 

 「・・・ねぇ、春」

 

 「あ?」

 

 意識の90%はアニメ、10%を美羽へ。

 

 「あのさ・・・春、楓とか小夜と・・・」

 

 「んあ〜?」

 

 何かを躊躇っている美羽。

 

 「あの・・・その・・・ふ、二人とは・・・」

 

 「二人とは?」

 

 「えっと・・・」

 

 あ!オープニングが終わって、アニメ本編が始まった!!

 

 「何?用件あんなら早く言って」

 

 「だから、その・・・」

 

 そして、美羽が何か言い掛けたその時!!

 

 ガコンっ!!

 

 「うおっ!!」

 

 電車が揺れた!!!

 

 手に持っていた携帯は見事にすっ飛び、俺はバランスを崩し・・・

 

 「のわっ!!」

 

 「ひっ!!」

 

 つんのめりながら、美羽の胸元へDive!!

 

 「痛って〜・・・て、アレ?痛くない・・・」

 

 フニフニ・・・何か柔らかい物が顔の下に・・・

 

 「はっ・・・ばっ・・・ひっ・・・」

 

 「ん?」

 

 俺は視線を上に。

 そこには・・・

 

 「なわ・・・はへ・・・ひぃ・・・」

 

 顔を真っ赤にした美羽・・・ッ!!

 

 「はっ・・・はっ・・・はっ・・・」

 

 ・・・ヤバイ予感。

 

 「春のバカァァ!!」

 

 バシ〜ンッ!!

 

 あべしっ!!

 

 頬に強烈なビィ〜ンタ!!

 

 そしてギャース!!他の電車利用客の視線が!!

 

 「何あれ・・・」

 「もしかして痴漢?」

 「嫌ねぇ」

 

 あらぬ誤解がっ!!

 

 「え!ちょ、ちが・・・ふ、不可抗力!!」

 

 美羽は顔を真っ赤にして俯き中。

 

 「美羽、も、申し訳ないっ!!」

 

 ・・・俺はその日、生まれて初めて、電車の車内でジャンピング土下座を執行しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ひ、ヒドイ目にあった・・・」

 

 多分、今俺の頬は、真っ赤に熟しているだろう。

 

 ・・・結局、俺は美羽と何も話さないまま駅に着き、そのまま別れた。

 

 ・・・あれは気まずかったな。

 

 「はぁ・・・何なんだよ、このラノベ的なトラブルは・・・」

 

 月曜日、学校行きにくい事この上ない。

 

 に、しても・・・

 

 「あの時・・・」

 

 あの時、美羽は俺に、何の質問をしようとしてたんだろう・・・?

 

 「う〜ん・・・」

 

 ちょっと気になりつつも、俺は自宅に向かい、歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは、深夜アニメ「花嫁DOG」を見ていた時だった。

 

 「ふぁ〜」

 

 現在土曜日午前1時、木山家リビング。

 

 金曜日は「魔法戦士ワイバーンナイト」で終わり、土曜日は「花嫁DOG」(ラブコメ風深夜アニメ)から始まるみたいな感じの木山春吉(俺)は、いつも通り、ブルーレイ録画をスタンバイして、アニメを観賞していた。

 

 「・・・やっぱり、犬ノ助と猫美は結ばれるのかなぁ?」

 

 などと言うアニメの感想を述べながら、さっき作ったコーヒーを一口。

 

 そして、アニメが番組の中間のコマーシャルに入ったその時

 

 ピンポ〜ン!!

 

 「ん?」

 

 インターホンが鳴った・・・つーか今深夜1時!

 

 「誰だ?こんな時間に・・・」

 

 出ようか出まいか・・・迷う。

 

 ピンポ〜ン!!

 

 再びインターホン。

 

 「・・・は、は〜い」

 

 し、仕方ない。

 木山流忍法、居留守を使ってもよかったが、とりあえず出てみる。

 ・・・俺の右手には金属バットを装備。

 

 そして玄関へ。

 

 「ど、どちら様?」

 

 と、言いながらチェーンを着けたドアを開ける。

 

 ガチャ!!

 

 そこには・・・

 

 「春吉、久しぶり」

 「元気にしてた?」

 

 「なっ・・・」

 

 そこには、確か第1話で夜逃げしたはずの・・・

 

 My両親の姿がありました。

 新・ミニコーナー!

 キャラクタープロフィール紹介ぃ!!

 

 キャラクターNo.1

 

 木山 春吉

 (キヤマ ハルヨシ)

 

 男性、現在16歳、葉城高校二年三組在籍。

 

 身長:175cm

 体重:59kg

 誕生日:2月3日

 血液型:B型

 好きな物:ジャ〇プ、アニメ、平和、昼寝

 嫌いな物:勉強、暴力、権三朗

 趣味:アニメ観賞、権三朗をからかう

 特技:口だけで綺麗にミカンの皮がむける

 その他:み〇さんのモノマネが得意(自己満足レベル)、自己暗示でモンキー・〇・ルフィになれる(あくまで暗示)、サッカーよりもバスケ派(スラムダ〇ク派)。

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