第14話、三期生コラボ(主人公の親視点)②
「」は、リアルの声です。
『』は、配信の声です。
「これからあの子歌うんでしょう?」
「あぁこの流れならな。」
『コメントの皆さんは、私から歌って欲しいですか?』
「その声ずるい……」
「そろそろヤバい……」
『あ、皆よく気づいたね〜それでは、歌う曲は、これ!」
『このイントロは、』
『ダメだって死人が出るて』
「耐えられそう?貴方……」
「頑張って耐えるしかないだろう……」
「確かにそうね……」
「共に生きよう……」
「ええそうね……」
『〜〜〜〜〜〜〜♬』
『〜〜〜〜♬? 〜〜〜〜〜〜?』
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♬』
『〜〜〜〜〜♬ 〜〜〜〜〜♬』
『あ、やばい……』
『その声反則……』
「これは……紗理奈に似たな……」
「貴方……私はここまでは出来ないわよ……」
「そうなのか?私からしたら分からんがな……」
「私は三オクターブしか出ないのに、あの子は五オクターブ出るのよ。つまり、二オクターブ違うの。」
「何が違うんだ?」
「オクターブとは、西洋音楽で用いられる全音階は、周波数比2:1の音の間を全音間隔5箇所と半音間隔2箇所で分割した七音音階なのよ。 西洋音楽では同度を1度音程として数え始めるため、七音音階で高さの異なる同じ音に辿り着く音程が8度となる。つまり、「8番目=8度音程」を意味するのよ」
「どういう事だ?簡単に教えてくれ」
「簡単に言うと、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドが一オクターブ分あの子は私より高い声と低い声で歌えるという事よ。」
「オクターブの意味は分かったが凄いのか?それは?」
「凄いわよ……」
『〜〜♬! 〜〜〜〜〜♬』
『〜〜〜〜〜〜〜〜♬』
『〜〜〜〜〜〜〜〜♬? 〜〜♪W』
「声が変わったな。いきなり……」
「…………」
「うん?どうした?紗理奈?」
「貴方……この凄さ分かる?」
「何がだ?」
「あの子。歌ってる途中でいきなり変わったのよ?」
「変わったのは、分かったが凄いのか?」
「普通は声が苦しく聞こえるのよ。なのにあの子は声が苦しく聞こえないの。」
「私は歌に関しては素人だ。」
「あの子本当に凄いわね。」
『はい!という事で、可愛くてごめんねでした!』
「凄いわねあの子。」
「そうだな。」
『あれ?皆大丈夫?おーい!白さん。赤さん。起きて!』
『…………』
『…………』
「私達も、あの子とずっと過ごしてなかったら他の二人みたいになったかもね……」
「そう考えると恐ろしいな……」
「これは歌関係の人にとって見逃せない存在になったわね…」
「今は歌だけかも知れないが、楽器を弾き出したら、 楽器関係の人も見逃せなくなるぞ……」
「あの子は、音楽の才能全て持っているのよね?」
「いや、分からない。」
「なんでよ!」
「私達が知ってるのは、歌と楽器だけだ。音楽と言うなら、作詞作曲も入るだろう?」
「確かにそうね。」
「私達はまだあの子に作詞作曲をさせてないからな。」
「もしその才能があった場合は、どうなるのかしら?」
「音楽の天才として世界中に広まるだろうな。」
「そしたらあの子どうなるの?」
「分からんな。その時にならないと……」
と心配している両親の事は、知らない葵は、今、鼻歌をしていた。
『〜〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜〜♪』
「可愛い……」
「可愛い……」
「今考えても仕方ないわね!」
「あぁ。そうだな。」
と娘の鼻歌を聞いて癒されるのであった。
自分の娘は、何時でも可愛いものだ。
『あれ?何でまた尊死してるの?』
「天然ですね〜」
「可愛いな……」
『あれ?いつの間に私寝てた?』
『あれ?青さんの最初の歌い初めから後の記憶無いんだけど?』
『あ!白お姉ちゃん!赤お姉ちゃん起きた?』
『お姉ちゃん呼びダメ……』
『その呼び方ダメ……』
『あ、また倒れちゃった』
「あらま。可哀想に。」
「あれは誰でもそうなる。」
「これはまた伸びそう。」
「トッイター見たけどトレンド一位だったわよ」
「それは増えるな。」
「歌関係者は、登録するんじゃないかしら」
「そうなりそうだな。」
『うん?お兄ちゃん?お姉ちゃん?』
「「うぅ…………」」
お兄ちゃん、お姉ちゃんで限界になり私達は、気絶した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「〜〜て、〜〜て」
と声が聞こえる。
目を開けると娘の葵がいた。
「起きて、お父さん。お母さん。」
「うん?葵ちゃん?」
「うん?葵?」
「起きた?お父さん。お母さん。」
と言う娘の葵の姿を見て私は言う。
「うん。起きたけどその格好どうしたの?」
と聞くと、葵は。
「外に出てから着替えてないよ」
「夜ご飯出来るから座ってて。」
ご飯が出来るらしいので返事をしておく。
「うん。分かったわ」
「分かった」
椅子に座って出てきた料理にビックリする。
理由は出てきた料理がインスタントじゃなかったからだ。
今まで葵は料理しなかった為、インスタントだと思ったからだ。
驚きのあまり葵に聞いてしまう。
「ねぇ?葵ちゃん?いつの間に料理出来るようになったの?」
「え?私料理出来るよ?知らなかった?」
「「知らないかった(わよ)」」
本人によると、大分前から料理は、出来ていたらしい。
私と夫は、目を合わせた。
夫も葵が料理出来る事を知らなかったようだ。
娘は何が出来ないのか。と思いながら私達は娘が作ってくれた料理を食べる。
「あら?美味し。」
「そうだね美味しよ」
「そう。良かった。口にあって」
「私が作るのより美味しいのは少し嫉妬しちゃうわ」
私の作る料理より美味しかったので、少し嫉妬してしまった。
「お母さんそんな事ないよ。人には、得意、不得意な事があるんだから」
「そうだよ、紗理奈。得意、不得意あるんだから気にしなくても大丈夫だよ。」
「そうね。それより、私達の音楽の才能も引き継いで、料理も出来て高校行ったらモテそうだね」
「今は、春休みだから大丈夫だよ」
「そんな事じゃないんだよ?」
「?何の事?」
「それより早くお風呂入ったら?」
「そうだね。今日疲れたしお風呂入ってくる。」
家族は、主人公の事を口では葵や葵ちゃんて言っていて、主人公がいない時は、あの子呼びで驚いたと思いますが、葵ちゃん呼びは、主人公をからかってるだけです。
あの子呼びの理由は、主人公が天才すぎるせいです。