表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
247/312

♫246:行程ですかーい(あるいは、次鋒/伝法/ソソリエスタ)

 や、やられたぁ……というかやってもうたぁぁぁ……(翼が)


 わざわざ「ダウト権」を消費して負けた。ダウトしなかったら勝ってた勝負を自ら落とした。自殺点(オウンゴール)だ……


 怒りで却って真顔になってしまっている僕の目の前で、同じ顔が、けへっみたいな照れ笑いをカマしてくるよやばいよ殴り倒してしまいそうだよ……


 ぐるりを巡る観客席からは、歓声よりも怒声のような声が当然、降り落ちて来ているものの。当の戦犯たる翼は、まだまだこれからだぜみたいな不敵で意気にあふれた表情で相手方にガン垂れたりしているよ本当(ホント)どういうメンタルなんだよ怖いよ……


 ともあれ。僕も困惑・焦燥・失望ばかりをメンタル表層に浮かばせている場合でもない。まだまだ初戦を落としただけ。これだけで、勝負は決まらない。


 次こそ落とすわけにはいかない。僕の手番だ。ここできっちり勝ちを拾って、タイ以上の状態へと持っていかなければいけない。


 でもなあ……その選択肢からして大分狭められている気がしてならないわけで。


 ひとつは「ダウト権」。これがうちのチームは早々に消費しており残りが「1」。残りまだ「四戦」ある状態で、連続で使用していくこと、これはのちのちがノーガードになってしまうことから、まずこの「第二局」では使えない。


 ということは。相手は【T】とか【T☆】を通してくる、最大の好機(チャンス)と言えなくもない……これらをダウトせずにスルーした場合、向こうの評点は「2倍」される。先だっての賽野(サイノ)さんの評点は「17,000」くらいしか無かったけど、あれはこちらの陽動を誘う撒き餌的なものだったと思えなくもない。


 ましてや次は若草(ワカクサ)さんだ。聞いたところによると「世代人格」とかいう、理解は20%くらいしか及ばなかったけど、「過去の自分が憑依する」みたいな、そんな謎能力を有しているそうで、すなわち変幻自在。


 「嘘」か「真」か、まったくもって読めない相手でもあるわけで、ううううん、どうしよう……


 裏を読んで僕が「ダウト」をすれば、相手の【T】あるいは【T☆】をひとつ潰せることになるけれど、そこでダウトを使い切るわけだから、残ったどちらかは必ず通される……「2倍」の評点をもってして。そしてそれが【☆】だったら、「二勝」を献上してしまうことになる……


 やはりここはダウトせず静観するしかないのでは……っていう思考を読まれて【T☆】をぶっ込まれてくるか……


 うん、やっぱり考えても詮無い感がどうしても思考にまとわりついてしまうよ。じゃあもう何も考えずに行くしかないのか……?


 待てよ。相手は今、圧倒的優位に立っている。こちらに考えさせるだけ考えさせているけど、実際自分たちが相手にダウトする/しないってことは考えてないんじゃあないか?


 あくまで自分たちの出し手をどうするか。相手がどう動いてくるか。そんな受け身の発想しか出来ていないとしたら……?


 意外に、こちらにも勝機はあるかも知れない。いや、やっぱ分からん!! でも肚は決まった。今の僕に出来ることは、「(トゥルー)」だろうが「(フォース)」だろうが、渾身のDEPを撃ち放つことしかないっ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ