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ラスティ・メモリーズ  作者: サニー
3/10

今日の仕事


ズドンッ……


最後の1体が倒れた。


(ふう……)


「終わったか?」

「はい。……本当、最近多いですよね」


ライト団長はポケットから煙草を取り出して火をつけた。


「ああ。……まだ使えるのに、人間は利便性を求めて捨てていく」


ライト団長はふうと煙を吐いた。


「さぞかしコイツらの恨みは深いだろうな」


人がつくりだした機械は、捨てられると錆び付く。

人々はそういうガラクタを【死の地】へと投げ捨てる。その中のいくつかは念を持ち、人々を襲うモンスターと化す。

通称アイザン。


「……」


ライト団長は、じっと鉄の塊を見つめるスパーズの肩をポンと叩いた。


「明日は非番だ。ゆっくり休め」

「はい」


ウィンビルド王国には、2つの兵団が存在する。


1つは、王室の警備、守護にあたる【王の盾】。

「シーダー」と呼ばれる。


そしてもう1つ。「ランサー」と呼ばれる【王の矛】は、スパーズの在籍する兵団である。

【死の地】からやって来るモンスター、アイザンから人々を守るため、常に武器を身につけ街を巡回する。


(よっしゃー!明日は街でナンパだー)


「ところでスパーズ」

「は、はい!」


(顔に出てたかな……)


焦るスパーズを横目に、団長は声を落としてこう言った。


「……最近よお、盾の奴らが騒いでいたんだが、リンド帝国に怪しい動きがあるらしいぜ」

「リンドですか」

「……まぁ、噂なんだけどな!」


ライト団長は、


「じゃあゆっくり休めよー」


と言って、自慢の愛機に飛び乗り、空へ飛び上がった。

蒸気機関の力を利用した発明品、飛行型1輪バイクは、この世界の主力の交通手段である。

国々の間を行き来し合う貿易船は、【死の地】の上を通らなければいけないから、巨大な船が必要となる。


(帰るか)


そばに置いてある自分のバイクのエンジンのレバーを引くが、エンジンが妙な音をたてるだけで少しも浮き上がる気配がしない。


(ええー……)


どうやら先程のアイザンから飛び出た銀色の体液がエンジン部分に触れたらしい。


「うーん……」


(マオに来てもらうか)



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