♫249:倍強ですかーい(あるいは、香味焙煎/浮遊する塵芥)
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相手の「ダウト看破」にて評点を「2分の1」にされてしまった私だけれど、それでもまだ「40,000」がとこ、残ってはおる。そして、
対する「少年くん」が、ここでしょっぱいDEPを撃ち放ってしまったのなら。
「ダウト権」は使い切ってしまったは、「二敗目」を喫してしまったはで、ほぼほぼ勝ちの目は無くなると、言えるのではないだろうか。
会場を包む空気はまだ、緊迫感を孕んだそれに支配されているかのようだ。いや待って。そんな楽観的な接し方で、勝てるほど甘い勝負だとまだ思っているのかよ私は……
油断は出来ない。というかするな。まだ目の前の金ピカメイドの金色のカラコン嵌まった目は、こちらを真摯に見据えてきているじゃねえかよ。
【F】あるいは【F★】を、少年くんが出してくる可能性を考えるんだ。
私がそれを「スルー」してしまった場合、少年くんの評点は「2倍」となる。たかが「20,000pt」くらいのDEPでも、私の今の評点「40,000」を、超えてくることになる。
もし【F★】でも通されたのなら……? 「二勝一敗」と逆転を許してしまうことになる。しかも「通す」のが最も困難と思われる【F★】をうまく使われてしまうことにも……なるよね。うううううぅん……
図らずも、カジノでのディーラー的立ち回りを要求されているようにも感じている。よし、ならば、いつものようにクールに考えるんだ。
……仮にしょっぱいDEPを少年くんが放ってきたのなら……?
それは、「真実」ってことになるんじゃないの? こちらの「ダウト」を誘発しての、さらにの「二勝」を狙っていくという……一石二鳥の手筋に思われる。
なら何だろうとダウトはしない方がいいのか……? 思考はおんなじところをぐるぐる回ってしまうけど。
向こうの立場になって、もう一度考えてみよう。
少年くんの「ダウト宣告」、それは当たりだったけど、その代償はかなり大きいと思われる。以降ダウトが出来ないんだから、「Fチーム」の【T☆】は、ノーガード、いやそれ以上の「2倍」で受けなくてはならないことになる。
余程のことが無い限り、その「二勝」は私らチームに転がり込んでくることになるだろう。それでもう勝負が決してしまう展開だってあるはずだ。
であれば、この時点で【T☆】を通してくることもあり得るんじゃ……? 私が何が何でもダウトしてくるという思考を読んでの、「2倍付け」を想定しての【T☆】。うううぅん、考えれば考えるほど分からなくなってきているよ……
とにかく、少年くんのDEPを聞いてから、判断/決断するしかないッ!!




