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イベント?詳しく。

翌朝、いつも通り朝から教室にいたが天音は来なかった。

来ないなら来ないでぼーっとしてるだけだが。


さて、今日のホームルームでは、今年度初めてのイベントについて担任が話していた。

俺が運んだダンボールのやつか。


「二年生になったが、クラスに馴染めてるか?まあ馴染めてるやつも、そう出ないやつもそりゃいるだろうが。だから、今年も交流会をやることになった」


クラスから「おぉー」や「楽しそう!」、「何するんだ?」といった声が聞こえてくる。


「さて、交流会だが内容はもう決まっている。簡単に言えばキャンプだ。バスで学校からキャンプ場へ移動する。4、5人のグループに分かれてカレー作りだ。細かいことはこれから配るプリント見てくれ」


グループに分かれて、か。俺が知らない奴と同じになっても義務でしかコミュニケーションとれない気がする。

とか考えていたら後ろからつつかれた。


「奏〜俺たちでグループ作ろうぜ」


「いいけど」


「なんだ、俺じゃ不満か?」


「別にそんなこと言ってないだろ」


「そうだよなぁ俺じゃないとダメだよなぁ」


「そんなことも言ってねぇよ」


「つれねぇなー。とりあえずあと2人は必要なんだよな」


「だな」


正直誰でもいいな。俺が話さなくても勇也が話して場を盛り上げてくれそう。頼んだ。


プリントが配られている間に担任が話し始めた。


「今日の帰りのホームルームでグループを決めるからなぁ。今から考えとけー。上手く決まんなかったり、人が足りないことがあった場合は俺が勝手にいろいろ決めるからなー」


まあ先生に決めてもらってもいいか。


「奏なら絶対面倒くさがって先生に決めてもらおうとするな」


「…んな事ねぇよ」


「図星か?まあ別に一緒にいたら喧嘩になる、みたいな相手じゃないなら誰でもいいし、それでもいいけどよ」


「勇也が誰か誘ったりすれば」


「まあな、それでもいいけど。ま、一旦待機だな」


「そうかい」


誰が一緒になろうと、誰とも仲良くないし、仲悪くもないからそういう意味では自由度は高いな。そんなやつと一緒にカレー作りたいかと言われたら…ノーコメントだ。


「紫宮、後で話があるから職員室に来てくれー」


おっと、先生からのご指名だ。


「奏、呼び出しくらうってなにかしたのか?」


「なんにもしてねぇ。この前これ関係の雑用手伝ったんだよ、それの続きだろどうせ」


「ならいいか。てか、奏って教員からは結構信頼されてるよな。いや、教員だけじゃなくクラスのヤツらにも慕われてる気がする」


「んなわけないだろ。こんなぼっち男慕われてないだろ」


「そんなことないと思うんだけどなぁ。まあ奏がそういうならそうなんだろうな」


「はぁ…まあいいや、職員室行ってくるわ」


「おう」


何を頼まれるのか知らんが先生の所へ向かおう。何もしてないし怒られるとか、そういうのは無いはずだ。無いよな?なんか不安になってきたな。



職員室に着くと、先生のデスクの前まで通された。


「紫宮は天音と仲良いだろ」


予想外の質問に少し驚いた。


「なんでそんなことを?」


「あー、いやなに、交流会にはあいつも来て欲しい訳だが、まあ何となく紫宮も分かるだろ。天音は恐らくクラスに友人や会話のできる人間が居ない。それに多分過去のトラウマと身体の調子であんまり来たがらない気がするんだ」


「??過去のトラウマ、ですか?」


「……今のは忘れてくれ。ともかく、他の人よりかは話せるだろうお前に、参加するように説得して欲しいんだ」


「一瞬出会っただけなんですけど」


「でも昨日の朝、教室の前を通ったら楽しく話してなかったか?」


見られていたのか。見られて困るものでは無いからいいのだが。

それならまあ、断る理由もないし、するだけしてみるか。


「…まあなら、一応説得してみます」


「ありがとう紫宮。いつも助かる」


「先生の頼みなので」


「じゃあよろしくな」


なんというか、めんどくさいな。

まあ頼まれたのならやるまでだ。放課後行ってみるか。


授業中の教室は、なにかそわそわした雰囲気が広がっていた。

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