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180/312

♮180:震天ですけど(あるいは、先送られた/定めのなれのはて)

<決っ勝、トーナメントぉぉぉぉッ!! 組み合わせっ発っ表ぉぉぉぉぅぅぅっ!!>


 実況少女の絶叫が、その上にさらに覆いかぶさらんばかりの喧騒を何とか突き破って、会場に、ドーム状のスタジアム内に響き渡る。


 いよいよ、か。全世界から集いし(本当かな)、ダメなる強者たち。その中を最強を決める戦いの火蓋が、いよいよ切って落とされる……ッ!!


 ……うん、まあそこまでの高揚感はないな。ないなりに無理から自分のテンションを高めていこうと思ったけど、やっぱりないな……何でだろう。気合いをこれでもかと入れて作製(つく)ったこのミリタリー調メイド服(ちなみに僕が金色、翼が銀色)に身を纏っても、何か、身体のどこかにひとつ小さな穴が開いていて、そこから空気のように闘志が抜けていってしまってるように感じてしまう。


 大儀が、無いからだろうか。うーんまあ、でも大儀の無さ具合でいったら先場所だって無かったからねえ……いや、「お金」が目的であったにしろ、その先に見据えていた目標は確かにあった。今回はそれすら希薄だからなんじゃ……


 世界に討って出る自ブランドの創設、みたいなことを丸男から吹き込まれてはいたけど、それはそもそもの自分の実力が伴わないと叶わないものなんじゃあないだろうか。


 そして、例の姫様のこともある。彼女自身は「全力で当たってこい」みたいなこと言ってたけど、その背景を知ってしまった今、完全な平常心でなんていられないわけで。


 当たったら……どうしよう。それでも全力で行くべきだろうか。いやいやこんなこと考えてて、まともなDEPなんて撃てるわけないってのに。僕の思考は詮無い行ったり来たりを繰り返すばかりだ。そんな僕を置いて、実況少女の説明は、流れるように続いているのだけれど。


<さて!! 決勝進出20組は~、5組ずつ!! 『魑魅魍魎』それぞれの頭文字を冠した、『Cブロック』『Mブロック』『M2ブロック』『Rブロック』の4つへと割り振られます!! そして5組のうちのひと組が抽選でシードとなり、そのシードが含まれる山ではシード以外の2チームの方々は、ブロックを勝ち抜けるのに2勝が必要となります!!>


 いや、わかりにくい!! そもそも「M」がかぶった時点で諦めようよ、と僕が気を取り直してつっこみを入れようかと右手で手刀を形作るか作らないかの瞬間、


<Cブロック:

●シード:ウロタムシ リグオ & モクヤミ ズイコ


 1:ムロト ミサキ & ソウヤ ツバサ

  VS

 2:アオナギ ヨリヨシ & マメマキ マルオ


 3:ミツワ アカネ & ミツワ アオイ

  VS

 4:ハト=コルンバ & ツルミズ=グルス      >


 見慣れない名前の列挙の中に、見知った名前が……!! い、いきなり身内対決だってぇ~!?


「……ま、正直、こんな早くに当たるとは……思わなかったぜ、少年」


 しゃがれた声のした方を思わず振り返ると、そこにはいつもながらの自然体のアオナギが。と思ったら、いつの間にかいつかの「蒼いメイド服」に着替えとるッ!! 顔にはまたワケ分かんない歌舞伎調のメイクが施されていたけど、でもその珍妙な仮面の下の顔は何とも言えない貌をしているわけで。サシでの対決……対局。これ……どうなんだろぉ?



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