表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/65

12. 渋くないポーション

 今日の目標はもう決めてある。それは「渋くないポーション」の作成だ。

 村長の家にお邪魔して、研究に励む予定。


 中央広場に寄ったら、今日はさっそく隅の方で、お肉をゴザの上に並べて、天日干しに挑戦するユーザーが何人かいらっしゃった。

 作業を見てると単に、肉をナイフで切っただけで、塩とか使ってないみたい。

 それだと味がいまいちになっちゃうよ~と思いつつ。

 アドバイスすると目立つのでやめておく。皆ごめんね。


 塩味のウサギの干肉は、明日の朝にはきっと普及し始めるんだろう。


 村長のお家に到着した。さっそく、研究開始。

 クルミとサクラちゃんは見てるだけで、2人で狩りに行っちゃったりしないようだ。


 まず試作品一号。砂糖を入れてみた。

 東南アジアでは、砂糖入りウーロン茶が主流らしい。きっとソレみたいな味になっている。と思いたい。

 クルミに試飲させてみる。


「うえー。甘いんだけど、渋みはそのままだ。美味しくはない」


 失敗だったようだ。私は失敗しても、めげない女の子。頑張るぞ。


 次に作ったのは、葉っぱをすりつぶさないで、そのまま淹れたものを作ってみた。

 色が普通のよりだいぶ薄い。


「うーん。渋みは減ったけど、単純に薄くなっただけじゃない?」


 効果を調べると、HP回復量が半分の25になっていた。


 じっと様子を見ていた、サクラちゃんが声を掛けてくる。


「お茶って、60度ぐらいのお湯で入れると、渋みが抑えられるって言いませんか」

「そうなの?」

「はい。カフェインが高温で解けるとか聞きましたわ」

「それじゃあ、やってみよう」


 さっそく、一度沸騰させたお湯を、60度ぐらいになるように冷ましてから、薬草を入れ、抽出してみる。

 色は若干薄い感じだ。またクルミに試飲させる。


「おー。確かに渋みが抑えられてる。すごいー」


 ●5級ポーション(渋み控えめ)

  HPが回復する。通常より渋みが抑えられていて、飲みやすくなった。

  種別:ポーション、飲み物

  レア度:2  ランク:3

  HP回復:1分で60上昇

  満腹度(水分):4上昇


 ランクが3になったからか、HP回復量が10多いよ。


「ミケさん、やりましたわね」

「うん。できちゃったね」


 予定より早くできて、時間が空いてしまった。

 追加の実験をする。「ポーション濃縮作戦」だ。


 まず、比較用に普通の5級ポーション2つぶんを、お湯が半分になるまで火にかける。

 次に「渋み控えめ」を同じように、火にかける。


 するとどうでしょう。色の濃い4級ポーションと、普通の緑色の4級ポーションができた。

 試飲は、例によってクルミ先行である。

 クルミは、ごくっと喉を鳴らしてから、ヤバそうな方の色の濃いほうから飲んでみる。


「げー。これはないわ~。これはきついわ~」


 すぐさま、もういっこのほうを飲んでみる。


「はー。生き返る~。渋みはあんま感じない。むしろ少し甘みがあるぅ」


 とのこと。


 ●4級ポーション

  2倍濃縮。渋みも2倍だよ。

  種別:ポーション、飲み物

  レア度:2  ランク:3

  HP回復:1分で120上昇

  満腹度(水分):4上昇


 ●4級ポーション(渋み控えめ)

  2倍濃縮。通常より渋みが抑えられていて、飲みやすくなった。

  種別:ポーション、飲み物

  レア度:2  ランク:3

  HP回復:1分で120上昇

  満腹度(水分):4上昇


 まだ、ゲームは始まったばかりなので、120も回復量は不要だ。

 しかし、いずれ必要になってくるんだと思う。

 ゲロまずポーションはちょっと常用したくない。



 今日は西のデルタ町方面に行ってみよう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] こっそり レベルの高い消耗品を作成(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ