♭200:朱印かーい(あるいは、これが200なら!!自分で自分を祝おう回)
「ぬわんだぁ貴様らはぁぁぁぁぁッ!? 横からしゃしゃくれやがって、何様のつもりじゃぁぁぁぁぁいッ!!」
「桃色」の要らんほどよく通る甲高い叫び声のような呼ばわりと、
「見慣れない顔だけど? ぽっと出の出を分からんアホがのさばれる世界では? 無いんだというのだよおぉぉッ!?」
全文を疑問系で通そうとする、メンタルか言語中枢のどちらかがイカれている「黒色」の、これまた少女じみた誰何の声が響き渡る中、
「ねやぁ~っはっはっはっはァっ!! ちびこいのがキャンキャキャンキャと、のた吠えおるのぉ~」
同じように、浮世から二段くらいシフトアップしたテンションの胴間声が、それらをかき消さんばかりに地面の底らへんから聴こえてくるのだけれど。
かなりのガタイの男だ……海パンと表現するに他はないようなピチピチのパンツのようなものだけを身に着けた、筋肉にほどよく脂肪の乗った相撲取りのような巨漢……どでかい顔は、プロレスラーが付けるような革製のマスクに覆われていて、そしてその模様が「♂」であるところの謎の輩が、これまでのたまっていた二人を巻き込まんばかりの勢いでそうがなるのだけれど。超人か。そして、
「グキョポポポッ!! 時間の無駄は省かんといかんだわいな~!! ここがダメの最終決戦場、終着の地であると言うのであればッ!! ……低レベルのお子様どもには、速やかにご退場願いたい寸法なわけだわいな~!!」
もう一人、こちらは引き締まった筋肉の持ち主だ……同じくパン一の、見た目どう見積もっても不審者であるところの、「工場」の地図記号の内部に縦線と円が描かれているといった何とも描写のしがたいマークを、相方と同じく革の黒マスクに大書してある職質ランキング上位に位置していそうな輩が、郷位置判別不明なる言葉でそう上乗せてくるのだけれど。
その二人の覆面たちは、その頭頂部からカラフルなトサカをおっ立てているのだけれど、絵面だけでもう食傷気味なんだ→が↓。
いっやぁ~もういいよぅ……というか何で対局者でも無い覆面男たちがこの場に出てこれてんだよ、運営の差し金かよ……と、そんな腹パンパンな気持ちでそんな風に凪いだ真顔で睥睨するほかは無いのだけれど。
「ん何だとぅ『低レベル』ぅぁ~!? ほざけんじゃあなかとよッ!? うちらの合体技、『根暗・Δ・時雨アウス・とらろ来て・まだ道半ば』を喰らってから物申せや~!?」
どんどん上乗せて来る次元の異なるテンションで、何かしらの技名を叫び放った「黒色」が、突如として、覆面男たちに突進を仕掛けるのだけれど。「桃色」もそれに呼応するかのように無駄な阿吽さをもって肉薄していくよ怖いよ……
しかし。
「「煉獄コンビナシオン/No.1ッ!!」」
覆面男たちの方が一枚上手だったようだ。突っ込んで来たちびっ子二人を、それぞれが抱え込みつつ、軽々と上空へと担ぎ上げると、
「!!」
そのままの勢いで、中空にて「桃色」「黒色」のこれまた仮面に覆われた頭同士を激突させたわけで。ええ~ますます超人めいてきた……この混沌を、いったいどうしたらいいの。




