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私たちだけ24時間オンライン生産生活  作者: 滝川 海老郎


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30. 自動人形

 夕方になったので、村まで戻ってきた。

 タコ地帯の先に何がいるかは、まだ公開情報にはない。


 今日もトラニー君は優秀で全部売れたようだ。

 ペンダントの収入が大きい。98,000の売り上げで、残金は203,155セシルになった。


 午後の分の肉の加工と、魔物の核についての情報を聞きたかったので、村長に会いに行った。


「魔物の核はじゃ。カンテラの燃料になるのじゃ。他にも魔道具の動力源になる」

「電池みたいな感じですね」

「電池は聞いたことがないのじゃ。あと、わしは少し錬金術も使える。それで自動人形のコアにすることができるのじゃ」


 自動人形。オートマタとも言う。マリオネットに近いものだ。

 生物系であればホムンクルスと呼ばれる使役される人工のモンスターに相当する。


 私はヒカリちゃんのマイケルが思い浮かんだ。

 ぬいぐるみだって人形だ。核さえあれば、動くのではないか。


 今は、ゲーム内時間11日目の午後6時。現実時間では3日目の午前6時だ。

 ちょっと早いけど、ヒカリちゃんにメッセージを送る。


『ミケ:マイケルを自動人形にする気ない? 村長ができるって言ってるよ』

『ミケ:自動人形はペットみたいに動く人形の事だよ』


 これでよし。


 そういえば、この前ポーション作るときにツグミ味にするの忘れてたな。

 群生地のツグミがたくさん余ってる。


 すぐには返事が来なかったので、村長の家から撤収して夕食を摂る。

 夕食はもちろん、そこそこの味のスープとパンだ。


 この日は返信が来なかったのでそのまま寝た。


 12日目。朝起きたら、返信が来ていた。


『ヒカリ:ぜひお願いします。ゲーム内で朝ご飯食べたら、宿までいきます』


 今日の朝ご飯は、サンドイッチだ。

 クルミが特に好きで私も好みだった。


 ヒカリちゃんが、おじいさんを連れてやってきた。

 おじいさんはヒューマンでローブを着ている。ヒゲは生えていないが、白髪の短髪だった。


「皆さま、初めまして。孫がお世話になっています。イナホと申します」


 まさかのリアルおじいちゃん登場。

 もしかしなくても、ゲーム内最高齢と最年少なんじゃないかな。


「私、マイケルが動くようにできると聞いて、急いできたんですよ」


 ヒカリちゃんが飛びついてきた。


「時間制限で夜遊べなくなっちゃうけど、今きてしまいました」


 5人で朝から村長さんの所へ行く。

 村長はすでに準備ができていたようで、朝からしっかりしていた。


 今回は、村長と私と補助でヒカリちゃんで、協力して錬金術を発動させるという。

 私担当なのは薬師の経験が錬金術にプラス補正されること。

 魔法使いなので魔力を使う作業で、おそらく見れないステータスが私たちの中で私が一番適しているだろうとの事だった。


 リハーサルを済ませる。


 マイケルを寝かせ、すでに背中を一度開いて中に「魔物の核」を入れてある。

 ワタではなく、プリンの欠片でできているのも、丁度いいらしい。


「では、始めるぞ。錬金術『クリエイト、オートマタ』」


 村長が開始宣言をして魔法を唱える。

 マイケルが発光しだして、村長、私、そしてヒカリちゃんがマイケルに魔力を注ぐ。


 魔力を注ぐというけれど、これが結構大変だった。

 リハーサルで最初良く分からなくて、うまく魔力を流せなかった。

 村長が、私に魔力を流してくれて、やっと魔力の流れを掴み、なんとなくイメージすれば、魔力を注ぐことができるようになった。

 ヒカリちゃんも同様のはずなのに、私より、簡単に制御できるみたいだ。


 発光が収まると、マイケルがぴくぴくしだして、そして、自ら立ち上がった。


「おー。すげえー」

「新しい命の誕生ですわね」

「さすがワシの孫、天才だ」


 ギャラリーがそれぞれ感想を述べる。


「僕はマイケルだったね。よろしくね。ヒカリちゃん。あとそのお友達の皆」


 マイケルがしゃべった。普通にしゃべった。男の子の声だった。


 この辺は事前にキャラクターイメージをヒカリちゃんから教わり、それを意識して魔力を注いだ。

 理屈は不明だけど、魔力から情報を読み取って、インプリンティング、初期化が行われるんだそうだ。


「マイケルこれからもよろしくね」


 ヒカリちゃんはマイケルを抱きしめていた。


 なお私には「魔力操作:Lv1」と「錬金術:Lv1」が増えていた。

 ヒカリちゃんは「魔力操作:Lv2」と「錬金術:Lv1」「人形制御:Lv1」が増えたと言っていた。

 なんか最初からLvが違うんですけど、開発者様、どうなってるんですか。


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