隣街への道
設定は終わりと言ったのに、また説明的な感じになってしまった…
村や街の近くにはモンスターは出現しない。国から魔除けの魔道具ホーリーアミュレットが全ての村や街に支給されるからだ。そのアイテムは、大きな石の形をしており、その昔、国が抱える魔法使いが頑張って作ったと言われている。
「そろそろモンスターが出てくるとこまで来たよな。スライムとかゴブリンとか出てくるのかなぁ。」
と、その時、街道沿いの森から一匹のモンスターが‼︎
ガサガサガサッ
オーク が あらわれた!
「ん?あれ?スライムは?ゴブリンは?」
人生そんなに甘くはないようだ。
「これは…うん。戦っ略っ的っ!撤退ぃ!」
「ブモォォォー!」
「ギャーーーッ!!」
ウダリネとヴァリーキを結ぶ街道には、街道沿いの森から時々オーク(←めっちゃ強い やばい)が出現するから注意するんじゃ。
----村長の注意書きより
アルトは命からがらホーリーアミュレットの効果範囲まで逃げてきた。
「ハァ、ハァ、おっさんに感謝かな。"逃走"の、才能が無かったら、ハァ、やばかった。」
ーーーしばらくして
「さすがに森に帰ったかな?」
アルトは気を取り直して首都へと再度出発した。
「またここまで来たのはいいものの、もう出ないよな?時々だし。」
と、その時、街道沿いの森から一匹のモンスターが‼︎
ガサガサガサッ
ゴブリン が あらわれた!
「よかった。一瞬不安だったけど、ゴブリンなら大丈夫だ。・・・大丈夫だよね?」
ゴブリンは手に持った棍棒で殴りかかってきた。
「ゲギャギャーッ!」
「おぉっと。はっ、甘いな。おっさんの拳の方が早いぜ!・・・あれ?おっさん強くね?」
アルトはゴブリンの攻撃をヒラリと避けると、腰に帯びた剣を抜き、構えた。剣がキラリと光り、ゴブリンは警戒している。
「初戦闘だな。」
先程のことは忘れるようだ。
「落ち着いて、確実に、一撃で仕留めるのが良いらしいからな。首を狙っていくのがいいかな。」
アルトは深呼吸すると、一気にゴブリンの懐に飛び込んだ。
「ギギャッギャギャ⁉︎」
ゴブリンは突然の行動に反応できず、そのまま首を切られた。アルトの初勝利である。
タラリラリーン♪
アルトの脳内に効果音が鳴り、才能の書がボムッと目の前に現れた。
「ん?なんだ?・・・あぁ、レベルアップか。レベルアップ、、、レベル、アップ?・・・おおっ、やったーーっ!」
アルトはLv.2になった!
「レベルアップかぁ。どれどれ?」
名前:アルト
性別:男
年齢:14⇒15
Lv.1⇒2
筋力:30⇒36
体力:28⇒38
耐久:12⇒15
敏捷:32⇒43
魔力:7⇒8
HP:120/120⇒150/150
MP:70/70⇒80/80
「体力と敏捷が伸びてるな。オークから逃げたのもステータスになったからかな?耐久と魔力はほとんど増えてないよなぁ。」
ステータスを上げるには、主に2つの方法がある。1つは筋トレや走り込みをしていれば筋力や体力、敏捷が勝手に伸びるし、魔法を使えば魔力が上がる。そして2つ目がレベルアップのときに上がるものだ。レベルアップ時、どれだけステータスが上がるかには、レベルアップまでのモンスターとの戦闘に関係しており、Lv.1からLv.2になるまで、モンスターとどのような戦闘をしたかが関係している。ちなみに、レベルアップすると、少なくとも1はステータスが上がる。
「さてと、急がないと野宿することになるな。宿もとらないといけないし。返り血も流さないと。」
初勝利を収めたアルトは、ゴブリンの死骸を森の方へ投げ捨て、意気揚々と隣街への道を進んだ。