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才能の書〜溢れる才能と林檎〜  作者: slime
首都での生活
14/19

新たな仲間を加えて

初レビューをいただきましたっ!ありがとうございます!評価やブックマークもいただいて…俺、明日死んじゃうんですかね?

「いやぁ、助かったぜ。少年。今度奢らせてくれよ。」

「ほんとだよな。しっかし、どうしてあんな洞穴で寝転んでたんだ?」

「スライム討伐の依頼を受けて、それで、あの森に行ったのは確かなんだ。…もしかして、スライムにやられたとか?」

「まさか、あのスライムだぜ?」

「だよなぁ。」

「「「「ハハハハハハハッ」」」」

「…っ。」

「待て、まぁ待て落ち着け。」

「止めてくれるなアルトっ。妾には人を殺す予定ができたのじゃ。」

「ちょっ、ダメだよ。早いよっ。」

「奴らのあの憎たらしい頭を粉々にしてやるんじゃっ!」

「ダメよ?それじゃあリンゴの美しさに追いつくなんて到底できないわ。もっとお淑やかにならないと。」

「むむ、それは困るの。」


 アルトにある意味振られたスライムの女とマールィ、ノエルはそれが気に食わないらしく、マールィ主導のもと"リンゴへの道"計画を開始した。マールィ曰く、

「私達にはリンゴ力が足りないのよ。リンゴ力の無い女なんて熟れていないリンゴと同じよっ!そのリンゴがどれだけ美味しくなるとしても、熟れていないままお店に並べたら誰も買ってくれないわっ!」

 リンゴのような美しさと艶やかさ。お淑やかさを目指すらしい。・・・リンゴのお淑やかさとは一体なんなんだろうか。


「なぁ。」

「なんじゃ?アルト。惚れたか?」

「違うわ。お前、名前なんていうんだ?」

「ふむ、考えたこともなかったのぉ。」

「これから名前が無いと不便よね。」

「私達で考えてあげようよ。」

「おぉ、是非お願いしたいのぉ。頼めるかの?」

「良いぜ。そうだなぁ…」

「はいはーい。私思いついたわ。」

「ほう、言ってみろ。」

「スラk「却下。」o…。早っ。せめて最後まで言わせてよっ!」

「いや、スライムに"スラ"から始まる名前付けるのはありきたりだろ。」

「グフッ…」

「ど、どうしたんだ?」

「妾も、妾もスラ太郎って…」

「あ。」

「…えっと、じゃあ次私言うねっ!」

「おぉ、そうだな。よし、なんだ?ノエル。」

「エレナ、なんてどう?」

「ほう、その心は?」

「昔の言葉で"女王"っていう意味があるの。」

「なるほど、妾って一人称もいかにも女王っぽいしな。」

「うむ。ならば妾はこれからエレナと名乗ることにしよう。感謝するぞ。ノエルよ。」

「えへへ。どういたしまして。」

「ねぇ、この際私達のパーティの名前も決めない?あったらかっこいいじゃない。」

「おぉ、そりゃいいな。それも決めちまおうぜ。」

「妾、思いついたのじゃ。」

「おっ、言ってみろ、エレナ。」

「ノエルはともかく、アルトとマールィはリンゴが好きなんじゃろう?なら、"リンゴ・スター"というのはどうじゃ?」

「却っ下っ!却下だよっ、エレナ!いろいろダメだし、それにその名前になった時の私の気持ちも想像してっ?」

「「「イマジン?」」」

「だまらっしゃい!」

 しかも、イマジンはリンゴ・スターの仲間の歌である。

「でもまぁ、パーティの名前は後でいいだろ。それよりも、今は…」

「えぇ、この…」

「10万Gっ!すごいよっ!これなら何でも買えるねっ!何買う?」

「「「リンゴっ!」」」

「待って、ねぇ、ほんと待って?百歩譲ってアルトとマールィはわかるけど、なんでエレナまで?」

「うむ。敵を知り、己を知らば百戦危うべからず、と言うのじゃろう。」

「なんでそんなに人間の言葉に詳しいの?」

「む?いや、これはな。妾に近寄ってきた男達がの、「ふへへ、お姉さん。俺達と遊ばないか?大丈夫だ。俺は俺のことを教えるから、お姉さんも自分のことを隅々まで教えてくれよ。敵を知り、己を知らば百戦危うべからずっていうだろ?ぐへへへ。」と言いながら近寄ってきたんじゃ。」

「それは使い方間違ってると思うぞ?」

「いや、それは妾にもなんとなくわかったから、言葉の感じからこういう使い方をするのじゃろうと推測で使ったんじゃが、違ったかの?」

「いえ、合ってるわ。」

「エレナ、大丈夫だったの?」

「気持ち悪かったからとりあえず全力で殴っておいたのじゃ。」

「ナイスだよ。エレナ。」

「それはともかく、ノエルは何が欲しいんだ?」

「へ?私?そうだなぁ。あっ、そうだ!魔力を増幅させてくれる杖なんてどう?」

「良いわね。私も欲しいわ。」

「ふむ、妾は特に何もいらんの。」

「俺も丁度盾が欲しくなってきたところだからな。とりあえず武器屋と防具屋にでも行ってみるか。」


 いざ、武器屋へ、と出発しようとした時、マールィがふと呟いた。

「私達、レベル全然上がらないわね。」

「あぁ、そういえばとっくに上がってても良いような気がするんだが……」

「そうだね、レベルが5から上がってない…あっ。」

「どうした?ノエル。」

「あのね?すっかり忘れてたんだけど。」

「けど?」

「レベル、5になったら神殿に行って解放してもらわないといけないんだった。」

「「は?」」

「ほぅ、人間は面倒じゃのぉ。」

「嘘だろおいっ!じゃあ今までの戦闘で得た経験値は?」

「えと、全部パー、です。ほんと、ごめんなさい。」

「まぁいいじゃない。どうせまだまだモンスター討伐するんでしょ?」

「…そうだな。よし、じゃあ神殿行くか。」


 一行はヴァリーキの中心部にある神殿へと向かった。

「近くで見たことなかったが、王城でけぇなぁ。」

「そうねぇ。大きいわ。」

「着いたよ。ここが神殿。」

「ほう、立派な建物じゃの。…妾が入っても大丈夫なのかの?」

「大丈夫だよ。従魔として登録してるから。」

「うし、じゃあパパッとレベル上限解放するか。」


「すいません。」

「はい。どうされました?」

「レベル上限を解放したいんですが…」

「それでしたら、お一人につき300Gの寄付をいただきたいのですが…」

「わかりました。三人分お願いできますか?」

「かしこまりました。900G、確かにいただきました。神も貴方の善行をしかとご覧に入れておられるでしょう。」

「ありがとうございます。」


 受付の神官が奥へと入っていくと、アルトは仲間達に尋ねた。

「なぁ、俺の顔、引きつってなかったか?すげぇイラってしたんだが。」

「一応神のためにっていう名目だからね。仕方ないよ。」

「くそっ、神のためじゃなくて髪のために使ってんじゃねぇだろうな。」

「ちょっ、聞こえたらどうするのよ、アルト。」

「準備が整いました。」

「うぉっ!」

「?こちらへどうぞ。」

「ば、バレてないよな?」

「多分…。」

「バレておったとしても、上限を解放してもらえるならそれで良いじゃろう。それと、妾はここで待っておくことにしよう。」

「そうだな。だが、バレないに越したことはない。堂々と、怪しまれないように行くぞ。」

「わかったわ!胸を張って、足を上げてワン、ツー、ワン、ツー…」

「逆に不自然だよっ⁈それ!」


「おぉ、我らが神よ。この世の全てを創造せし偉大なる創造神、ゲニアスよ。この者達の本当の力を見せたまえ……」

 神官が祈りの言葉を唱えるとアルト達を淡い光が覆った。

「おぉ、なんだこれ。」

「優しい光ね。」

「なんだか安心するね。」

 三人がそれぞれ違った反応を見せていると、突然才能の書が目の前に現れ、その表紙に文字が浮かび上がってきた。

「なにこれ。って、私の名前じゃない。」

「ほんとだ。私のも名前が。」

「俺のもだ。」

「それはその才能を神が認めた印。今まではいわばお試し期間、といったところでしょうか。」

「私、まだ最後まで才能貰ってないんだけど…」

「それでしたら問題ございません。神はこれから貴女に才能を渡すと同時にお認めになることでしょう。」

「そうなの?良かった。」

「じゃあ、今度こそ武器屋に行くか。」

「そうだね。楽しみだなぁ。新しい杖。」

「神はいつでも我々を見守っておられます。いつでもお立ち寄りください。」

「はい。ありがとうございました。」

「「ありがとうございました。」」


 三人は神殿から出てエレナと合流し、武器屋へと出発した。

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