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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
夏休み音楽ライブ篇
101/116

第91話 花火大会


 「オラ、もうそのへんにしとけ」

 

 「っ、春吉・・・」

 

 余りにも哀れなヤンキーさんを助けるため、男春吉出動!!

 楓さんを後ろから止める!!

 

 「お前、もう相手ご臨終寸前だぞ」

 

 顔面蒼白、口からは泡、白目。

 

 「う、うるせぇ、こいつらがフッてきて・・・」

 

 楓が目を逸らしながら何かを言おうとした、

 その時・・・

 

 「あ、アイツです! あの女が俺らの仲間を!」

 

 「んだと!!」

 

 うわ〜!!

 遠くの方からヤンキーさんの仲間らしき人が数人!!

 や、ヤバイよ!!

 

 「んだよ、やんのか!?」

 

 きゃ〜!!

 しかも楓さんは戦闘スタンバイモードに!!

 

 い、いかん!!

 このままではこのお祭り会場が戦場に・・・

 

 「オメェら、仲間の敵討ちだ!!」

 

 『オ〜!!!』

 

 ヤンキーさんも戦闘スタンバイモード!?

 

 「やってやるぜ、ヤンキー共・・・」

 

 楓・・・

 チッ、くっそぉがぁ〜!!

 

 「オイ、楓ッ!!」

 

 「んだよ、邪魔する・・・」

 

 パシッ・・・

 

 「えっ・・・」

 

 俺は楓の腕を掴み、とにかく全力疾走!!

 

 「なっ、ちょ、春吉・・・」

 

 「いいから、一旦逃げるぞ!!」

 

 「はぁ?」

 

 「いいから、とにかく走れ!!」


 

 俺と楓はヤンキーさんから逃げるため、全力でその場から走った。










 「はぁはぁ、こ、ここまで来ればもう、安全だろ・・・はぁ」

 

 「・・・別に逃げなくても」

 

 あれから走りに走って、気付いたらグラウンドの隅のまた隅、鉄橋のふもとまで来ていた。

 

 「はぁ〜・・・走ったから暑い・・・」

 

 あ、汗がッ!!

 

 「だから、別に逃げなくてもあたしが・・・」

 

 「それは駄目だ!」

 

 「は?」

 

 楓さん、頭にハテナマークが浮かんでます。

 

 「お前な、見た目普通の女の子が暴力なんて、お前のイメージを壊すだけだぞ」

 

 「なっ・・・い、イメージって・・・」

 

 「あのな・・・お前は黙ってりゃ可愛いんだから、おとなしくしといた方がいいぞ?」

 

 「っ・・・!」

 

 そう、黙ってりゃまともなヤツなんだ。

 

 「だからよ、やたら喧嘩だの暴力だのは止めろ。そういうのは女がやるもんじゃない、男の仕事なんだからよ」

 

 まぁ、ヤンキーから逃げた俺が言うのもアレだが・・・。

 

 「・・・っ」

 

 ん?

 

 「・・・おい」

 

 「あ?」

 

 楓さん?

 下向いて・・・顔赤くしちゃって・・・

 

 ま、まさか熱中症!?

 

 だったらアカン!!

 

 「ま、待ってろ! 今ポ〇リ持って来てやるから!!」

 

 「・・・は?」

 

 やっぱり顔が赤い!!

 

 「頭痛いか? だったら氷も必要か・・・」

 

 よし、とりあえず氷はかき氷屋にでも・・・

 

 「・・・待て」

 

 「あ?」

 

 いざ、かき氷屋へ向かおうとした俺。

 しかし・・・

 

 「よ、弱虫がカッコイイ事言ってんじゃねーよ」

 

 は?

 

 「このバカ吉・・・」

 

 「なっ・・・おま、バカって・・・」

 

 ひどい!!

 

 「おい春吉」

 

 「んだよ」

 

 早くポ〇リと氷を取りに行かなくてはいけないのに・・・。

 

 「あの・・・その・・・」

 

 「ん?」

 

 何?

 

 「お、お前にとって、あたしって・・・」

 

 「はい?」

 

 何なの?

 声が小さくて聞こえない!!

 

 「だ、だからお前にとって、あたしは・・・」

 

 「何だよ、声小さくて聞こえねぇぞ」

 

 その時・・・

 

 ドォォーーッン!!

 

 物凄い轟音に、光り。

 

 「おおー、花火が始まったか!!」

 

 ドォォン、ドォォンと花火が上がる。

 

 「スゲー、音おっきいなぁ〜」

 

 花火スゲー!!

 

 「・・・はぁ〜」

 

 「ん?」

 

 楓は何故かため息。

 

 「まぁ・・・いいか」

 

 「どうした楓・・・あ、いかんポ〇リ!!」

 

 熱中症はほっとくとマズイからな。

 水分補給大事!!

 

 「春吉」

 

 「何?」

 

 何故だろう・・・楓の顔はどこか清々しかった。

 

 「とりあえずお前にはありがとうとゴメン」

 

 「え?」

 

 ありがとう?

 ゴメン?

 

 「泊まりの時はゴメン、そして今はありがとう」

 

 「楓・・・」

 

 な、何だ?

 

 おかしい・・・

 

 何故だか今、俺は楓をとても可愛い女の子として見ていた。

 

 いや、正確には可愛い女の子に見えたのだ。

 

 「なぁ春吉、ここ人もいないし、少し花火見てこうぜ!」

 

 どこか爽やかな笑顔。

 

 今日は・・・何だかおかしな日だ。

 

 「・・・ああ、見るか。花火!!」

 

 本当に・・・おかしな日だ。

後書きトーク!!


春吉

「そういや楓、お前どうしてヤンキーさんなんかと喧嘩を?」


「いや、ただ普通に歩いてたらヤンキーとぶつかって・・・」


春吉

「ぶつかって?」


「イラッときたからガン飛ばして・・・」


春吉

「・・・・・」


「向こうが突っ掛かってきたから、グーで・・・」


春吉

「結局お前がフッたんかい!!」


「だ、だって・・・」


春吉

「はぁ〜・・・で、リアルな話、今回にて夏祭りライブパートは終了、次回より新章突入」


「リアルな話?」


春吉

「しかし、今まで番外編Spring Stormの事をすっかり忘れていたバカ作者的に、しばらくは番外編の方に精を出したいと」


「春吉?」


春吉

「って事で、三姫は少しの間休載。そしてSpringを一気にすすめます」


「・・・・・」


春吉

「三姫再開はSpringの方でお知らせします。でも、そんなに長くは休載しませんからね?」


「・・・・・」


春吉

「では!!」

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