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底辺冒険者なんて言われてますけど実は元最強勇者です  作者: CLOWN888v
1章 湖の騎士ランスロットの反乱
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個人指導No.1ペリノア・ベルンハルト

1人目 ペリノア・ベルンハルト

通称大熊と呼ばれるほど体格がよく完璧なパワータイプ

見た目は髪は黒に近い茶髪を短く刈り上げている、瞳の色は黒

性格は自身の力に自信がある、悪く言えば傲慢だが忠誠心は高い

オレがいたときは41歳とアカツキでは最年長だった


「えー、じゃあまずなんだが、なぜ最初にお前を選んだかわかるか?」

 オレはペリノアに問う

「……やはり先日の失態のせいでしょうか?」

「そうだ、まぁ失態というかオレがいた頃も何度も言ったがすぐに敵を自分より格下だと見下す、その傲慢さは直ってないみたいだな、グリフのときも一撃目を入れたあとに気を抜いてやられた」

「返す言葉もありません」

 ペリノアも流石に反省しているようだ

「反省してるみたいだし終わったことをこれ以上とやかく言ってもあれだからな、まぁ理由を言ったところで指導を始めるか」

 そう言ってオレは剣を抜く

「個人指導とは剣を使った組み手ですか?」

「まぁ、そんなとこだな、実際に手合わせして長所と短所を見る、それが一番早いからな、ただ普通の組み手だと思って気を抜くなよ?本気で死ぬ気でかかってこい、負けは死に繋がると思え」

威圧感を込めて言う

「っ!わかりました!」

 オレの言葉に呼応するようにペリノアが集中力を高めていく

「よしっ、そのいきだ、じゃあ構えろ!」

 オレは抜いた剣を構える

「はい!!」

 ペリノアは背中にベルトで固定して背負っているツヴァイヘンダーをベルトを外して抜き片手で構える

 ツヴァイヘンダーは基本的に両手で扱うものだがペリノアはその体格を活かして片手で扱う

「打ち込んでこい!!」

 その言葉を合図にペリノアがオレとの間合いを詰めてツヴァイヘンダーを振り下ろす

 ドゴォンと音がしてツヴァイヘンダーが床にあたる

 この訓練所はアカツキも使用するので並大抵のことでは壊れないように強固に造られている、更にマーリンによって強化魔法もかけられているので余程のことがない限り壊れないだろう

「パワーがあるからと一撃で決めようとしすぎだ!毎回初手に力任せに振り下ろすだけでは勝てないぞ!もっと頭を使え!!」

 オレはツヴァイヘンダーの一撃を避けてから叫ぶ

「っ!はい!」

 ペリノアは振り下ろしたツヴァイヘンダーを持ち上げてもう一度斬りかかろうとする

「初動からの次への動きが遅いぞ!」

 オレはツヴァイヘンダーを持ち上げてがら空きの腹部に蹴りを入れる

「ぐっ!」

ペリノアの巨体が揺らぐ

「お前はツヴァイヘンダーを片手で使えるんだ、もう片方の手を防御に使えるだろ!」

 叫んでからもう一度蹴りを入れようとする

ガキィン!

 ペリノアは空いている左手の鎧で蹴りをガードする

 オレは蹴りをガードされた勢いを使ってバク転して距離をとる

 流石にアカツキだけあって飲み込みが早い

「相手がよろけて距離を取ったら攻めろ!」

 ペリノアは距離を積め片手でツヴァイヘンダーを横に振る

ギィン!

 オレは通常のサイズの剣であるエクスカリバーで大剣であるツヴァイヘンダーの全力の斬撃を止める

 そのまま剣を弾いてからさらに言う

「ツヴァイヘンダーは両手持ちの剣だ!相手に隙ができたら両手で振ることも頭にいれろ!そのほうが速度も威力もあがる、片手と両手をうまく使い分けろ!」

 ペリノアは弾かれた剣をなんとか立て直し下から斜めに斬り上げる

 オレは半歩下がって避ける

「攻撃が一辺倒だぞ!パワーを更にのせるなら回転をかけて遠心力でさらにパワーを上げろ!」

「っ!はぁっ!」

 斜めに斬り上げられた刀身をペリノアはそのまま両手持ちに代えて斜めに回転をかけながらオレ目掛けて叩きつける

バゴォ!!

 両手持ちプラス遠心力でさらに上げられたパワーで床に剣は叩きつけられあまりの勢いに空間が揺れる

 そのまま次の行動に移ろうとしてペリノアは顔を歪ませる

「なぜまたっ!」

 理由は簡単だ、床に叩きつけられたツヴァイヘンダーをオレが踏んで動かせなくしたのだ、所謂前回のグリフとの戦いと同じ状況だ

「そこで動きを止めるな!動けないのはどちらも同じ、騎士だから剣で戦うという固定概念を捨てろ!お前のパワーならこの状態を切り抜ける方法はある!自分で考えて動け!」

 オレは叫びながら剣を振り上げる

 その少しの間、一瞬ペリノアは考えると剣を自分の方に引っ張るようにして手から離した

 いきなり持っていた剣を手放され押さえていた足がぐらつき前に少し倒れこむ

「ぬぅあぁぁぁぁ!!」

 そこにペリノアは全力を込めた拳をオレの腹に叩き込んだ

ドッ!!

 その一撃は風圧がオレの後ろまでいくほどだった、そのすごい衝撃がオレを襲う、少しぐらついたがそのまま少し距離を取る、その間にペリノアはツヴァイヘンダーを拾い臨戦態勢をとる

「ここまでだ!」

オレが止める

「よくやったな、正解だ、気を抜いていいぞ」

「はぁ、はあっ、はぁ」

 そう言葉をかけるとペリノアはドサッと床に腰を降ろした

 よほど真剣に気をはっていたのだろう息切れをして大粒の汗を流している

「悪いが次があるからそのまま休みながら聞いてくれ」

「は、はいっ」

「まず長所はその圧倒的なパワーだ、だがそれに頼って攻撃が一辺倒になっている、これからの鍛練内容だが戦闘中に言ったとおりだ、攻撃は一辺倒にならないように、初手に大振りだけじゃなく頭を使え、空いている片手を防御に使ったり相手に隙ができれば両手でツヴァイヘンダーを振るう、両手と片手をうまく使い分けろ、あと最後の剣を捨てての打撃は正解だ、騎士だからと剣に頼りがちになるから剣を封じられると諦めてしまう、だがお前はずば抜けたパワーがあるから打撃だけでも十分攻撃になる、見てみろ、打撃に対する防御魔法を即座に腹の部分にかけたが1枚だけでは貫通して鎧まで攻撃が通っている」

 今は平等性を持たせるためにいつもの愛用の金色の鎧ではなく普通の鉄の鎧を着ていたが即座に殴られた部分に防御魔法をかけたにも関わらず鉄の鎧の腹の部分には拳の跡が残っていた

「床もそうだ、遠心力を付けて両手で全力で斬りかかってきた場所見てみろ」

「……っ!これは!」

「床がすこしかけてるだろ?この訓練所はマーリンの防御魔法もかかっているのにだ、条件によってそれだけのパワーが引き出せるってことだ、だから今言ったこととさらに力の引き出しかたを鍛練すればさらに強くなれる、あとはそうだな……ツヴァイヘンダーをロープで自分と繋げろ、そうすれば剣を離したあと紐を引っ張れば直ぐに手元に戻すことができる、もしもの時のために短剣でも持ってれば切り離すこともできる、いや、お前の力なら鎖で繋いでしまうのも手かもしれないな、繋いだ鎖でツヴァイヘンダーを振り回せば防御にも攻撃にもなる、もしもの時に短剣で切り離せないがお前の怪力なら鎖でも引きちぎれるだろう、まあそこらへんは自分で考えて自分に合うスタイルを見つけろ」

「わかりました!」

「じゃあペリノア、お前への個人指導は終了だ、今伝えたことを反復して鍛練してくれ、頑張れば頑張るだけ強くなれる、気合い入れて鍛練に励んでくれ」

「はい!ありがとうございます!」

ペリノアは立ち上がり胸に手をあて敬礼した


「これぐらいで大丈夫か……次はあいつにしよう」

 オレはペリノアのいる訓練所をでると傷ついた鎧を着替えて次の個人指導に向かった

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