第92話 新展開
こんにちは!!
お久しぶりです!!
今回から新章「バスケ部夏合宿篇」スタート!!
夏休み篇パート2です!
音楽の次はスポーツ!
内容的には秋ですよね……
皆さん、いかがお過ごしすか?
春吉です。
はい、お久しぶりです。
俺は今、とても重大な局面に立たされています。
「木山クン」
「……何でしょうか、波紫先輩……?」
「キミ、死んで」
「…………」
え、ええぇぇ〜!?
事の発端は、30分前にさかのぼる。
「ああ〜……補習ダルいよぉ〜……」
季節は夏。
8月3日。
夏休み真っ只中。
夏休み―――それは、オタク男子にとって、まさにパラダイス!!
アキバ行って夏コミ行って!!
しかし……
「……全ては、補習で潰れた……」
そんな俺の、悲しい青春夏休み。
クソ暑い昼間。
蝉たちの大合唱。
陽炎ゆらゆら。
「……暑い」
俺は愚痴をこぼしながら学校へ向かう。
今日は数学の補習だから、権三朗と楓はいない。
権三朗は科学と美術、楓は科学と英語が赤点だったらしい。
「はぁ〜……もう帰りたい……」
クーラーがんがんの部屋でアイス食って、漫画読みながら畳でごろごろしたい。
ぐーたら人間の願望。
「…………」
ピカァァァッ!!
灼熱太陽光!
紫外線ビーム!
あ、汗が……
汗が止まらねぇッ!!
俺の背中はもうびっしょり。
額には大粒の汗。
口の中はカラカラ。
「……あ、暑い」
もうこれは熱中症になりかねんぞ!!
み、水ぅ〜
「ついた……ついたぞ……」
あれから、脱水症状らしきものと戦いつつ、何とか学校に到着
「俺は……ついた……ついた……ガンダーラに……」
(※暑さで脳がイカれてます)
俺は……とうとうやったんだ!!
来たんだ……夢の国ガンダーラ!!
この学こ…―――いや、ガンダーラの校門、下駄箱、廊下。
ヒンヤリしてて気持ち良い!!
俺、末期!!
その時………
「なぁ、キミ?」
「はい?」
背後から声。
もしかして、ガンダーラの案内役?
俺が振り替えると、そこにいたのは青年。
ウチの高校のジャージ着てる。
夢の国って、もしかして体育会系の国?
「キミ、もしかして木山春吉クンちゃう?」
ガンダーラは関西弁らしい。
「は、はぁ……」
もしかして、夢の国って戸籍必要?
「ホォ〜……やっぱりや。その腐った瞳、ナツの言った通り」
「……はい?」
腐った瞳?
え、何?
「ボクの名前は波紫一真。バスケ部部長や」
「ば、バスケ部部長さん……?」
が、俺に何の用?
「そう。で、木山クン、ちょっとええかな?」
ちょいちょいと、手招きしながら校舎に入っていく波紫って人。
ジャージの色が赤だから……3年生か。
先輩なのね。
ってか、俺補習あんだけど……
「ここや。中入って、座って待っててな」
「は、はぁ……」
ここって……生徒会室!?
俺、何か悪さしたっけ!?
まぁ、と、とりあえず……
「し、失礼します……」
ガチャリ
入室!!
そこにいたのは……
「……なッ!? ざ、残念ボーイ!?」
「春吉君?」
そこにいたのは、まさかの……
「ハゲメガネに冬希!?」
まさかの二人!!
「何で……お前らがここに……」
嫌なフラグ立ちまくり。
「フン、黙れ庶民。逆にこっちが聞きたい」
「あ? 何だハゲメガネ? 頭シマシマに塗ってスイカにすんぞ」
「バカか残念ボーイ、スイカは緑黒だ。肌色黒ではないんだよ!」
「うるせぇ、メガネかち割るぞ!」
いつの間にか、口喧嘩に発展!!
冬希はあわあわ。
「プッ……庶民よ、君はやはり馬鹿だ。このメガネは鉄製だぞ?」
「鉄製ッ!?」
「ああ、フレームがな」
すげぇ……鉄製のメガネ。
「冬希、磁石持ってきて」
「なっ……庶民、貴様このメガネを馬鹿にしてるな!?」
「うるせぇメガネ! 第一、鉄製メガネって何だ、ただの馬鹿メガネだろうがッ!」
飛行機乗るとき不便だろうな……
「黙れ庶民、貴様は鉄製の良さすらわからない残念庶民のくせに!」
「残念なのはテメェだろうがッ! 脳内残念ハゲメガネ!」
「何だと!?」
「やんのか!?」
一触即発!
冬希はガチで磁石を求め、科学室へ。
真の馬鹿はアイツかも。
その時!!
「木山クン」
背後から、声。
俺と秋馬、フリーズ。
「……何でしょうか、波紫先輩……」
俺は振りかえらずに、声だけで主を判断。
「キミ、五月蝿いねん。死んで」
「…………」
まさかの死刑宣告!?
「瀬良クンもや。五月蝿い奴は死にな」
「……す、すみません」
「春吉君、磁石持ってき……あれ?」
冬希は空気を読まずに戻ってきたし。
「……とりあえず、全員座り」
波紫先輩のキャラが読めません。
「今回、キミらをよんだんはな、ちょっとしたお願いがあるからや」
波紫先輩の細目から、何とも言えぬ威圧感が……
俺と秋馬と冬希は生徒会室のパイプ椅子に座り、向かいにいる波紫先輩を見る。
「お、お願い……っスか?」
何だろう……
今、何と無く分かる事は……
きっとまた面倒な事に巻き込まれる。
何事も穏便に。
「そう、お願いや。……実はな」
さぁ、何が来る?
こっちは早く補習行かないと!!
数学の葦本(教師)に怒られるがな!!
「実はな……夏休みの間だけ……
キミらにバスケ部に入って欲しいんや」
……え?
後書きトーク!!
春吉
「ってか、お前らは補習とかねぇのかよ?」
秋馬
「あるわけないだろ庶民!! 僕は瀬良家の男だぞ!!」
春吉
「うわっ、ウザっ」
冬希
「僕もないな……強いて言えば家庭科が少し苦手だったけど」
春吉
「家庭科か……まぁ、俺の周りにも家庭科苦手な大魔人がいたが……ギリで赤点逃れたって言ってたな」
冬希
「僕もギリギリセーフってとこかな」
春吉
「俺は一人暮らしだから、家庭科は嫌でも身に付くし……秋馬は?」
秋馬
「…………」
春吉
「……なぜ黙る?」
秋馬
「…………」
ぴーんぽーんぱーんぽーん!!
校内放送
「瀬良秋馬、校内にいたら早く家庭科室に来い!! 補習サボるな!!」
春吉
「……だってよ……ップ!!」
秋馬
「なっ……赤点二つ取ってる貴様に言われたくない!!」
春吉
「……プッ」
秋馬
「笑うなッ!!」
冬希
「次回93話“バスケ部”これから新展開がどんどん続くよ!!」
春吉
「コイツ、あの大魔人以下……プッ」
秋馬
「貴様っ……」
ぴーんぽーんぱーんぽーん!!
校内放送(葦本)
「木山春吉、さっさと補習に来い!! 2学期も赤点にすんぞ!!」
春吉
「あぁッ!? しまった!!」
秋馬
「……プッ」