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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
球技大会前哨篇
14/116

第14話 熱血っ!!


 「ねぇ、春」

 

 「ん?何?」

 

 現在生徒会室。

 

 「春って球技大会、何に出るんだっけ?」

 

 「ああ、バレーにバスケ。美羽は?」

 

 「私は・・・一応、バスケにサッカー・・・」

 

 「あ、そういやバスケん時にいたな」

 

 「うん・・・」

 

 俺はプリントの束を整理しながら、美羽と会話中。 いつも通り、生徒会の手伝いだ。

 

 「つーかお前、バスケ出来たっけ?」

 

 ハッと俺は思い出した。 

 「うぅ・・・」

 

 美羽はパソコンの画面を見たまま、少し俯く。

 

 美羽は運動が苦手。

 小学中学と同じ学校だった俺には分かる。

 では、少しながら、美羽の運動音痴武勇伝を。

 

 まず有名なのが、中二の時の顔面強打事件。

 サッカーの試合中、自らの足に躓き、転倒した美羽の顔面に超ロングシュートが直撃したのだ。

 まぁ、男女体育は別なので、あくまで聞いた話だが・・・

 サッカーボールに付着していた泥と鼻血で顔が悲惨な事になったとか。

 

 他には・・・テニスラケット後頭部直撃事件とか、跳び箱崩壊事件とか、走り幅跳び顔面記録事件とか、プール浮遊事件とか・・・数えればきりがない。

 

 「はぁ・・・球技大会・・・嫌だなぁ」

 

 「・・・生徒会長が何言ってんだ」

 

 「・・・会長権限で球技大会、なくせないかなぁ・・・」

 

 はぁ〜、と、ため息をつく美羽。

 そんなに嫌なんだ。

 

 「まぁ・・・何とかなるんじゃね?」

 

 「なるわけないじゃん・・・」

 

 う〜ん・・・俺的にはコイツ、結構運動出来そうな体型なんだけどな・・・

 別に太ってないし(むしろ細い)、足は長いし・・・。

 

 「ま、ともかく練習あるのみだな」

 

 「・・・・・」

 

 あ・・・机に伏せた。

 

 「諦めるな!」

 

 「・・・どうせ・・・無理よ」

 

 「諦めるな、やれば出来る!!」

 

 ちょっと松岡〇造っぽく言ってみる。

 

 「・・・無理」

 

 「おい、諦めるなよ、やれば出来る、絶対出来る、突き進めよ!!」

 

 熱血ぅ〜!!

 

 「・・・・・」

 

 「何でもやれば出来るんだ。諦めるな!!米食べろ!!」

 

 「・・・じゃあさ」

 

 突然、ガバッと起き上がる美羽。

 び、ビックリした!!

 

 「な、なんだ!」

 

 「春・・・わ、私の練習に・・・その・・・つ、付き合ってよ」

 

 ちょいクネクネしてますコイツ。

 

 「おお・・・やる気が出たか、良い事だ」

 

 THE・〇造パワー!!

 

 「うぅ・・・じゃ、今から体育館に集合」

 

 「今からぁ!?」

 

 現在午後6時。

 ちなみに体育館は午後8時まで開いてる。

 

 「は、春がやれって言ったんでしょ!ほら、早く行くわよ!!」

 

 「え〜!!」

 

 今日は・・・7時から見たいアニメが・・・

 

 「ほらっ!!」

 

 俺の腕は美羽の細い腕に捕まれ、強引に体育館へ・・・

 

 「うが・・・マジで・・・今からかよ・・・」

 

 改めて後悔。

 〇造パワーは明日使うべきだった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダムっダムっ!!

 

 「そこでターン!!」

 

 「えっ!?」

 

 バスケットボールをドリブルしながら、美羽は思い切り回転。

 そして・・・

 

 ズッテーンっ!!

 

 「きゃっ!!」

 

 こけた。

 

 「な・・・バカかお前、すっ転ぶって・・・」

 

 「う、うるさい」

 

 うわ〜・・・顔真っ赤にしちゃって・・・

 仕方ない、俺はそっと右手を差し出す。

 

 「・・・・・」

 

 美羽は相変わらず顔を真っ赤にしながら俺の腕を掴み、グイッと起き上がる。

 

 「う〜ん・・・ま、とりあえずは基礎からかな」

 

 あ、ちなみに俺、中学時代はバスケ部でした。

 ハハハ、入部理由?

 ・・・モテたいからに決まってんだろ。

 

 「き、基礎って・・・何すればいいの?」

 

 「・・・よし、じゃあ俺と1on1だ!!」

 

 実戦は大事。

 

 「い、1対1!?」

 

 「イエス!!」

 

 美羽はポカ〜ン顔。

 

 「・・・今から俺は、コートの端から反対側のゴールに向かってドリブルで突っ走るから、お前止めてみろ」

 

 「・・・・・」

 

 「いいな?」

 

 「・・・うん」

 

 そう言うと美羽は長い黒髪を束ね、ポニーテールに結ぶ。

 

 「よし、行くゼヨ!」

 

 美羽はコートの真ん中辺りでスタンバイ。

 

 「・・・おしっ!!」

 

 ダムっダムっ!!

 

 いくぜ、俺のスーパーマッハなドリブル!!

 ・・・今回の話を書いている時にハッと気付いたんだけど、ちょっと前にジャ〇プで主人公の名前が春吉っていうバスケ漫画、あったよね・・・。

 

 な、なんかカブッてしまった!!

 

 

 

 

 

 次回から更新が遅くなります&新キャラ登場です!

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