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才能の書〜溢れる才能と林檎〜  作者: slime
首都への旅
7/19

次なる街へ

とりあえず、一万字突破です。

「ねぇ、アルト。次の街はどんな街なの?」

「トリータって街で、結構遠いみたいだな。野宿することになるだろうな。」

「そうなの?」

「あぁ。ところで、話は変わるが、マールィ。」

「どしたの?」

「お前の才能(スキル)はなんなんだ?」

「才能?そういえば言ってなかったわね。いいわよ。見せてあげるわ。」

 マールィはボムッと才能の書を出すとアルトに見せた。


名前:マールィ

性別:女

年齢:13

Lv.1

筋力:13

体力:17

耐久:10

敏捷:28

魔力:19


HP:100/100

MP:190/190


才能

1.走行 Lv.5

2.跳躍 Lv.4

3.隠れる Lv.2

4.風魔法 Lv.3

5.魔力操作 Lv.2

6.歌唱 Lv.2

7.料理 Lv.1

8.踊る Lv.1

9.[  ]

10.[  ]


「13歳か。親は?」

「ママは去年死んじゃったわ。パパは知らない。会ったこともないわ。」

「そうか。すまんな。不躾な質問して。」

「いいわよ。」

「魔法、使えるのか?」

「えぇ、少しだけね。下段初級魔法だけよ。ママに教えてもらったのよ。」


 魔法には火、水、風、土、闇、光の六つの属性がある。全ての属性に下段、中段、上段の三つの段があり、その段が初級、中級、上級、の三つに分けられている。一般的には中段初級まで覚えることができれば

優秀とされ、上段の魔法を使えるとなれば国の抱える大魔導師クラスである。


「俺も火魔法の才能はあるんだがなぁ。」

「才能があるのに使えないの?」

「いや、魔法に憧れて火起こしとか、料理の火の番とか、とにかく火に関係したことをしまくったら獲得した。」

「無茶苦茶ね…」

「それはともかく、なんか色々気になる才能があるんだが?」

「歌唱とか?」

「そうそう。歌唱、踊る、隠れるの三つだな。」

「歌唱と踊るは、純粋に私が好きだからね。隠れるは、確か、その頃かくれんぼにはまっていたからだと思うわ。それで、アルトは?」

「あぁ、俺のか?これだ。」

 今度はアルトがボムッと才能の書を出した。

「へー、剣術持ってるんだ。しかも結構高いし。それに、レベルももう上がってるのね。」

「ゴブリンをな。こう、ザクッといった。」

「ふーん。どうだった?初めて倒した時。やっぱり殺したことに抵抗とかあった?」

「やめろよお前。あえて考えないようにしてたのに。」

 えらくあっさりしていると思えば、そういうことだったようだ。

「そうなの?ごめんね?」

「いや、お前もすぐわかるさ。」

「何が?」

「ほら、噂をすれば。」

 二人の目の前の草むらがカサカサと揺れている。

「も、もしかして…」

「あぁ。」

 そこからツノの生えた兎が飛び出してきた。

「ピギィッ!」

「モンスターだ。」

「えぇっ、ちょっとアルトっ!早く倒してっ!早くっ!食べられちゃうわっ!」

 兎に食べられる人間。死に戻りでもするのだろうか?

「ズローラビットだな。スライムやゴブリンに並ぶ最弱モンスターのうちの一匹だ。」

「呑気に解説してる場合じゃないでしょっ⁈」

「なぁ、マールィ。」

「なにっ!」

「こいつ、倒してみろよ。」

「・・・は?」

「いけるって。いけるいける。ていうかここでいかずにどこでいくってぐらいいける。いついくの?今でしょ!」

「えぇぇっ!無理よっ!」

「無理じゃねぇって。ほら、作戦はガンガンいこうぜ、だ!」

「だ!じゃないわよっ!この鬼畜っ、人でなしっ!」

「泥棒に人でなしとは言われたくないな。」

 ブーメラン刺さってますよ?

「うぅ、でも。」

「この兎をお前が倒せば。」

「たおせば?」

「俺のリンゴをわけてやr…」

「ウゥィンドォッ、カァッタァァッッ‼︎」

「ピギャァァァー」

 "魔力操作"によって、完璧にコントロールされたマールィの渾身の魔法(ウィンドカッター)は、ズローラビットは喉笛を寸分違わず掻き切り、絶命させた。

 ・・・非常に動機が不純である。

「うぅ、ついにやってしまったのね。」

「あぁ、レベルはどうだ?」

「まだ上がらないみたいね。」

「そうか。まぁ、ぼちぼちだな。」

「そうね。で、この兎はどうするの?」

「・・・食うか?」

「おいしいの?」

「美味いらしい。」

「らしい?」

「村長の地図に書いてあった。」

「なにそれ。」

「村長がくれた地図なんだが、いろいろ書いてあるんだよ。」

「へぇ。」

「で、食うか?」

「いただきましょうよ。」

「だな。焼いて食うか。」

「そうね。」 

 二人は枯れ枝を集め火を起こし、血抜きをしてから手頃な枝を近くの川で洗い、それに突き刺して豪快に焼いて食べた。食後、約束のリンゴを得てマールィは非常に満足した様子であった。


 その後、二人が街道を進んでいくと、空はオレンジ色に染まり、あたりも暗くなってきたころに広場のような場所に出た。

「アルト、ここは?」

「ここは野宿のための空き地だ。ここには小さいホーリーアミュレットが埋まっていて、この広場の中にはモンスターが入ってこないんだ。」

「へぇ、すごいわね。」

「アルビア国王様様だな。さてと、俺は枝を集めてくるから、水、汲んできてくれ。」

「わかったわ。」

 二人は手早く野宿の用意を済ませると、食事を済ませ、一日の疲れからかすぐに眠りに落ちた。


 翌朝。

 朝食を食べたアルトとマールィはトリータへ向け出発した。

 モンスターとの戦闘もなく、談笑しながら歩いていくと、ついに街が見えてきた。

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