表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才能の書〜溢れる才能と林檎〜  作者: slime
首都への旅
3/19

プロローグ3

これで、プロローグという名の設定は終わりです。

「準備、できた?」

 夕飯を食べながらレニーは尋ねた。

「昨日の内に大体やっておいたからな。意外と時間は食ったけど、さっき終わった。」

「なら、明日に備えて早く寝るのよ。十個目の才能、楽しみね。」

「そうだな。」

 

 アルトは少し時間をかけて夕飯を食べ終えると、水で体を清めて、床に就いた。

 翌日、アルトは朝食を終え、家の庭の隅の墓石へと来ていた。そこには、彼の父が眠っている。アルトが冒険者になることを誰よりも応援し、協力していたのも彼の父であった。が、二年前の流行り病でポックリと逝ってしまったのだ。

「父さん、俺は今日、旅立つから。当分帰ってこない・・・と思うから、挨拶に来た。父さんのもとにまで届く偉大な冒険者になってみせるよ。じゃあ、いってきます。」

 アルトは父への挨拶を終えて、村の入り口へと向かった。

「遅ぇじゃねぇか。アルト。」

「父さんにちょっとな。で?見送りに来てくれたのか?おっさん。」

「おっさん言うな。まぁな。あと、少し餞別をな。」

「餞別?」

「おぅよ。おーい、あれ持ってきてくれ。」

 村人の一人が持ってきたのは、一振りの鞘付きの剣であった。

「どうしたんだよこれ!?」

「村のみんなで少しずつ出し合って買ったんだ。大事に使えよ?」

「頑張れよーアルトー」「しっかりなー」「いつでも帰ってきていいんだぞー」

 村人達の声援にアルトが感動していると、村人の中から一人の老人が前に出てきた。

「アルトや。」

「村長さん、俺はアーロンです。アルトはこっちですよ。」

「・・・」「・・・」「・・・」

「・・・村長ジョークじゃよ。村長ジョーク。あー、コホンッ。アルトや、ついにこの日が来てしまったようじゃな。」

「んんっ、そうですね、村長さん。冒険者になることを許可していただき、ありがとうございます。」

「良い良い。それとの、旅立つお主にわしからも贈り物をやろうと思ってな?そこで、これをやることにした。使ってくれ。」

 そう言って、村長はアルトに折りたたまれた大きな紙を差し出した。

「村長、これは?」

「この大陸の地図じゃ。行ったことのある地域には、注意書きも書いておいた。」

「ありがとうございます、村長さん。大事に使います。」

「うむ。」

 最後にアルトの前に来たのはレニーであった。

「アルト、怪我や病気には気を付けてね?しっかりやるのよ。はい、これお弁当。母さん、応援してるから。でも、いつでも帰ってきていいのよ?あと、お友達もたくさん作ってね。あっでも、しっかり友達は選ぶのよ?それから・・・どうしたの?みんなびっくりしたような顔して。」

「いや、レニーさんがいつになく饒舌だったから、つい。なぁ、アルト。」

「あぁ、こんなに喋る母さんを見たのは初めてかもしれない。」

「・・・とにかく、頑張ってね。アルト。」

「任せてくれ、母さん。すぐに有名になってやるさ。それと、弁当ありがとな。」

 全員に別れを告げ、いよいよ旅立ちという時、ふとアーロンが尋ねた。

「ところでよ、アルト。お前、十個目の才能、何だったんだ?」

「あぁ、それなら、そうだな、おっさんが関係してることだな。」

「何だそれ。"商売"か?」

「違う違う。十個目はな、"逃走"だ。」

「・・・なるほど、確かにこの一年追いかけまくった気がする。」

「だろ?」

「だろ?じゃねぇよ。しばくぞ。」

「まぁまぁ。そろそろ出発せねば日が暮れてしまうぞ?アルトや。」

「そうだな、じゃ、母さん、村長さん、アーロン(・・・・)、みんな、いってくる。」



 かくして、アルトは英雄への第一歩を踏み出すべく、首都ヴァリーキへと旅立った。


------------------------

 アルト

才能

10:[  ]⇒逃走 Lv.1

モンスターについて

この世界のモンスターは、倒しても残ります。青いポリゴンになってくれたり、灰になってくれたりはしません。素材は頑張って剥ぎ取ります。

モンスターと動物の違いは、HPを持っているか否かです。動物は人間と同じ神側の生き物なので、HPがありますが、モンスターは、違う神側なので、ありません。そのかわり、魔法を使ったり、肉体に見合わぬ怪力を持っていたりします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ