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19. 再び森へ

 私たちは、再び森に来ていた。

 主に薬草を採取するためだ。

 ちなみに今、私たちは全員Lv5だ。


 ウサギとの遭遇(エンカウント)は、この前と同じくらいだ。

 危なげなく、攻略していく。


「はー。なんか、ぬるげーだね。気がぬけちゃうわー」

「そういうこと言うと、なんか出てくるよ」


「――あの、何かでてきましたわ」


「え!」

「うおい!」


 オオカミが出てきた。たしか夜に群れで出てくるという例の奴だ。

 しかし幸い、1匹である。これなら対処しようがある。


『ガウ! ガウ!』


 犬とオオカミの中間みたいな声で鳴くようだ。

 ちなみに、プリンは鳴かない。


 オオカミは牙を向けて威嚇してくるのと、構えてジャンプで襲ってくるのを繰り返してくる。

 いつものパターンで、サクラちゃんに前に出てもらい、オオカミの突撃を盾でいなしてもらう。

 かなり動くので、ハードだ。オオカミも盾職がいないとまともに食らいそうだ。

 私のアイスブリーズも、どうやら効くみたいだ。あまり凍らないけれど、一時的に動きを止めて隙ができる。

 そこを見逃さず運動神経のいい、クルミが槍で数回突く攻撃をする。

 サクラちゃんは、ナイフをしまって、防御に徹している。

 両手で盾を持たないと、スキル「防御」が発動しないらしい。

 アイスブリーズは、早口で連続で使うと2回目に失敗する。どうやらクールタイム制みたいで、数秒の間は無効になっている。

 よく見ると視界の隅に、クールタイムアイコンと秒数が表示されていた。


 オオカミは、私を狙ってこようともするが、サクラちゃんの立ち回りがかなり良いため、後衛を狙うことができないでいる。

 3人は、自分でいうのもなんだけど、連携が結構ツーカーにできるようになった。


 クルミの会心の一撃がオオカミにヒットして、オオカミが『キャウン』と鳴いて倒れた。


 ドロップは何だろうか。


 ・オオカミの肉

 ・オオカミの毛皮


 だそうだ。このゲーム、内蔵と骨はどこへ消えるんだろう。頭としっぽも。


 順番にウサギ、ウサギ、オオカミ、ウサギ、という感じでたまに戦闘になった。

 無事、1つめの薬草の群生地を見つけた。


「いっぱい生えてるね」

「はー。まさに、薬草のハーレムや~」

「村長に感謝ですわ」


 3人で手分けをして採取する。本当にたくさん生えているので、時間が掛かったけど、薬草が50個とれた。


 近くの倒木に白いキノコが群生していた。


「なんかキノコも生えているけど、1本ずつじゃないし地面じゃないね」


 とりあえず1本だけ取ってみる。


 ●森の白ニガキノコ

  森の白キノコと間違って採取される別種のキノコ。毒が強く食用に適さない。

  種別:素材、食べ物

  レア度:1  ランク:2

  満腹度:5上昇

  状態異常:毒(中)


 初心者トラップのようなキノコだった。

 これ、白キノコの情報がないと、間違って取っちゃうパターンだわ。


「毒(中)ってどれくらいかな。ちょっとクルミ食べてみる?」

「えー。いらない。苦いんでしょ。たぶん」


 とりあえず、取った1本だけストレージにしまって、次の採取場所に向かう。

 2か所目もかなりの数の薬草が群生していて、ここでも40個とれた。


 3か所目は日差しがよく射しこむ場所で薬草が少し生えていた。

 驚いたことに、ツグミの木がたくさん生えている。


「これも取っちゃおうか。用途が良く分からないけど、美味しいからいいよね」

「おー。そうしよ~」

「そうですわ。渋抜きポーションに入れて、イチゴ風味ティーにしましょう」

「それいいね。帰ったらやってみよう」


 帰りの森の中、けっこう採取とかで時間が掛かり、もう夕方になっていた。

 なんと、オオカミが群れで現れた。


『『ガウ! ガウ!』』


『『ガウ! ガウ!』』


 全部で、ひ、ふ、み、……たぶん7匹いる。しかも1匹体格が二回りデカかった。


「なんか、強いの出てきた」

「ぎゃー、ぜったいぜつめーだ。しぬぅ~」

「大ピンチですわ。乙女のピンチですわ」


 サクラちゃんは必死に後衛を守ろうとするけれど、数が多すぎる。

 クルミもオオカミを槍を振り回してけん制しているけれど、それを突破してクルミに次々襲い掛かってくる。

 どうやら、群れはまずクルミを脅威の対象と判断して排除する気だ。

 私は気が動転して、とりあえず杖のままクルミをヒールで回復しようとするけど、あまり回復させられない。

 そうこうしているうちに、私のところにもオオカミが1匹襲ってくる。

 杖を振り回しつつ、マジックボールを叩き込んで、なんとかしようとしたけど、すぐにクルミが倒れた。

 オオカミの群れはそのまま私の方へきて、大きい一匹だけがサクラちゃんと対戦している。

 私もあっという間に死亡して、すぐにサクラちゃんも後ろからのオオカミの突撃でHPが0になったようだ。


 私たちはホログラムで表示されている『「東村」へ帰還しますか?』にYesを選択して、死に戻りすることになった。


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