第93話 バスケ部
「ば、バスケ部っすか?」
波紫先輩、突然の告白。
テテテテッテテテッテーテー!!(火サステーマ)
夏休み、バスケ部事件!?
「……木山クン、真面目に聞いとる?」
「あ、あぁはい!」
いかんいかん!!
「波紫先輩、それは一体どういう……?」
秋馬は真面目だった。
「いや〜、実はな……」
春吉さんの、かいつまんだ説明コーナー!!
「波紫先輩の説明があまりにも長いんで、かいつまんで説明するぜッ!!」
葉城高校バスケ部
ぶっちゃけ、弱小バスケ部だ。
波紫先輩とバネ人間以外、ほとんどが初心者らしいっス。
で……
「近日、葉城バスケ部は一週間の夏合宿に向かう事が決定!!」
合宿先は〇〇県の最南端、六角町。
海に面した、自然豊かな町だそうな。
ちなみに、町の形は六角形ではありません。
あくまで名前が六角町なんです。
でね……
「合宿の最終日に、地元の六角高校との練習試合があるんや」
そして、その六角高校バスケ部こそ……
去年のインターハイ地区予選で、葉城を負かしたチームなのだ。
「ぶっちゃけ、葉城で六角に敵うのは、ボクとナツくらいだけや。あとは全然ダメ」
そこで……
夏休みの間だけ、中学時代バスケ部だった俺らに、白羽の矢が!!
「六角には借りがある。今回だけは、キミらの力を借りてでも勝ちたいんや」
「そんな……」
ちょっと待ってほしい!!
「俺、バスケやってたの、中学までで……高校ではほとんどやってないんですよ……」
そう、ブランク!!
「…………」
突然黙り込む波紫先輩。
何か……怖っ!!
「確かに、僕も庶民同様、高校ではバスケをしていない。最近は古武術を……」
ハゲメガネは何を目指してるんだ?
「僕も……春吉君や秋馬君と同じで……バスケは中学までしか……」
コイツもか……笳凌のエースも落ちたな。
「……ふぅん」
波紫先輩……何故かにっこり。
細目がより細目になった!!
「木山クン」
「は、はい?」
何!?
「キミ、確かスポーツジムでバイトしてたよな?」
「……え?」
何故知ってる?
「そこで、暇な時バスケしてるやろ」
「なッ……」
だから何故知ってる!?
「その表情……アタリやね」
……今、波紫先輩の目の奥が……キラリと……。
「で……瀬良クンは……確か、染宮さん所でバスケを……」
波紫先輩、今度は秋馬の方を見てにっこり。
ってか、秋馬もバスケやってたんだ。
で、染宮さん誰?
「……先輩、何故それを……?」
秋馬、ちょっとパニクってる。
「いやぁ〜、風の噂やな」
はぐらかした!?
「で、梨本クンは自宅でやってんよな?」
……俺、波紫先輩が怖くなってきた。
「……はい」
冬希はすんなり認めました。
「まぁ、もしブランクがあったとて、合宿中に取り戻したらええ」
そして波紫先輩は書類とペンを取り出した。
「これ、入部届けや。夏休み中だけの短期契約やけどな」
……う〜ん。
どうしようか……
確かに夏休み中は暇だけど……
けどなぁ〜
「頼むで、嵐の四季さん方」
この人……
「どうや、仲田の春風。夏休みだけ、手伝ってくれへん? 旅費は部が持ってやるし」
「…………」
……本音は嫌。
けどまぁ、たまには
「……旅費、持ってくれんなら、いいっスよ」
せっかくの青春、オタク以外にスポーツにも使ってみるか。
ついでに補習サボれるし。
後書きトーク!!
美羽
「そう言えば中学時代、春はバスケ部だったんだっけ?」
春吉
「あぁ……何? もしかして忘れてた!?」
美羽
「あ……いや……別に……」
春吉
「何? お前、同じ中学だよな? 真面目忘れてたん!?」
美羽
「いや、だから……忘れてたんじゃなくて……その……」
春吉
「忘れてたんじゃなくて?」
美羽
「その……ど、ド忘れ……」
春吉
「同じやんッ!!」
美羽
「じ、次回94話“六角へ”。春、バスケ頑張ってね!」
春吉
「ごまかすなッ……って、お前もうすぐ出番が……」
美羽
「じゃ、じゃあね!!」