表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

黒ちゃん

黒ちゃんは分裂するタイプのスライム。

分裂したら、対象を食べて乗っ取る。

そんな黒ちゃんはわたしのペット。

だいじに育ててたけど、ある日わたしを食べた。

まあいいよ、わかってたから。


以来、わたしは黒ちゃんといっしょになった。

黒ちゃんは体内からわたしをあやつり、感情のままに騒ぐ。

ある日、わたしに無視されて不機嫌な黒ちゃんはわたしを操った。

黒ちゃんはわたしから子供を生み出した。ちび黒ちゃん。

ちび黒ちゃんはねじれながら排水口におちた。

わたしは仕方ないと思った。


黒ちゃんとわたしは一緒にお買い物にいった。

するとちび黒ちゃんが襲いかかってきた。ちび黒ちゃんはパイナップルをたくさん食べて大きくなっていた。

「黒ちゃんより、ちび黒ちゃんのほうがいいよ」

よくわからない。黒ちゃんのほうがいい。

ちび黒ちゃんはねじれながらあばれた。わたしたちはスーパーマーケットを逃げ出し、ちび黒ちゃんをひきつけて空き地へ。

「あんたのせいでこうなった」

黒ちゃんはごねた。わたしは反省していたが、ちび黒ちゃんは黒ちゃんと仲直りしてほしい。

「じゃあ、ちびと、黒ちゃんとで、ふたりであんたを食べようか」

黒ちゃんは悲しげに言う。

やめてほしそうに。

「またか……」

わたしは笑ってちび黒ちゃんに火をつけた。

「黒ちゃんはいいけど、ちび黒ちゃんは無理。トイレに流したい。」

「そんな……」

ちび黒ちゃんはわたしを食い破り、黒ちゃんは逃げ出した。

ちび黒ちゃんは笑っていた。

「ちびがたべたいから、ちびがいちばん!」

わたしは悲しくなった。

「たすけて、黒ちゃん……」

ちび黒ちゃんは不機嫌になって暴れた。わたしは意思をもたずに操られた。本来捕食された人間がするように。


さよなら、黒ちゃん。

お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ