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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
バスケ部夏合宿篇
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第99話 I can fry

「こらそこ、もっとターンを早くッ!」


「切り返し遅いで。足首しっかりッ!」


「シュートのタイミングが早い。もっとよく狙い!!」


などと言う波紫先輩からのお叱りを受けつつ、俺達バスケ部は今日もまた体育館で練習中。


暑い……




ちなみに昨日はさんざんだった。


お婆さんの一件の後、夏哉はふて寝し、冬希は放心状態。


俺に至っては屋根裏部屋からI can fryしようとする程にまで精神的に追い詰められていたが、美羽によって止められ、無事に今を生きてる。



生命に感謝。




「こら木山クン、もっと足のバネ効かせて跳びっ!!」



そして波紫先輩には怒りの念しか感じなくなりつつある。










「さて、今日の午後からは近くの海いくで」


午前の血ヘド物の練習が終わり。


俺……いや、バスケ部員全員が半分死んだ体を強引に引きづり、干からびた体に水分を戻していた時、波紫先輩は笑顔で一言。


「……海?」


そして、その言葉に疑問を持った俺がいた。


「今から海行って、海水浴するで」


六角町は海辺の町。


「はい先輩!」


「なんや木山クン?」


「どういう風の吹き回しですか?」


「今日は南風が強いらしいで」


「いや、そーじゃなくて!!」


ドSな波紫先輩が、何故か練習ではなく海水浴をチョイス。

いわば遊び。


普通だったら、

「昼休み無しでランニングや!」

とか言いそうなのに。


「とにかく、午後1時に水着に着替えて、六角海岸に集合な?」


「ちょ、ま、俺水着なんて持ってきてな……」


「はい解散」


「だからちょっと待てぇ〜!!」










今話はよく場面転換するなぁ。


で、六角海岸。


俺は近くの衣類販売店で海パン購入。


まさかの出費……


そして何故か、夏秋冬含めバスケ部員はみんな海パンを持参してまして。


なんか俺にだけ情報が回ってなかったらしくて。


悲しくなった。


「はいみんな揃うたな? じゃ、始めるで」


意外と腹筋割れてた波紫先輩、青色トランクス海パンに黄色いゴーグル。

そしてシュノーケル。


……遊ぶ気満々?


「なぁ夏哉、何これ? もしかしてこれから遊ぶの?」


俺は隣にいたバネ人間に小声で質問。


「はぁ? 何言ってんだお前?」


……むむ、バカにされてます俺?


「いやはや、俺の所にはなにぶん情報が回っていませんで……」


「……もしかして、お前ハブられてんのか?」


「いや、その通りでない事を願いつつ聞いてんだよバネ人間」


「ふふっ、庶民が仲間外れに……ふふっ」


「黙れハゲメガネ。ってかお前いつからいたッ!?」


「先刻から」


「ハゲメガネばぁ〜か!!」


「なにっ、バカにバカと言われたっ!!」


「うるせぇハゲメガネ、先刻っていつだよばぁか!!」


その時……


「ほな、じゃあ今から“ドキッ! まさかのあの子のあーんな姿やこーんな姿を見てしまえッ”大会を始めるで」


『うおおおぉぉぉ!!』


波紫先輩の何かのフラグ言葉に超反応するバスケ部員。


もち、俺と夏哉はノーリアクション。


いや実際、俺はポカーン状態。


そしてハゲメガネと他バスケ部員は何故か超興奮。


「みんな、あの子の水着姿が見たいか?」


『うおおおぉぉぉ!!』


「みんな、あの子のムフフが見たいか?」


『うおおおぉぉぉ!!』


「みんな、あの子とベッドインしたいか?」


『うおおおぉぉぉ!!』


何かのカルト集団?


そんな勢いで盛り上がるバスケ部員達。


そして……


「ほな、今年の優勝賞品……もとい、勝利者へのご褒美となる女の子の紹介や」


マイクを持ち、炎天下の砂浜の中央で謎の司会進行をする波紫先輩。


そしてその言葉に、


『うおおおぉぉぉぉぉぉ!!』


バスケ部員のボルテージがMAXに。


ちなみに、周りには一般の海水浴客もいるんだよ?


場所をわきまえろ。


そして一体、これから何をするんだバスケ部?


後書きトーク!


DJ赤佐

「ヘイチェケェラーッ! DJ赤佐の後書きラジオだyo!」


美羽

「あれ? 赤佐じゃん。どうしたのそのサングラス?」


DJ赤佐

「第二回の今回のゲストはッ、葉城高校生徒会長のッ、濱垣美羽さんだyo!」


美羽

「何その喋り方?」


DJ赤佐

「まずはッ、自己紹介をッ、お願いするyo!」


美羽

「自己紹介?」


DJ赤佐

「そうだyo!」


美羽

「なんで?」


DJ赤佐

「いいかra!」


美羽

「え、えーっと……は、濱垣美羽で……す」


DJ赤佐

「ほらほら、もっと読者の皆さんにアピールだyo!」


美羽

「読者? えーっと、私は……7月24日生まれで……歴史が得意で……せ、生徒会長やってて……」


春吉

「恥ずかしがりやで、運動音痴で、竹刀持つと熱血キャラになって……」


美羽

「ちょ、春ッ!!」


DJ赤佐

「あ、春吉てめぇ、お前の出番は前回でやっただro!」


春吉

「美羽ん家は意外と和風で、床の間とか神棚とか、仏壇とかあるんだよな」


美羽

「なっ……なんでそんな事知って……」


DJ赤佐

「春吉ストーキング疑惑だyo!」


春吉

「ち、ちげぇよ! 昔、まだ小さい頃に美羽ん家行った事があってだな……」


美羽

「えっ……何、ウチの事そこまで覚えてた……の?」


春吉

「覚えてるよ。確か美羽の部屋は二階……だったよな? 昔、俺や小夜とよく外で遊んで、その後は美羽ん家でよくお菓子をご馳走になったもんだ」


美羽

「…………」


春吉

「確かあの星形クッキー、お前の手作りだったんだっけ? 凄くうまかったのを覚えてる!」


美羽

「春……そ、そんな事まで覚えていてくれ……」


春吉

「他にも、美羽の誕生日パーティーとか、クリスマスとか、みんなとよく遊んだよな!」


美羽

「……うん!」


DJ赤佐

「はい強制終了ぉー。何雰囲気作ってんだコラ!! ……さて、次回のゲストは……あの半男生物だyo!」


春吉

「そういや、昔クリスマスにもらったあのマフラー、まだ家にあるぞ?」


美羽

「……うそ、あれ確か小学3年の頃のじゃ?」


春吉

「結構キレイに残ってるぞ。今度持って来ようか?」


美羽

「……うん! うわぁ〜懐かしいなぁ!」


DJ赤佐

「おいコラ、俺のコーナー横取りするなyo!」

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