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オルダーの報告
第5機ウィンビルド王国のNo.11にて
オルダーは主の書斎にいた。
オルダーは背が低い男で、常に被っているフードとマントにより更に影の薄い雰囲気を醸し出していた。
そのフードから覗く切れ長の目は、鋭い眼光を放っていた。
長椅子に座っている主が言った。
「……アイツがしんだ?」
「はい。今朝方連絡が届きました」
「…………そうか」
老人の主は長いため息をついた。
「もう気づかれたか。……ナツメはどのように殺されたのだ?」
「彼女の自宅で。……おそらく記者は【事故】と報じるでしょう」
「なぜだ」
「彼女の自宅で、ランサーがアイザンの痕跡を見つけました」
「暗殺用にアイザンを改造したんだな。手の込んだことをする……」
黙り込む主を、オルダーは指示を仰ぐようにみつめる。
「……アイツには悪いことをした。だが、ここで止まることは許されん」
「ええ。分かっております」
「取り敢えずは【鍵】のことだけを追え。おそらく【鍵】は、彼の元に……」
「御意」