プロローグ2
「ただいま、母さん。」
アーロンを撒いたアルトは、村の隅に位置する我が家への帰還を果たした。
「おかえり、アルト。今日は早いのね。」
「準備しなきゃならないからな。明日の。」
「母さんも手伝おっか?」
「いいよ。自分でやる。これからは一人だし。練習だと思ってやるよ。」
「そっか。ついに行っちゃうのね。母さん寂しいわ。」
「・・・そうゆうのはもうちょっと寂しそうな声と表情で言ってくれない?いやまぁ慣れてるけどさ。」
アルトの母レニーは、基本的に無表情で感情の起伏が少ない女性だ。その性格は、幼い頃からずっと変わっていないらしく、見た目の良さも相まってミステリアスな雰囲気を漂わせている。
「夕飯ができたら呼ぶわ。あ、そうそう今日の夜、何がいい?」
「そうだな・・・唐揚げ、とか?」
「わかった。じゃあしっかり準備するのよ。」
「了解。」
アルトは階段を上り、自分の部屋へと向かった。
「さてと、始めますか。まぁ昨日の内に大体やっておいたし、確認して鞄に入れるだな。まず、着替え、保存食、モンスター図鑑に植物図鑑、歯ブラシ、コップ、皿、鍋、………、最後に身分証っと。完璧だな。」
やたらとたくさん持っていくようだ。何故沢山の物が鞄に入るのか。それには、彼の才能が関係している。ここで、彼の才能の書を紹介しておこう。
名前:アルト
性別:男
年齢:14
Lv.1
筋力:30
体力:28
耐久:12
敏捷:32
魔力:7
HP:120/120
MP:70/70
才能
1.観察 Lv.3
2.跳躍 Lv.3
3.走行 Lv.6
4.読書 Lv.4
5.想像 Lv.5
6.集中 Lv.2
7.剣術 Lv.4
8.収納 Lv.2
9.火魔法 Lv.1
10.[ ]
才能の書に書き込まれた才能は、その才能に関係した事をした時に、少しずつ経験値を蓄えていき、ある一定の量貯めるとLv.が上がる。Lv.の上限は、未だに明らかにされていないが、その昔、"睡眠"の才能を4桁まで上げた者がいるとかいないとか。
それはさておき、アルトが沢山の物を鞄に入れることができたのは、言うまでもなく収納Lv.2のおかげである。収納の才能を身につけた者は、鞄や袋の中に異空間を作り出し、様々な物を収納できるようになる。Lv.が上がると、何も無い所で異空間を開け、収納できるようになるらしい。
「アルトー、できたわよー。」
「わかった。すぐ行く。」
アルトは家での最後の夕飯を食べるため、一階へと降りていった。
HPの設定について
HPは肉体へのダメージを肩代わりしてくれます。HPが無くなるまで傷は負いません。時間経過で回復します。