表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

正義論集成

ある愛を考えてみる

作者: DJ克明

 愛について、私がなんの思錐に拠ることもなく、上っ面の表面だけで思うところはまず、「恋愛」のことじゃなかろうかということ、それがひとつめで、もうひとつめはその恋愛における「セックス」のことじゃないかと思うことはある。


 しかし、その二つのことについて、なにを私は述べたらいいのか、見当もつかぬ。私は現在、妻がおり、子供はいないが、私ほどその「二つ」の愛について、考えて生きてこなかった人間は、よっぽどいなかったはずである。だから、今の家内と一緒になった経緯というのも、たぶん未熟なやり取りであったはずであるし、なによりもまず私にはその二つの愛よりも、考えないと、どうしても居ても立っても居られなかったことが自分の中で存在していた。


 それはもちろん、「正義」の問題であるだろうとも言い切れるだろうし、「文学」の問題であるとも言えるであろう。私はこの「2つ」のことについては脳がパンクするぐらい考えてきた。これはなんの自慢にもならないけれども、1つ目の「正義」について言うならば、自分にはこれ以外にはないと言い切れるほど、なんにもなかった(※何の才能もなかった)のである。結論を言えば、自分は「恋愛」や「セックス」については無知で、「正義」や「文学」については人生でたっぷりと考える時間があったということだ。(ちなみに、私の場合、「考える時間数」というものが思考の深さを決めるのである)。


 人によれば、「恋愛」や「セックス」の方が大事だろうと主張する人も確かにおられるだろうし、それは私にも考えれば分かることである。しかし、私は少しネクラだったのかも知れない。その事柄についてはなるべく敬遠するかのようにして生きてきた。それは私個人としては納得している、という内情であったのである。


 ところが、愛について、「恋愛」や「セックス」を抜きにして、感じる事柄があり、私にはそれが今回で言いたいことなのだ。それは私には表面の思錐ではなく、それはたとえば「先輩には敬語を使い、思いやる」というのはやはり大切なことである。これは社会で生きていく為の術とかそういうのではなく、私が言いたいのは、これが「愛」であるということだ。この「愛」は不利であるし、メリットもないものである。しかし、これだけはしなければいけない。しなければ世の中はどうなるのか。そこでこの「愛」は必要になるのである。決して「恋愛」や「セックス」の「愛」が不要だと言いたいわけではない。しかし、こういう何気ない「愛」がどうしても世の中に必要性があるのも事実だと私は言いたいのだ。


 そして、「友人」も大切にしなきゃいけない。これは「友情」であるが、「愛」でもあるのだ。「友人」を愛すること、それは「友情」でもあるし、「愛」でもあるのだ。友人関係は片方がダメになったら、もう片方ががんばるしかない。つまり、自分ががんばるしかないのだ。危機に陥ったならば、そうする以外にはない。しかし、それは実にロマンティシスムに溢れている。つまり、「愛」は太宰のいうとおり「奉仕の美」であるのだ。


 そして、「愛」は向こうから授かるものではなく、こちらから「与え」るものでなければならない。それはこの世知辛い世の中で、人に対して「助け」ることをしなくてはならないのだ。それを、なくてはならぬ「愛」だと私は主張しているのだ。

 「なぜ、その『愛』とやらが必要なのか?」ということだが、とにかく「愛」は為さねばならない。「愛」だけは為さねばならぬ。そうである、人間は「愛」だけをしておけばいいのだ。それぐらい「愛」は重要なものなのである。お分かり頂けたでしょうか。それでは失礼させて頂きます。また、次回に会いましょう。とりあえず、さようなら。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 奥田民生の「愛のために」という曲を初めて聴いたとき、絶望的な己の魂に光が射しました。
2016/08/15 17:36 退会済み
管理
[良い点] お初におめもじします。 いわゆる「愛」と呼ばれる概念について整理が必要なのかと思われます。 フリーメーソンやフランス革命のスローガンの一つでもある「友愛」。西郷隆盛の「敬天愛人」のように「…
[良い点] クサい事(褒め言葉)をさらっと言えちゃうのがカッコいい。 そして基督教的な観点から物事を見るのは、キリシタンの僕にとっては身近な価値観であります。 愛について語られる方はなろうでも希少なの…
2016/05/15 19:11 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ