第98話 危ない夜
「うおぉ……」
「すげぇ……」
現在濱垣家居間。
ちゃぶ台の上には、大量の料理の数々。
お刺身、豚カツ、サラダ、和え物、漬物、味噌汁、白米色々。
凄い……超うまそう。
……そう、今は夕飯の時間です!
俺、夏、秋、冬はちゃぶ台の南側。
美羽、その両親、お婆さんは北側に着席。
居間のテレビでは某イケメングループのバラエティー番組が放送中。
外は薄暗い。
いやいや、星がキレイだ。
そして、これは……わざとなのか偶然なのか、俺の正面の席に美羽。
美羽は全力で目を反らし中だったり。
あー……気まずい。
「じゃあ、そろそろ頂こうかね」
そう言うとお婆さんは両手を合わせ……
「頂きます」
それにつられ、他の人も頂きます実行。
俺も両手を合わせて頂きます。
「いやぁ〜、でもまさか、春吉君が来るなんてねぇ!」
現在食事中。
俺が豚カツにかじりついていると、美羽の母親が意味ありげに俺に視線を向けてきた。
「いや……俺もまさか濱垣さん家に行くとは思いませんでしたよ」
……俺と美羽は幼稚園から一緒。
なので、昔はよく遊んだ。
つまり、俺と美羽母とは超面識有り。
「これはもしかして、運命なのかもね!」
「……はい?」
美羽母は何かを言い出した。
運命?
「美羽はね、この歳になってまだ1回も彼氏つくった事ないのよ!」
「は、はぁ……」
超ニヤニヤ顔の美羽母。
笑顔がマジで美羽そっくり。
ちなみに美羽、今むせてます。
「正直、美羽は人見知りするからね。全く、将来が心配なのよ!」
「そう……なんですか?」
ナアナアで答える俺。
「で……春吉君!」
「はい?」
今一瞬、美羽母の瞳が光った。
「今、彼女とかいるの?」
「ぶほっ!!」
がぁ……むせた。
「げほっげほっ」
美羽もむせてるし。
「何動揺してんの春吉君!! ねぇ、彼女とかいるの?」
「いや……今はいない……です」
正直に答えた。
はい非リア充宣言。
その時、美羽母はさらに笑顔になった。
「そう!! だったら美羽なんかどう!?」
「ぶほっ!!!」
俺、盛大にむせる。
うわっ、気道に豚カツの衣がッ!!
「ちょ、お、お母さんッ!!」
美羽さんは超超顔真っ赤で反論。
「アッハッハ! いいじゃない美羽、あんた春吉君のこと……」
「あ〜、それ以上は言わないでッ!!」
「アッハッハ!!」
腹を抱えて笑う母親に、顔を真っ赤にして反論する娘。
俺はそれを尻目に、1人いつまでもむせていた。
げほっげほっ。
そして、夏秋冬は無心で飯を食っていた。
薄情者ー!!
「よし、じゃあ風呂にでも行くか」
そう言い出したのは夏哉だった。
あの赤面的夕食を終えた後、俺達は一旦部屋まで戻って来ていた。
もう空は真っ暗。
外からは虫の声。
「……ああ、じゃあ風呂行くか」
満腹感から、畳にねっころがっていた俺、起床。
ちなみに秋馬は本当に死んだ。
いや、それは嘘だけど、本当に畳の上にねっころがったまま動かない。
相当きてるらしい。
「じゃあ冬希、秋馬置いて風呂いっちゃおうぜ」
「あ、うん」
こうして冬希も誘い、いざ風呂へ。
濱垣家の風呂は、そこそこ大きい。
男三人なら普通に大丈夫な広さだ。
……うらやましい。
「さて、じゃあ入るか」
脱衣室にて衣服を脱ぎ、冬希が一番に風呂場へと向かう。
……ちなみに、冬希はブリーフ派だった。
高校生のブリーフ派……珍しい。
お子様かっ。
そして冬希は脱衣室と風呂場の境の扉を開けて……
「……あ」
フリーズした。
「……どうした?」
ボクサー派の夏哉、冬希のフリーズに気付き、彼もまた風呂場へ。
で、フリーズ。
「……どうした夏冬。美羽でも入ってたか?」
そう言いながらも、俺は風呂場へ。
女子が先に風呂に入っているシチュエーション。
ギャルゲーお決まりのパターンだ。
こういうのは常識です……
「……あ」
で、俺もフリーズ。
「……あら」
風呂場、そこにいたのは……
「……は、濱垣のばあさんッ!?」
見たくもないモノが、そこにいた。
って、
「うおおおぉぉぉッ!?」
俺、叫びながら後退。
アカーンッ!!
「なっ……」
「す、すみませんっ!!」
夏哉も冬希も、咄嗟に後退。
「あらあら、まぁ若い」
ばあさんはニッコリ笑顔だった。
ある意味ぎゃあああぁぁぁッ!!
俺、パニクる。
で、
「ど、どうかしたっ!?」
脱衣室にて、俺の絶叫を聞いた美羽が、血相を代えて突撃してきたのであって。
俺、まぁ産まれたままの姿なのであって。
夏冬も上に同じなのであって。
「……ッ!?」
真っ裸の男三人に、同じくのばあさんの図。
弁解の余地はあるか?
「み、美羽さん?」
「……ッバカ春!!」
はい、顔を真っ赤にした美羽さんから、ビンタ頂きましたよ。
後書きトーク!!
DJ赤佐
「ヘーイチェケラッ!! 今日から始まる新コーナーッ!! DJ赤佐の後書きラジオだyo!!」
春吉
「なんかヒドイのはじまったぁッ!?」
DJ赤佐
「第1回目のゲストはッ!! みんなの邪魔者ッ!! 木山春吉だyo!!」
春吉
「邪魔者ってなんだコラ。それ以前に、何なのこのコーナー?」
DJ赤佐
「このコーナーはッ!! ゲストのキャラの個人情報をッ!! 洗いざらいバラすコーナーだyo!!」
春吉
「犯罪行為ッ!!」
DJ赤佐
「他にも読者からの質問やッ!! お便りやッ!! 作者考案のキャラ設定バラしとかもッ!! やってい・く・yo!!」
春吉
「しゃべり方うぜー」
DJ赤佐
「これも俺の本編への出番が少ないがためのっ!! 救済措置だyo!!」
春吉
「お前のそのキャラは何だyo」
DJ赤佐
「DJだyo!!」
春吉
「…………」
DJ赤佐
「ってな訳でッ!! 三姫連載再開記念ッ!! みんなからの質問やお便りをッ!! 募集するyoッ!!」
春吉
「多分集まんねぇぞ、そんなの」
DJ赤佐
「それ言うnaッ!! じゃあ、次回から始まるyo!!」
春吉
「……え? 次回から? 何、じゃあ俺今日何しに来たの?」
DJ赤佐
「特に何もないyo!!」
春吉
「……は?」
DJ赤佐
「では、今日はここでお開きだyo!! 次回のゲストはあのヒロインだyo!!」
春吉
「…………」
DJ赤佐
「ではサ・ラ・バ!!」