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私たちだけ24時間オンライン生産生活  作者: 滝川 海老郎


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33/65

33. 半日休暇

 冒険者ギルド・デルタ町中央店に来ている。

 受付嬢に話を伺う。

 嬢というには、ちょっと。40歳ぐらいのヒューマンの「お姉さん」だ。


「こんにちは、ここではクエストを発行するのがお仕事ですが、依頼は壁を見てください。よくゲームだとギルドランクとかあるじゃないですか。ここではそういうものは無く、皆さんのレベルによって推奨指定があります」


 私たちは現在レベル8になったよ。


「登録は、冒険者なんですから済んでます。記憶がない? 記憶がなくても登録済みになっています。そうしないと混んじゃいますから」


 壁を確認しに行くと、推奨レベル順に場所を分けてくれてある。


『レストラン・ブルーリザードの皿洗い。30分300セシル。推奨Lv1から』

『ウサギ肉串露店の調理見習い。30分300セシル。推奨Lv1から』

『銅鉱石納品1つ100セシル。1日50個まで。推奨レベル1から』


『トカゲ肉納品1つ300セシル。1日100個まで。ソロ推奨レベル10から』


 トカゲはソロだとLv10推奨か。ふむふむ。まあそんな所だろうな。

 どう考えても、このゲームはソロだとマゾい。

 1回攻撃される間に、何回攻撃できるかが全然違う。


 私たちは一覧を見て、それほど「美味しくない」と判断。

 とっとと、引き返す。


 そして、記念広場の隅に立っていた案内板を見て、南東の池に来ている。

 入り口のおじさんに声を掛けられた。


「お嬢ちゃんたち冒険者かい。こんにちは。ここは釣り堀だよ。釣った魚は持ち帰りオッケイ。9時から5時まで一日中いて、500セシルだ」

「ふーん。それで」


 クルミが気のない返事をする。


「釣り竿、餌つきのレンタルもやってるよ。こちらも500セシルだよ」

「それじゃあいいです。やめます」

「……そ、そんなぁ」


 私たちは、今日はやめた。

 今午後3時頃だ。今からだと時間当たりの料金がもったいない。


 結局私たちは、今すぐやらなければいけないことを見つけられなかったのでお茶にする。


 東村にはない、おしゃれな喫茶店に入った。

 正面が全面オープンになっていて、外にもテーブルとイス、パラソルが立っている。


「はー。喫茶店なんて久しぶり」

「リアルではあんまり行かないよね」

「あら、ワタクシはたまに行っていましたわ」


 メニューを見る。


 ・タンポポ茶     400セシル

 ・ウーロン茶     300セシル

 ・ツグミのジュース  600セシル

 ・ホットケーキ    500セシル

 ・ツグミのケーキ   800セシル

 ・タンポポ茶のケーキ 800セシル

 ・ウサギサンド    500セシル


 さあ、どれにしよう。

 ちっちゃい声で会話する。


「ねえねえ。なんか高くない?」

「そのようですわね。今なら払えなくはないですけれど」


 いや、今思うと、一食50セシルで食べられる宿屋が激安なのか?

 もしかして、あの宿屋赤字なんじゃ……。


「せっかくだから、食べていきましょう。これも社会勉強ですわ」


 そういうサクラちゃんに納得して、注文する。


 私とサクラちゃんはタンポポ茶にツグミのケーキ。

 そしてクルミはそれに追加でウサギサンド。

 料金は前払いらしい。

 4,100セシルで残金は19万セシルぐらい。


 狩りの間は、時間があってもあまり無駄な会話はしないようにしている。

 皆でただおしゃべりをする時間は、あまりなかったので、ただ会話するというのもたまには良い。


 食べ終わった後、クルミが聞いてきた。


「ねえねえ、満腹度の最大値っていくらになってる?」

「私は100のままだよ」

「ワタクシも100ですわ」


 ちょっと間があった。


「わたし、106なんだけど」


 いままでも、クルミは私たちより多く食べていた。

 どうやら、それでお腹が大きくなったみたいだ。

 そんなところまで成長パラメータ扱いなんだな。


 これは大事件である。


 なぜなら、このゲームではポーションや何やらを食べてもお腹が膨れる。

 満腹度の最大値が大きいということは、回復回数の限界値が高くなることを意味している。

 まあ、私たちのパーティーではあまり意味ないけど。


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