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底辺冒険者なんて言われてますけど実は元最強勇者です  作者: CLOWN888v
1章 湖の騎士ランスロットの反乱
19/82

個人指導No.3パーシヴァル・ラインハルト

3人目 パーシヴァル・ラインハルト

通称純粋の騎士と呼ばれてる

こいつに関してはオレが騎士団にいるときにはいなかったので見て感じたことになる

見た目は短めの金に近いオレンジ色の髪に金色の瞳、雰囲気は明るく、真面目な印象を受ける

そして純粋の騎士と呼ばれる所以だろう、見ただけで騎士としての自信を感じ取れる、それは悪い感じではなくいい感じの洗練された自信だ

だが見た目も雰囲気もずっと昔、ロードになる前、純粋に世界を見れていた頃の自分と重なって少し苦い気持ちになる

年齢は20代前半だろう


「今回はご指導いただけるということでありがとうございます!」

 パーシヴァルは律儀に頭を下げてお礼を言う

「そんなにかしこまらなくていい、あと悪いがオレはお前とは昨日が初対面だから戦闘のスタイルがわからない、軽く説明をもらってもいいか?」

「はい!自分は攻守ともに均等に鍛えています、魔法も補助系の魔法なら少し使えます、攻撃魔法も練習はしているのですがそれに関してはまだ実戦に使えるほどではないです」

「ほぉ、魔法もか、勤勉だな」

「はい!自分が目指しているのはアーサー様のような最強の騎士です!それには努力が必要ですから」

「……そうか、頑張れよ」

 オレは真っ直ぐに尊敬の眼差しを向けてくるパーシヴァルに罪悪感を感じて少し目をそらしてしまった

 オレはそんな真っ直ぐに目標にされるほどできた人間じゃないからだ

「?はい!」

 パーシヴァルは少し不思議そうにしたが真っ直ぐに返事を返してきた

「あ、武器は普通のロングソードで盾は右腕にラウンドシールドを付けています」

「見たときから思っていたが左利きか?」

「あ、はい!」

 パーシヴァルは剣を右側に差していたのでなんとなく気づいていたがどうやら左利きのようだ

「そうか、説明ありがとう、じゃあ剣を抜いてくれ、組み手で長所と短所を見てそこを指摘するからそのあとは自己鍛練で直していってもらう」

「アーサー様直々に手合わせしていただけるのですか!」

 パーシヴァルは嬉しそうに言う

「まぁそういうことになるが、喜んでないで本気で死ぬ気でかかってこいよ、そうしなきゃ死ぬことになるぞ」

「っ!わかりました!」

 パーシヴァルはすぐに真剣になり剣を抜いた

「よしっ、かかってこい!」

 オレの言葉を合図にパーシヴァルが動いた

「エンハンス!シュネリヒカイト」

 パーシヴァルは初動と同時にスピードを上げる補助魔法を自身にかける

 そこから一瞬で間合いを詰めて横に剣を振るための溜めの動作をする

 オレはエクスカリバーですぐにガードの姿勢をとるが剣による斬撃は飛んでこなかった

「てやっ!」

 パーシヴァルの剣を振るう動作はフェイントだった、パーシヴァルは剣を止めるとかがんで足払いを仕掛けてきた

 途中でフェイントだと気付いたオレはジャンプして避ける

「まじかっ」

 パーシヴァルはフェイントを見破られて避けられたことに少し動揺を見せた

ドッ

「かはっ」

 パーシヴァルがかがんだ状態から体勢を戻す前に腹に蹴りをいれる

体格でいえば軽量級のパーシヴァルは軽く吹き飛び壁にぶつかる

「動揺するな!隙が出来るぞ!」

「っ!はい!エンハンス!クラフト!」

 今度はパワーを上げる魔法をかけて横から飛びかかってきて真っ直ぐに剣を振り下ろす

 オレはエクスカリバーを斜めに構えて真っ直ぐに振り下ろされた剣を受け流す

「っ!」

 受け流したことでパワーを上げての一撃だがほとんど勢いは殺された

「だから動揺をするな!!」

 オレは剣の柄で背中を殴り付ける

「いっ、エ、エンハンス!」

 床に叩きつけられたパーシヴァルは一瞬うめき声を上げたあとにまたエンハンスをかけようとする

「遅いぞ」

 オレは魔法を唱えられる前にもう一度蹴り飛ばした

ガシャン!と壁に打ち付けられる

「げほっ、げほ」

 さすがに何度も体を床や壁にぶつかったせいでパーシヴァルは咳き込む

「こんなんじゃオレを越えられないぞ!最初の二人はオレに一撃はいれている、諦めるのか!」

 二人はオレに一撃を入れたという言葉にパーシヴァルは反応した

「あ、諦めません!!」

 パーシヴァルはなんとか立ち上がると剣を構えて向かってきた

「同じ攻撃は効かないぞ!」

 オレはエクスカリバーを構えて叫ぶ

 その瞬間両手で構えていたロングソードを右手だけで持ち左手をオレに向けて叫ぶ

「フラッシュ!!」

 パーシヴァルの手元が閃光を放つ

 目が眩み片手で目元を隠す

 その瞬間だった

「うぁあぁぁぁ!!」

 パーシヴァルはロングソードを両手に戻してオレの真上から一撃を放った

キィン!

 間一髪オレは体勢を変えて剣での一撃を避ける、だが避けきれずに鎧に一筋の切れ目が入った

「ここまでだ!」

 オレはパーシヴァルの肩を押さえて言う

「くそっ!」

 パーシヴァルは悔しそうに床を叩く

「悔しがる必要はないぞ」

「しかしっ!自分は一撃も入れられませんでした……」

「よく見ろ、鎧に切り込みも入ってるし何よりこれだ」

「っ!それは……」

「そう、オレは最後の攻撃を避けきれずに髪を少しだが斬られている、何よりほかのやつは助言ありでの一撃だがお前は自分で考えた戦法でオレに一撃いれた、誇っていい」

「っ!ありがとうございます!」

「じゃあ長所と短所を指摘するからよく聞いてくれ」

「はいっ!」

「まず長所だがフェイントを入れたりエンハンスを使ったり戦法が豊富だったところだな、あとはしっかり攻守ともに訓練を欠かさずにしていることがわかるぐらい基礎はできていた、だが短所は自身の戦略が通らなかったときに動揺で一瞬動きが鈍るところと、覚えたことを使ってみたいんだろうがエンハンスに頼りすぎだ、補助魔法を使えるのはすごいが敵から距離を取ってからかけるべきだな、敵の真近くで呪文なんか唱えてたら格好の的だぞ」

「はい……」

「あとは少し粗があったがまだ若いから色々経験が他のやつより浅いからだろうからこれから戦闘を重ねればその部分はカバーできるだろう、これからの鍛練は今までどおり基礎訓練はもちろんだが自分の戦略が通らなかったとき動揺をしないようにと、その場の敵との距離などを考えてから魔法を使うようにする、あと補助魔法を使って戦うならもう少し二重がけするなどで基礎をアップしたほうがいいな、練習すれば二重にかけるのは意外と難しくない、他のやつの個人指導が終わってからなら聞きに来ればコツなんかを教えてやる」

「いいんですか!」

 パーシヴァルの目が輝く

「ああ、時間があるときだけどな、っていうことでいま言ったことを重点的に鍛練してくれ、じゃあオレは次に行く」

「はい!ありがとうございます!」

「あと、最後のフラッシュからの一撃はすごい良かったぞ、オレでさえ予測しきれなかった、証拠にさっきも言ったが少し髪も切れたしな、そこまで魔法も使えるならまだまだ伸び代はある、頑張れよ」

 そう言ってオレはパーシヴァルの頭を軽く撫でて髪をくしゃくしゃにした

「頑張ります!!」

 嬉しそうなパーシヴァルを置いて訓練所を後にした



「戦いかたも含めて昔のオレみたいだったな、あいつ、パーシヴァルか……憧れてくれるのは嬉しいがオレみたいにはなるなよ、ならないほうがいい……」

 オレは訓練所をでてからボソッと独り言を言った

 それから鎧を着替えて次の相手を考えながら複雑な気持ちで訓練所の廊下を歩いた

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