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ラスティ・メモリーズ  作者: サニー
5/10

第4機リンド帝国


サード参謀は、部下から報告を受けていた。


「ここ5ヶ月のアイザン出没地点、発生地割合、駆逐数を報告します」


ナリタが差し出した紙を、サード参謀は受けとるやいなや、2つに破いた。

ナリタは、自分の上司の行動の意味を理解しかねた。


「報告はいらん」

「は、」


サード参謀は片頬で笑った。


「……何だ?こんなもの見なくても分かるだろう。

最近のアイツらの増加の理由も、発生地がラーゼルに偏っているのも」

「……」

「そう睨むなよ。この国の為だ、お前も分かってるだろう」




1人になったナタリは、ため息をついた。


(……あの、狐男め……)


リンド帝国がラーゼル王国を侵攻したのは、自国の利益の為だけ。

だだ、世界一の称号とラーゼルの卓越した技術が欲しいがために、我が帝王や自分の上司は軍を送った。


ナリタの頭にこびり付いて離れないのは、赤く燃え上がるラーゼルの街々。人々の悲鳴、女子供の断絶魔。


(くそ……)


巨大な船50艦で、空から宣戦布告も無しの奇襲攻撃。

世界に名を馳せるラーゼル王国の技師達を攫い、女子供を惨殺。働ける男どもは捕虜にして、抵抗するものは殺す。


(我が国ながら、清々しい程 悪 だな)


第4機リンド帝国は、着実に国家間から独立していった。


人々の居なくなった国は、ただの巨大な鉄の塊。表面は赤く錆び付いていき、歯車の速度はだんだんゆっくりになっていく。


【死の地】から舞い上がる砂が降りかかり、おびただしい数のモンスターが生まれる。


第6機ラーゼル王国は、モンスターを産出する、大元と化してしまった。


ナリタは窓から空を見た。

灰色の空を行き来し合う飛行型バイクは、ラーゼル式のものが、随分増えた。

肥大していくリンド帝国の国力は、恐ろしいものがあった。


(………………)





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