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底辺冒険者なんて言われてますけど実は元最強勇者です  作者: CLOWN888v
1章 湖の騎士ランスロットの反乱
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国民達への声明

「覚えているな?」

 グネヴィアの名前と死というワードで昔のことを思い出していると王がオレに聞いた

「もちろんです、忘れるわけがない、やはりそれが原因なのですね、しかしなぜ今になって?」

 あの事件の後はさらに魔王軍との戦いは激烈し、ランスロットとしっかり話し合うこともなくその2年後魔王を倒し、オレは勇者をやめた

 オレ自身もあの崖で起きたことは積極的に話すことはせず、なにか聞かれてもオレがグネヴィアを殺したのだとずっと言ってきた

 それが事実でありそれは自身への戒めでもあった

 だがあのときしっかりランスロットと対話していれば今回の反乱は防げたのかもしれない

「それがわからぬのだ、ランスロットは突然牢の見張りをしていた衛兵と牢の中にいたモルドレットを殺害し、自身の直属の部下だったルナ多数と直属ではないルナもかなりの数を連れて謀反を起こした」

「謀反を起こしたもの達の数はどれくらいなのでしょう?」

「10000人、といったところだろう」

「10000……それぐらいの数でしたらオレを呼ばなくてもアカツキがいればどうにかなるでしょう……他にもなにか起こっているのですね?」

 オレを少し考えて言う、ランスロットは昔から人望の厚いやつだったから10000というのは正直驚かなかった、しかしその人数だったら数の利もこちらにあるしアカツキもいる、その程度でオレが呼び出される訳がない、何かあるのだ、オレがいないといけない何かが

「察しがいいな、そうだ、10000という人数は問題ない、しかしここからなのだ、ここから先はこの場にいるアカツキしかまだ知らない、箝口令を引いてある、このあと予定しているランスロットの謀反の発表のときにも国民には伝えないつもりだ」

 ここまで情報を隠しているということはかなりまずい状態なのだろう

「……いったい何があったのです?」

 王は険しい顔で言った

「この謀反、マーリンがランスロット側に付いた」

「マーリンが!?ランスロットはわかります、オレのせいだ、しかしなぜマーリンが?」

 マーリン、それは王宮最高魔術師で魔術のオレの師匠だ

「……わからぬ、だがお主を呼んだ意味はわかったであろう?」

「はい、マーリンが付いたとなればアカツキとて荷が重いでしょう」

 これでわかった、レイクと名乗った奴等はあの方の占いと言った、それはマーリンが占いあの場にオレが来ることがわかっていたからこその待ち伏せだったのだろう

 あと、オレが呼ばれた理由もだ

「話がどんどん進み申し訳ないが、このあと国民にランスロットの謀反とその討伐をお主が任されたということを発表してほしい」

「……しかしランスロットが謀反したのはオレのせいでしょう」

 オレがちゃんと話さなかったから……

「だが王国に反旗を翻した今奴は敵だ、モルドレットは仕方ないとしてもその時に関係ない衛兵も殺している、国にも兵を送ってきている、それはもう見過ごせない領域だ、勇者であるお主が国民の前で宣言してくれれば国民も少しは安心するだろう、複雑な気持ちになるのはわかるがここはひとつ頼まれてくれ」

 王はそう言い頭を下げた

「……わかりました、ではオレが声明する準備をしてください、」

「悪いな、すぐに準備にかからせる」


 オレが声明する場はすぐに用意された、

 城の周りに国民が集められオレは城のバルコニーに出ていった

「なにがあるのかしら?」

「アーサー様だ!やはりあの事か?」

「お久しぶりに我らの前に顔を見せてくれたが相変わらず凛々しいお方だ」

 オレがバルコニーに立つと国民たちがざわついた

 オレは大声で話す

「国民達よ!久方ぶりに顔を見れ皆元気そうでオレは嬉しく思う!皆のなかで噂になっているであろうことだがランスロットの謀反は事実だ!ランスロットはヴァルトシュタイン王国に反旗を翻した!!」

「やっぱり!」

「ランスロット様が……」

「どうしたらいいんだ!」

 想像通り国民達は騒ぎ始めた

「ルナからも10000ほど謀反者がでた、だが安心してほしい!勇者アーサー・ヴァルトシュタインの名に懸けてこの国を守ると誓おう!!」

「10000も!だがあの方が言うと、」

「ああ、なぜが安心ができる」

「魔王軍との全面戦争のときだって国に被害を出さなかったじゃないか!」

「信じてもらえるだろうか?」

オレは最後に聞く

 国民達が叫ぶ

「当たり前です!」

「我らがアーサー様の言葉を信じない訳がない!」

「勇者様が言ってそれが破られたことがあったか?」

 国民達の反応が嬉しい反面辛かった、オレは誓ったのに守れなかったことがある、しかもそれが今の現状を作っている

 だがそれを表に出すわけにはいかなかった

「ありがとう……だが用心にこしたことはない、兵士の城下町の警備を強化する、必ず守る!オレからの声明は以上だ!ではまたこの国に平穏を戻したときまたこの場に立とう!」

 オレは国民達の歓声を浴びながらバルコニーをあとにした、逃げるように……

 本当はこんなことを言える立場ではないのだから、だがオレは腐っても勇者だ、自身の気持ちには蓋をしなければいけない、オレのせいだとしても

 ダメだ、気持ちがぶれている、グネヴィアのことを忘れたことはないがしっかり向き合うことになり揺れているのだろう、だがグネヴィアが愛したオレは勇者として国民を守るオレだ、国王の元に戻る前にもう一回気持ちを引き締めた

 そして王の前に戻ると開口一番言った

「今回の謀反はランスロットを後ろで操っている首謀者がいる」

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