表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

彼女は「 」を除霊する

「葛城さん、暇ならねえ。一つ除霊のお願いがあるんだけど」

 新川がそういって小百合の部屋を訪れたのは、8月10日のことだった。

 

 

「除霊……お仕事のお話ですか?」

 今日も外は高温注意報が継続中。

 エアコンの効きが悪い小百合の部屋で、蒸し暑そうに新川が麦茶を煽る。からん。と軽やかな氷の音が響き渡った。

「そーそ。バスの幽霊なんだけどぉ」

 カップがつるりと動くのを新川が気だるげに受け止めるが、それは底についた水のせいではない。通りすがりの小さな幽霊のせいだ。

 盆が近づくにつれ、いたずらものの浮遊霊が増えた。

 暑そうに麦茶をすする新川の周囲を元気よく駆け回るのは着物姿の小さな男の子。彼女の膝の上を駆け抜けて、跳ねて部屋を縦横無尽に走り回る。

 ……盆が近くなるといつもそうだ。

 盆は幽霊にとっての大切な帰省の時。だから緊急の仕事以外は受けてはいけない……とは、誠一郎の言葉だった。

「バス?」

「バスに出るっていうか、バス自体が幽霊っていうのかねえ……2年くらい前から、バスがねえ、行方不明になるのよ」

 新川が語るのは、波岸商店街から隣町に抜けるバスの怪。

「期間はお盆前後の今頃。時間もちょうど今時分の、夕暮れ時」

 新川は小百合秘蔵の煎餅を勝手につかみ、机に肘をつく。彼女のチリチリパーマ頭に赤い夕日が当たって輝いている。

「問題のバスの運行ルートはここからここ」

 机に広げたバスの路線図に彼女は指を押し当て滑らせた。

 波岸商店街を抜けて団地、墓地、ショッピングセンターに駅。決められたルートをお行儀よく走るはずのバスだ。それが時折1台、行方不明となる。

「ジーピーエスっての? ああいうので追っかけても、パチンと消えて。気づいたらどこかのバス停に停まってる」

 運転手や客に彷徨っていた時の記憶はない。運転手を変えても同じことが起きる。毎日ではなくランダムに一台だけ。忘れた頃に一瞬だけ行方をくらませる。

「盆の時期はバスを運休しようかって話にもなったんだけど。でもほら……明日は迎え火、16日は送り火のイベントがあるじゃない?」

 この町唯一とも言うべきイベント、13日の迎え火に16日の送り火がまもなくやってくる。

 町のお年寄りたちがロウソクや提灯を片手に、歌いながら踊りながら墓地に向かうのだ。そのクライマックスは墓地での灯りのパフォーマンス。

 普段は静かな町が明るく染まり、あたりはまるで極楽浄土もかくやといった華やかさになる。

 昨年、インターネットで紹介されたところ、爆発的に話題となった。

「そのせいか、今年はテレビとか雑誌の取材が入るみたいでねえ。観光客が増えそうだって」

 ボリボリと煎餅を噛み締めながら新川は続ける。

「稼ぎ時だからバスも増便したいくらいなんだけど、観光客乗っけて行方不明なんて困るでしょ」

「はあ……」

「数年前から幽霊だーとかなんとか騒ぎになって、お祓いもやったらしいんだけどまるで効果なし。でも葛城さん、あんたならどうにかできるんじゃないってそう思ってさ」

 窓の外は少しずつ夜に沈んでいく。茜色に紺が滲んでその合間をカラスが飛んでいく。

 夕暮れから夜にかけては幽霊たちが好む時間帯だ。薄闇に包まれて消えるバスの姿を想像して小百合は机に肘をつく。

(バスか……)

 夕暮れの中さまようバスは、先日見た悪夢を思い起こさせた。

 女の黒い目を思い出し、小百合は冷えた手を握りしめる。

「あのう、大家さん」

「んで、急なんだけど明日までにどうにかしてほしいわけ。観光客の落とす金も馬鹿にならんって、商店街長に泣きつかれてさあ。あんたんとこのハンサムな坊さんにお願いしてたんだけど、他の仕事で遅れそうってさっき連絡あってさ。だから先に葛城さんが下見しといてよ」

 机の上に転がる料金表を横目でちらりと流し見て、新川は目を細める。

「常連価格で除霊料金、まけといて。次のアパートの更新料、値引きしとくからさ」

 まるで嵐のように新川が去ったあと、残されたのは空っぽになった煎餅の袋だけだ。それを見つめ小百合はため息をついた。

「……ん? 誰か来てたのか?」

 その声を聞きつけたのか、万年床の奥で丸くなっていたケンタの耳がピクリと動く。

 先日受けた動物霊の除霊の際、ありとあらゆるペットフードを食べる羽目になったケンタはすっかり胃の具合を悪くして、ここ数日はこんな具合だ。

「いいよ、ケンタはそのまま寝てて」

 彼のあたたかいお腹をそっとつついて、小百合は鞄を掴む。ケンタは青色吐息のまま、床を力なく叩きつけた。

「おい、まさか仕事か……仕方ねえな」

「大したことないから大丈夫」

「そんなわけに行くか」

 ケンタはよろりと立ち上がり、耳を伏せたままげっそりとした顔で呟く。

「相棒、なんだろう?」

 過保護な相棒を見て、小百合はまたため息をついた。

 


 外に出れば、ご近所のお年寄りが明るく小百合に声をかけていく。

 普段はうら寂しい波岸商店街だが、今は迎え火の練習中と思われるお年寄りが溢れかえっていた。

 その隙間を、数え切れないほどの幽霊たちがすれ違っていく。普段は幽霊に厳しいケンタも、この時期だけは見て見ぬふりをしていた。

 盆の時期は除霊師にとっては特別だ。小百合にとってはもっと重い意味がある。

(あと4日で、誕生日)

 ケンタに気づかれないように指を折り曲げ、ごまかすように手をきゅっと握り込む。

 ……2年前の8月16日。誠一郎が遠くに消えてしまった。そして彼の代理として気張った2年でもあった。

 その2年も、まもなく過ぎようとしている。

(……早かったな) 

 小百合は夕日を見上げて、目を細める。

 誠一郎と過ごした10代が、暮れようとしている。

 20歳の誕生日は必ず、お祝いをする……そんな誠一郎の言葉を思い出し小百合の足が自然に重くなる。

(……あと4日)

 本当に帰ってくるのか。そんな不安を打ち消すように勢いよく角を曲がれば、バス停が夕日の色の中に沈んでいた。


「……お? 招福んとこのガキか」


 バス停の前に見覚えのある顔を見つけて小百合の足が止まる。ケンタも身体を低くして、唸る。

 夕日に照らされたそこに見えたのは、軽薄なスーツに細身の体。手には赤いチョーク。その姿を見て、小百合の目が細くなる。

 ついつい、ため息が体の底から漏れてしまう。

 以前、城宮の家で見た男がまたそこにいる。

「……商圏、かぶってますね」

「おうよ。この町は幽霊信じてる年寄りが多いから良いカモに……おいおい、待て、待て。もしかして、あんたもバスを? 本気か? 止めとけって。本物だぜ」

「大丈夫です。私、本物なので」

 むっと目を細めれば、男が小百合の腕を掴む。思い切り振り払えば、彼は慌てて小百合の前に腕を伸ばして立ち塞がる。

「いや、冗談で言ってるんじゃないぞ。俺だって一応、ちょっとは視えるんだ、このバスは……」

「私、本物、ですので」

 男を押しのけ地面のマークを踏みつけて、小百合は止まったバスを覗きこむ。

 レトロな赤と緑の古いバス。赤いベロアな椅子が並ぶ……いつか夢で見た同じバスだ。予知夢というのか、除霊師はまれにそんな夢を見る。

 しかし、気にしていては身が持たない。

「あぶねえって。おい姉ちゃん!」

 客はいない。運転手の姿もない。この時間のバスは念の為、動かさずに置いているのだと新川は言っていた。

 静まり返ったバスだというのに、低く唸るような声が聞こえる。バスの中から響くのは、女の悲鳴、けたたましい笑い声。嘆きの声に、怒りの声、まるで幽霊の運動会だ。

「めっちゃ怖えぞ、そのバス!」

「そうですか。じゃあ、一人で逃げててください」

 商売柄、小百合は恐怖というものを感じたことが一度もない。

 怖いと言っている間は半人前だ、と小百合はしたり顔で鼻を鳴らす。

「依頼を受けたんだから、やりきらないとね」

 仕事を始める前から投げ出さないこと。

 それもまた、誠一郎の10カ条の一つだった。



 意気揚々と乗り込んだ小百合だが、一歩入って思わず足が止まる。

「あー……これは」

 確かに、運転席には誰もいない……代わりにうすぼやけた闇がある。

(……なるほど、本物だ)

 バスの中には闇が充満していた。薄暗く、赤く、重い。どろりとした、重い闇。

 バスの座席に人はいない。その代わり、埋もれた闇がみちみちとうごめいている。

 男のいう言葉は本当だ。このバスは、悪霊で満ちている。

「小百合、気をつけろよ」

「……うん」

 ケンタの警告を聞きながら、小百合は冷たい手のひらを握りしめた。悪霊が怖いわけではない。ただ、目の前の風景の既視感が小百合の足を戸惑わせた。

 硬い床の感触、特有の香り、ガラスの曇っているところ……小百合は全部、覚えている。

 ……これは、夢で見たあの風景だ。

 ステップを飛び越えバスに入り込み、座席の間の通路を足で探る。一歩、奥に近づこうとして小百合は思わずたたらを踏んだ。

「あ……」

 バスが動き始めたのだ。いつの間に乗り込んでいたのか、運転手が運転席に着座している。

「運転手さん、止めて、止めて!」

 帽子を深くかぶった運転手に小百合の声は届かない。彼はハンドルを握りスイッチを押した。軽快に歪む奇妙な音楽が車内に流れ、聞いたこともない停車駅が告げられる。

 バス停の向こう、スーツの男が焦るようにどこかに電話をかけているのがみえる……やがてそれも、闇に隠れた。

(……悪霊)

 バスを覆う闇はただの暗がりではない。光の途切れた真の闇だ。その中を、煤の香りが充満している。

 小百合はケンタのリードを強く握りしめた。

「小百合。仏心、出すんじゃねえぞ。ここにいるのは悪霊だけだ」

 ケンタはすでに臨戦態勢。腹痛など忘れたように、頭を落として足で地面を掻く。

「わかってる」

「悪霊は俺に任せろ。小百合は悪霊を引き寄せてる本体を説得しろ。おそらくそいつがバスを引っ張ってる。無理なら俺を呼べ、噛み殺す」

 小百合の隣を甲高い女の笑い声が通り過ぎていく。男の叫ぶような悲鳴や、痛い痛いと叫ぶ声が交錯する。

 未練が重なり怨念となってしまった……彼らは悪霊だ。

(悪霊となってしまったら、救えない)

 誠一郎の言葉を思い出し、小百合は深呼吸をした。

 出会うのがあと少し早ければ救えたかもしれない。そんな悪霊もいるはずだ。1日、3日、一週間。早く出会えれば、彼らの『ありがとう』が聞けたかもしれない。

 助けそこねた幽霊を小百合は何度も見てきたし、そのつど悔しい思いをしてきた。

 だからこそ、救える幽霊に対しては全力で立ち向かう。それが誠一郎の教えである。

(あそこに、いる)

 目を細めると、バスの一番奥の席に一人の少女が見えた。目にした途端、小百合の首にじわりとした痛みが広がる。

(……夢の子だ)

 それは夢の記憶だ。悪夢で小百合の首を掴んだ少女である。

 彼女は膝を抱えてうずくまっている。ガリガリにやせ細り、青い顔をした少女だ。素足も服も土で汚れている。幽霊は死んだときの姿のままさまよう事が多い……そんなことを思い出して小百合は切なくなった。

「なんで来たの」

 少女は膝を抱えたまま、小百合を見もせずに吐き捨てる。青い唇が震え苦しそうに歪む。

「来るなって、言ったのに」

 

「ああ、小百合だ」

「小百合がきた」


 まるで狂ったように声が響き、小百合は頭を振る。

 彼女の周りを覆う黒い影は、全て悪霊だ。

 未練の強すぎる霊は時に、悪霊を引き寄せやすい。

 特にこんな、迎え火の近い……彼岸と此岸の合間の時は。


「呑気な除霊師」

「何も知らずにやってきた」


 くすくすと、耳元で笑い声が響く。

 そんな闇に囲まれて、少女は泣きそうな声で、小さく縮こまっている。

「来ないでって……言ったのに」

「……行きたいところがあるから、バスを引っ張っちゃうんでしょう?」

「ないよ。どこにも行きたくない。来ないで」

「一人だと寂しいでしょう?」

「寂しくない。もう寂しくない。だから来ないで」

 小百合はまっすぐに彼女だけを見つめて前に進む。

「バス、引っ張っていくとみんな困っちゃうよ。話なら私が聞くから」

「止められないの。だから放って置いて」

 招福の守り袋に触れた黒い闇が悲鳴を上げ、ただの煙になる。守り袋は墨をこぼしたように、じんわり黒に染まっていく。

 それほど長く持ちそうもない。

「ねえ。こっちに来て。私の中に入れるかな」

「相変わらず、のんびりとした除霊だね」

 小百合が一歩、踏み出す……懐かしい声が聞こえたのは、そんなタイミングだった。

 

「久しぶり、小百合」


 声が聞こえた瞬間、小百合の足がとまる。

 息を呑み、恐る恐る振り返る。

「まさか……」

 小百合の場所からちょうど3つ向こうの席。そこに見覚えのあるくせ毛が揺れている。

 どれだけ漉いてもワックスを付けても、午後にはくるくるうねる自己主張の強い髪だった。

 仕事に行く時くらいは小綺麗に、と小百合が奮闘しても本人は知らぬ顔。

 そんな懐かしい髪が、すぐ目の前で揺れている。

「……まさか」

 赤いベロアの椅子から伸びる、黒いズボンに見覚えがある。

 少し汚れたシューズも、何が入っているのかわからない大きなカバンも。つまみ食い用のお菓子が詰まって膨らんだポケットも。

「誠一郎さん?」

 葛城誠一郎。

 悪霊の巣食う闇の中に、ずっと待ち望んでいた人がいた。

 彼は痩せ気味で背の高い男だ。しかし猫背で姿勢が悪いせいか、いつも少し背が低く見えた。

「本当に? 本物の? これまでどこに」

 洋服にこだわりがないせいで、いつも皺だらけだった。

「ずっと、ずっと待ってたんだよ」

 眉は常に下がり気味。そのせいでいつも困り顔に見える人だった。 

「私、誠一郎さんの代わりに、頑張って……いっぱい除霊して」

 そして大きな手のひら、長い指。

 差し出された手のひらに、小百合はまるで吸い込まれるように手を伸ばす。

 大きくてあたたかくて少し乾いた、その手にいつも小百合は引っ張られてきた。幼い頃の記憶は消え失せたが、この手のことだけは覚えている。

 この手に引っ張られて、小百合は歩いてきたのだ。

「誠一郎さん」

 足を動かそうとすると膝が笑い、まっすぐ前に進めない。

「どこに行ってたの? これまで……」

 話したいことは山のようにある。これまでの除霊の話、ケンタの話。しかし言葉が詰まって何も出てこない。

「誠一郎さん、なんで、ここにいるの?」

「会いに来るって約束しただろう?」

「まだ早いよ」

 昔は顔にシワひとつなかったのに、最近はシワが増えた……なんて小百合に愚痴を言っていた。そのシワを深くして彼は笑う。

「いいことだろう?」

 胸が詰まっても、涙は出てこない。ここで泣いて飛びつけたら完璧だったのに。などと小百合は思う。

 その悔しさを笑顔でごまかして小百合は振り返る。

「あのね、えっとね、今はケンタっていう子と一緒に……ねえねえ、ケンタ、この人が」

 しかしそこには、なにもない。ただ灰色の床が広がるだけだ。足元に絡む暖かさも、文句を言う声もそこにはない。

「……ケンタ?」

「ああ。小百合、ついたよ」

 かたん、と音をたててバスが停まった。誠一郎は何でもない顔をして、ゆっくり立ち上がる。

 彼は悪霊など見えてもいない顔で、降車口に向かって歩きはじめた。

「待って誠一郎さん。ケンタがいないの、ケンタを探さなきゃ。それに、バスの子の除霊を……」

「なぜ? 小百合とせっかく会えたのに? 旅の話も、これまでのことも……話をしよう」

 バスの扉がゆっくり開き、誠一郎は外へと足を進めた。赤錆びたバス停留所のマークが見える。そこに刻まれた文字は、昔二人で暮らした遠い街の名前に似ている。

「おいで、小百合。仕事なんかより話をしよう」

 つられて階段を降りかけた小百合だが、ふとその足を止めた。

 くすんだ緑のステップの向こう、誠一郎の足が見える。大きな足なのに、走るのは苦手だった。幽霊を追いかける時、いつも誠一郎は息を乱して走っていた。

 足の早い幽霊相手でも、彼は必死に追いかけたものだ。途中で諦めるなんて、一度だってなかった。

(……誠一郎さん10カ条)

 思い出したのは、誠一郎が繰り返し言っていた10カ条。

 彼はまだ幼い小百合の前にノートを広げて、一つ一つ大切に文字を刻んだのだ。

 部屋の片付けよりも何よりも、仕事が一番大事。

 除霊中は目を開けておくこと。

 仕事は縁のものだから、受けられるうちに受けること。

 そして。

(仕事は投げ出さないこと)

 誠一郎はすでに外に降り立っている。彼は2年前と変わらない笑顔で小百合に向かって手を広げていた。

「誠一郎さん……私ね、除霊、頑張ったの」

 小百合は足を止め、目前の男にいう。しかし男は目を細めただけだ。

「……そうか」

 小百合の言葉を聞いても、ただ微笑みを浮かべるだけ。

「2年、頑張ったんだ」

「そうか」

「……誠一郎さんじゃ、ない」

 小百合が呟いた瞬間、目の前の男の顔がぐにゃりと歪んだ。黒い渦が身体から溢れ、けたたましい笑い声に変わる。


「小百合! 目を開けろ!」


「……!」

 ケンタの声が響き、小百合の目がはっと開く。次の瞬間、小百合の喉がひゅっと鳴った。

 ……頬に風、足元は空虚。

 小百合は動くバスの窓枠に手をかけて、飛び出そうとしているところだった。

 バスは商店街の裏通りを西に向かって進む、進む。前のめりとなった小百合の服をケンタが引っ張っていた。

 ひやりと冷たい風が小百合の髪を舞い上げ、目前すれすれのところを電柱が通り過ぎていく。

「……ケンタ!」

 ケンタに思い切り後ろに引っ張られ、小百合は床に尻もちをついた。痛みはない。ただ一気に汗がふきだして、全身が震えた。

「お前、ぼうっとしたと思ったらいきなり窓から飛び降りようと……」

「ケンタ、聞いて! いま、誠一郎さんが」

「誠一郎が!?」

 ケンタは激しく吠えて、小百合の足を何度も踏みつける。

「誠一郎さんが」

「は!? いるわけがない! 悪霊は人を騙すんだ。しっかりしろ!」

「だって」

 振り返っても、そこにあるのは夕闇に包まれたバスの車内だけだ。ぐずぐずの茜色に染まる赤いベロアの椅子。揺れる手すりに、鈍く輝く銀の網棚。

「……そこに……そこ……」

 椅子に座るのは、ぼんやりとした黒い影。

「誠一郎さんが」

 そうだ。誠一郎は、どこにもいない。

 

「本当に、この子は騙されやすい」

「全部忘れて呑気なものだ」

「なんでそんなにのんきなの? あの男に習わなかったの?」


 くすくすと、車内に笑い声が広がった。もうずっと昔から聞こえてきた悪霊の声だ。未練と憎しみだけで構成された彼らは悪意で人を騙す。

 彼らは人の心に平気で忍び込むのだ。相手のことなどすべてお見通しで、聞きたくない言葉を選んで投げかけてくる。

 そうして人間の心を揺さぶる。だから悪霊の言葉に耳を貸してはならない。

 小百合は呆然と、その闇を見つめる。

 一度、悪霊に耳を貸してしまえば、彼らは相手の心の奥まで踏み荒らす。だから悪霊の言葉を、聞いてはいけない。目を合わせてもいけない。触れ合ってもいけない。

 それは除霊師の、基礎の基礎。

「駄目!」

 奥に座る少女が目を見開いて叫ぶ。細い手が小百合に伸ばされるが、その前に黒い影が小百合に触れた。

 それは一瞬の出来事である。

 

「お父さん、死んじゃったことも忘れて、呑気な小百合」


 黒く冷たい手が小百合の奥深く、魂のどこかに、とん。と触れる。

(……死?) 

 悪霊の放つ言葉が小百合の中でゆっくりと響いた。

 エコーのようなその声を一つの言葉として理解するまで、何秒かかっただろうか。

 頭に浮かんできたのは手紙、誠一郎の文字、雑誌に載った誠一郎の笑顔。

 しかし、本物の誠一郎の姿を最後に見たのは2年前。

(ああ、あれも、バスだ)

 膝から崩れ落ちながら、思い出したのは2年前の風景。

(……このバスだ)

 夕暮れになると迷子になるバスの依頼。そんな話が誠一郎のもとに飛び込んできたのは小百合の誕生日。

 誕生日くらいゆっくりしたいのに。などと文句を言ったことを覚えている。それでも誠一郎と足を運んだのはこの町で……このバスだ。夕日にバスが染まっていたのを覚えている。

 何がどうなったのか、詳しくは覚えていない。ただ、目の前で誠一郎が倒れた。彼が小百合の前で倒れるのは初めてのことだった。黒い渦が誠一郎を襲ったのだ。

 小百合は冷たくなっていく誠一郎を庇い、そして。

「小百合。思い出した? 幽霊の味」

 口の中に溢れたのは煤の苦い味わい。どろりとした粘土のような黒い塊が喉の奥に滑り込む。

 小百合は張り付くような喉をぐっと押さえる。

 口の端からぼろぼろと、黒い何かがこぼれ落ちた。手のひらで受け止めれば……それは黒いヘドロのように、粘つく液体。

(幽霊の、味)

 それはどんな食べ物よりも重く、冷たく、悲しい味だ。食べても、食べても、むなしくなるような味だった。

 ……そうだ。小百合は悪霊を『食べて』除霊した。

「そこの犬でも知ってることなのに、何も知らないなんて」

「可愛そうな小百合」

「小百合!」

 口を手で覆う小百合の前でケンタが吠える。彼の鋭い牙が悪霊の身体を引き裂いて、煤ごと地面に叩きつける。

「……悪霊風情が、あれこれ口出してくるんじゃねえよ」

 は、は、はとケンタの吐く息だけが低く響く。地面にすりつぶすように押し付けられた黒い影は笑いながら消えた。

 奥に座る少女は何かもの言いたげに顔を歪ませ、泣くのをこらえるように消えていく。

 バスはゆっくりと動きを止めて、運転手がハンドルに向かって倒れるのが見えた。

 先程まで闇に覆われていたバスの車内は今、茜色に輝いている。

 夕暮れの色も、バスの床の模様も、バスの座席の形も……すべて小百合は覚えている。

 2年前、この床に誠一郎が倒れていた。その風景を小百合は覚えている。

 一度思い出せば記憶が一気に溢れた。

(……誠一郎さん……が)

 それは2年前の記憶だ。抜け落ちていた記憶が渦を巻いて小百合を襲い、体が震える。

(ここで倒れて)

 口の中に悪霊の味が蘇る。小百合は誠一郎の身体を覆う闇を掴んで引き離し……夢中に噛みつき飲みこんだ。

(助けようと思って、それで)

 その時の小百合はただの化け物だった。色を失っていく誠一郎の瞳に、小百合の姿が映っていた。

 口と手を真っ黒にして、まるで獣のように悪霊を飲み込む小百合の姿だ。

 闇の味を思い出し、小百合はその場に座り込む。

(食べた)

 ……なぜ食べたのか、理由は思い出せない。なぜ忘れていたのか、それも思い出せない。

 むき出しになった膝がバスの地面を擦るが、痛みは何も感じない。

 口を開いても声が出ない。まるで呼吸ができないように何度も息を吸い込み、胸を押さえる。

「小百合! 息をしろ!」

 ケンタが鼻先を小百合に押し付けて叫ぶが、小百合にはその温度が少しも伝わってこない。

「ケンタ」

 ようやく吐き出せたのは、その一言。

「……ケンタ、誠一郎さんは死んだの?」

「小百合、それは……」

 目も頬も乾いたままだ。これほど胸が押しつぶされているのに、涙は一滴もこぼれない。おそらく2年前も、小百合は泣いてなどいないはずだ。

 小百合は物心ついたときから、涙が流せない。

「聞け小百合」

 ケンタの足が小百合の足に触れる。それは彼が何かをごまかすときの仕草だった。

「まずは帰ろう。家に戻って、一回寝て、そして落ち着いてから」

「……ごまかさないで。ケンタ、知ってるの、なんで」

 ケンタは情けない顔をして、小百合から目をそらした。

「落ち着け。とりあえず……」

「ねえ、ケンタ。ちゃんと、私の話、聞いてよ!」

 ケンタの体を掴むと、きゃん、と彼の口から高い声が響いた。

 初めて聞く、犬のような声に小百合は戸惑う。ケンタの首輪を掴んで引き寄せ、彼の顔を覗き込む。

「ケンタ、こんな時にふざけてないで」

 しかし、揺すっても怒ってもケンタの口から漏れるのは低い犬の声だ。必死に何かを叫ぶその声は、小百合の耳に入っても犬の声のまま。

 あれほど犬のマネを嫌う彼が、犬の鳴き声を発している。

「ケンタ……?」

「小百合ちゃん!」

 叫んだ瞬間、小百合の肩を誰かの熱い手が掴んだ。



 しんしんと、甘い香の匂いがする。それは香木をじっくりと焚き染めた香りだ。悪霊を祓い、霊魂を正しい場所に導く甘い、甘い香り。

 小百合はその香りが好きだった。お香好きなんて変わってる……などと誠一郎にはからかわれたが、多分それはジンクスなのだ。

 お香の匂いに包まれているとよく眠れる。除霊がうまくいく。それは昔、招福が小百合にかけたおまじない。

 しかし、そのおまじないも今は効力を発揮しない。

「……招福さん、なんでここに」

「あなたの乗ったバスが動き出したと連絡が」

 振り返ると、思った通りの男がそこにいる……招福だ。

 彼は相変わらずシワひとつない袈裟姿。腕に巻いた数珠が清らかな音をたて、バスの中に残っていた小さな黒いシミはそれだけで消えてしまう。

 どれだけ熱くても汗一つ流さない彼の顔に、一筋の汗が流れていた。

 息など乱したこともない彼の口から、荒れた息が溢れていた。

「小百合ちゃん、顔が真っ青です」

「誠一郎さんは、死んだの?」

「……少し休みましょう」

「こたえて」

 招福の顔に珍しく動揺が浮かんだ。

 小百合は呆然と、床に座り込んだまま周囲を見る。

 悪霊はすっかり消えていた。乗客は誰もいない、空っぽのバス。運転手だけが悪夢でも見ているように、運転席で小さなうめき声をあげている。

 日は暮れて、バスの中も外も暗い。

 ただ、小百合の身体だけが動かない。

「答えて、招福さん」

 小百合の顔色を見て、何かを悟ったのだろう。彼は小百合の腕を引っ張り、椅子に座らせる。

 ケンタが不安そうな顔をして、小百合の膝に、顎を乗せた。

 ……まるで犬のようだ。恐る恐るその頭をなでても、もう文句の一つも返ってこない。ただ、犬らしく尻尾を振るだけ。

 もしかすると彼は本当に犬だったのかもしれない。言葉は全て幻だったのかもしれない。そう考えて、小百合の手が震えた。

 この一年の記憶がぐちゃぐちゃに潰され崩れていく、そんな気がする。

「小百合ちゃん、話を聞けますか? 今度にしますか?」

「……今」

「小百合ちゃん」

「今、今がいい。今、聴きたい。お願い招福さん、今……」

 招福の手が小百合の背を撫でる。昔もこうして彼に背を撫でられたことを、小百合は思いだす。

(はじめて、悪霊を見た日だ)

 悪霊を前にして、小百合が動けなくなった日。駆けつけた招福が、あの日もこうして背を撫でてくれた。

 たしか中学生三年生の時だ。

 この時、初めて小百合は悪霊を見たのである。それまでは誠一郎が小百合を悪霊から遠ざけていた……小百合は誠一郎にずっと守られていた。

 招福や誠一郎が小百合の体に触れるのは、悪霊を祓うためである。

 小百合は昔から小さな悪霊に付きまとわれやすい。二人はさり気なく、小百合に触れて小さな穢れを落としてくれた。

「息を吸って……そう」

「……」

 小さな子供にするように、招福が優しくささやく。

 息を吸い込むと、ぬるい空気が身体に満ち溢れる。夏のはずなのに、身体が芯から冷えて、ちっとも温まらない。

「招福さん」


「誠一郎さんは、死にました」


 招福の手から清らかな数珠の音が響く。

「2年前、小百合ちゃんの誕生日の夜に」

 招福はゆるりと、語り始めた。意識しているのか無意識なのか、その声はまるで説法のようだ。静かで柔らかい。

 それでも小百合はその言葉を理解するのに数秒を要した。

 音としては聞こえてくるのに、心が言葉を拒否しようとするのだ。

「除霊は危険な仕事です。何度も言うように……命は命を引き込みやすい。除霊師は引き込まれやすい。誠一郎さんのような人でさえも」

 連絡を受けて病院についた招福が、誠一郎と話せたのはたった数分だけ。と、彼は語る。

「小百合ちゃんには、20歳まで何が起きたか伏せること、これが絶対の条件です」

「だって、20歳の誕生日、帰ってくるって。手紙も毎月」

 言い返そうとして、小百合は唇を噛みしめる。

 誠一郎は死んだのだ。招福の言葉がゆるゆると、水のように小百合の中に満ちていく。

 それは苦い味だった。

「誠一郎さんは最期まで、小百合ちゃんの心配を」

「帰ってくるって、だって、誠一郎さん」

「……息を吸って」

 赤ん坊にするように触れる指先が今はもどかしい。招福の着物を掴み、小百合は何度も息を吐く。

 どろどろとした感情が喉の奥に詰まっている。叫びたいのに動けない。耳も目もノイズが掛かったように、世界が雑音に満ちている。

 今、小百合の見える世界には色も匂いも綺麗な音もない。

 誠一郎の居ない世界に美しいものなど、なにもない。

「なんで誠一郎さん、こんなところで……こんな」

 死んだのか。その一言は小百合の喉に張り付いたように出てこない。

「誠一郎さんはずっと昔から、悪霊相手の仕事を受け続けてきました。もちろん密かに、私や小百合ちゃんには何も言わず……その時のためのパートナーまで作って」

 招福が悔しそうに、呟く。

「パートナーが誰なのかは、最期まで教えてくれませんでした。その人と二人で悪霊相手の危険な仕事を引き受けて、疲れも蓄積していたんです、だから……ここの除霊でミスをした」

「……2年だよ、2年、なんで私、何も覚えてないの」

 小百合の頭の奥底には、見えない黒い箱がある。

 昔から不思議だったのだ。小百合は小学校以前の記憶がない。気がつけば誠一郎と暮らし、除霊の仕事をはじめていた。

 皆が語る幼稚園の思い出がないこと、母親がいないこと。不思議ではあったが気にはしなかった。誠一郎がそばに居たからだ。

 記憶喪失は除霊師の常だと、誠一郎にそう教えられていた。

 悪霊に触れ合うからこそ、除霊師は記憶が曖昧になりやすい……だから2年前の8月16日の記憶が曖昧でも、小百合は気にもしなかった。

「ずっと、誠一郎さんが帰ってくるって、私、そう信じて」

 2年、小百合は誠一郎の死を知らず、ただ無邪気に彼の帰りを待ち続けたのだ。

「……誠一郎さんがあなたの記憶を、取ってしまったから」

 招福がせつなくつぶやき、小百合の額に触れる。

「見たものも、感じたことも……その時の味も全て」

「それなら、除霊の力まで持っていけばよかったのに」

 もがくようなうめき声が運転席から聞こえ、招福が立ち上がった。

 招福はまじない言葉のようなことを囁いて運転手の背を叩く。

 そして招福は小百合の手をとってバスを降りた。

 そこは幻の街でもなんでもない。商店街の入口、アパートのすぐそばだ。

「ケンタ」

 リードを引っ張ればケンタは素直にしっぽをふる。こんなに犬らしい彼をみるのははじめてのことだった。

 ……そもそも、彼と会話ができていた事自体が、幻だったのかもしれない。

「小百合ちゃん?」

「私、実はね。ケンタと会話ができてた……本当だよ」

 ケンタの背を撫で、首に抱きついても彼の口から小言はこぼれない。今、誰よりも聞きたい「お嬢さん」の言葉が聞こえない。

 これも誠一郎の魔法なら、なんてひどい父なのだろうと小百合は初めて誠一郎を恨んだ。

 商店街の巨大な看板の下、蝋燭を手にした老人たちがゆっくりと歩いていく。迎え火の練習だ。

 目覚めたバスはゆらゆらと人々の間を駆け抜けて、やがて消えていく。

「……本当は誕生日の日にお伝えするつもりだったんですが」

 静寂の中、招福はメモ帳に鉛筆を走らせた。はたはたと水の音が聞こえる。それは招福の涙の音だ。

 一度も動揺など見せたことのないこの男が、きれいな涙を静かにこぼしている。

「生前の誠一郎さんに頼まれていました。小百合ちゃんが20歳の誕生日を迎える時……もし誠一郎さんが消えていたら……小百合ちゃんに……ここに行くようにと」

 彼が差し出したのは一枚の地図。そこに招福は目的地のマークを書き込んだ。それは小百合の家から西方、複雑な細道が折り重なるような袋小路の奥。

 地図の上に彼は一つの鍵を乗せる。鈍い銀色に輝く小さな鍵は受け取るとずしりと重かった。

「ここは?」

「行けばわかる、とのことです」

 涙を流す招福を小百合は羨ましく思う。

「……小百合ちゃん、たまには自分の食べたいものを、食べて……ゆっくりしてください。バスの件は私に任せて」

 小百合はこんなに震えていても、泣くことさえできないのである。



「私、何が食べたいんだろう?」

 送るという招福の言葉を断って、小百合は暗がりの道を進む。

 近くの住宅からは妙に明るいコマーシャルソングが流れてくる。

 ちょうど夕ご飯の時なのだろう。様々な匂いや音が暗闇の道の上に混じり合う。

 世の中は小百合のショックなど気づきもせずに、いつもと同じ日常が繰り返されている。

(一滴も、涙が出ない)

 心はことりとも動かない。まるで固くこわばってしまったようだ。

「小百合」

 六ツ角のまがりみち。通り過ぎようとした小百合を呼び止める声がある。

 赤い着物がふわりと揺れた。欠けた六ツ角地蔵の身体の上、浮かぶのは着物さんだ。彼女はあいかわらずひょうひょうと、小百合の前を飛ぶ。

 自由な彼女は不思議そうに首をかしげ、小百合を見た。

「どうした。元気がないな……そこの幽霊が小百合に助けを求めてるので助けてほしくて声をかけたんだが……」

 彼女がさしむけた指の向こう、しょんぼりと肩を落とした女性の幽霊が立っていた。

 せつなそうに宙を見上げる幽霊だ。物想う彼女の身体には、雨が降っているように見える。

 手を伸ばしかけた小百合だが、やがてその手を強く握りしめた。

「ごめん、今は無理なの」

「小百合?」

「……ごめん」

 着物さんの返答を待たず、小百合は駆け出す。胸が締め付けられるようだ。息が詰まって、苦しい。

 部屋に駆け込むと、布団に沈み込む。朝の匂いがそこらに残っている。しかし小百合はもう、今朝の小百合ではない。

 ポケットから転がり落ちた鍵がカンカンと音を立てて床に転がる。招福の涙の跡が残るメモ帳が宙を舞う。振り返れば、ケンタは犬のように尾を振って犬のような声を上げる。

 今、見聞きしたものは幻でもなんでもない。すべて、現実だと小百合は呆然と天井を見上げる。

「これが、怖いってことなんだ」

 震える体を抱きしめ、小百合ははじめてその感情の名前を知った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ