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神々の紋章  作者: きりた
第一章 異世界での修行
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第8話  休日の過ごし方

昨日に大掃除をしました。大掃除をすると心も洗われますね。

皆さんはもう大掃除は済ませましたか?

今日は修行が休みの日だ。休日と言っても筋トレをしたり、武術や魔法の修行をしている。地球にいた頃はゲーム等があったからよかったが、こちらの世界にはそんなものはない。何もしなければとてつもなく暇である。一応本とかがあるらしいが、ここにはない。でも魔法などがあるから退屈はしない。で、今日はドランさんに呼ばれてる。なんでも今日は俺に新しいものを作るから見に来たらどうだとのこと。そういうことなので鍛冶場に行くとドランさんが待っていた。


「リュウ!遅かったじゃねえか。」


「そうですか?なるべく早く来たつもりなんですけど。」


「まぁいい。今日はお前に靴を作ろうと思ってな。」


「靴ですか?」


「お前これまでずっと裸足だっただろ?」


「はい。」


「この前良い素材が手に入ってだな・・・こいつだ。」


ドランさんが袋から無気質な塊を出した。


「なんですか?これ。」


「シエルホースの爪だ。」


シエルホース。それはこの森に生息する神獣の一種だ。とてつもなくでかい空を駆けることのできる馬。ダークさんとの修行中に見かけたことがある。ダークさん曰く走ることだけで言えばこの森で一番らしい。


「どうやって手に入れたんです?」


「ちょうど爪が生え変わる時期だったらしくてな。その爪くれよっていったら『ええよ。』って言ってくれたから貰ったんだ。」


ドランさんもシエルホースも軽すぎる。


「でもなんで俺を呼んだんです?服を作った時はなかったのに。」


「いい機会だから俺の作業工程を一から見せたくてな。」


「そういうことでしたか。」


「じゃあ。始めるか。」


そう言うとドランさんは空間魔法の『アイテムルーム』からハンマーと鑿を取り出した。『アイテムルーム』とは生き物でなければなんでも入る亜空間だ。中は時間が止まっているから生ものを入れても腐らない。全国の奥様方が覚えたい魔法だ。魔力量に比例して容量が変わる。俺ももう覚えて使っている。


カンッコンッカンッコンッ


鍛冶場に心地いい音が響く。その音が鳴るたびに爪が削り出されていく。


「リュウ。少しここを抑えててくれ。」


「はい。」


どんどんと爪は小さくなっていく。


「そうだ。リュウ、足見せてくれ。」


「あっはい。」


足を机の上に乗せる。


「こんぐらいの寸法か。よしもういいぞ。」


「ここはこうしてと。ほんでここはこうか。」


「んー。とんがりすぎてんな。」


ものすごい速さで靴は形成されていく。


「よし!できた。次は付与だ。」


「もうできたんですか!?」


「形だけだがな。リュウどんな付与がいい?」


「えっ?選べるんですか。」


「付与スキルの特性はな、なんでも自分で考えたものがつけれるんだ。といっても高レベルにならないと難しいものをつけれないがな。」


「うーん。じゃあシエルホースにならって足が速くなるのと空を駆けることができるような付与できますか?あっ!あとサイズ調整とか。」


「『俊敏上昇』と『空歩』、あと『伸縮自在』か。」


「あるんですか!?やったー!」


「そんなにうれしいか。そりゃよかった。」


「よし!付与”俊敏上昇”、”空歩”、”伸縮自在”」


するとドランさんの手が光り、続けて靴が光り始めた。


「よし。あとはいつも通り『破壊不能』と『所有限定』をつけるか。」


「リュウ、色は何色にしたい?」


「色も付けれるんですか!?うーん、じゃあ黒でお願いします。」


「よしきた!色彩変化”黒”」


そう言うと白色だったのが黒になった。


「よし!完成だ!」


「名前はどうするんです?」


「それはだな。完成した時点で付いているんだ。」


「自動で付くんですか!?」


「いや違う。技能の神が付けるんだよ。等級も神様が付けてる。」


「技能の神様がいるんですか。自分で付けることはできないんですか?」


「それもできる。だが技能の神がつけた名前の方がカッコいいんだ。」


「ネーミングセンスのいい神様なんですね。」


「神眼で見てみろよ。」


「そうしてみます。」


=============

空馬の爪靴(くうばのそうぐつ):神級 製作:ドラン

『俊敏上昇』『空歩』

『伸縮自在』『破壊不能』

『所有限定』

所有者:タツキ リュウ

=============


「めっちゃいい名前でした。」


「だろ!技能の神様に間違いはないんだ。」


「会ってみたいですね。」


「リュウだったら会えるんじゃないのか。セウザ様達とは年に一度会ってるんだろ。その時に頼めばいいんじゃないか。」


「その手がありましたか!」


「予備としてもう一足作っておくか。」


「ありがとうございます!」


「そうだ。お前の服も神衣が残ってたから2着ほど作っておいたぞ。ほれ。」


「お前の成長に合うように『伸縮自在』も付けといたでな。」


「本当だ!ありがとうございます。」


そう言って服を受け取り、『アイテムルーム』に入れた。ちなみに俺の身長は100㎝ほどだ。3歳にしてはかなり大きい方だろう。地球にいた頃は172㎝だった。


「予備のもできたぞ。」


「はやっ!?」


「同じやつを作るのはそんなかかんねえんだ。」


「それでも早すぎですよ。」


「それほどでもねえよ。がははは!」


「ありがたく受け取っておきます。」


「そういや腹が減ってきたな。ここいらで飯にでもするか。」


「はい!」


ドランさんと俺は家にある台所に向かう。この家の庭には畑がある。ドランさんの自信作らしい。本当に良い環境である。手入れは俺がしている。普段はそこで採れた野菜と神竜さんたちがどこからか仕留めてきたオークなどの肉で飯を作っている。

今日の昼食はオークのステーキと自家農園の野菜でのサラダだ。

その後ドランさんと別れ、今は畑の手入れ中。育っていく野菜たちを見るっていうのもどこか風流だ。するとダークさんがやって来た。


「どうしたんです?ダークさん。」


「ちょうどよかった。リュウ君に渡したいものがあって。」


「俺に渡したいもの?」


「これだよ。」


そう言うと本を渡してきた。その本には『勇者と賢者の物語』と書いてあった。


「これってもしかして・・・。」


「うん。リュウ君、先代について知りたいと言っていただろう。この前人里に赴いたときに思い出して買ってきたんだ。」


そう言ってニコッと笑った。はうっ。危ない危ない。この人の笑顔は殺人級だよ。男だろうと恋に堕ちてしまいそうだ。


「ありがとうござます。これで先代についてもっと知れます!」


「それはよかった。買ってきた甲斐があったよ。これで僕の用は済んだから、バイバイ。」


最後にまたニコッと笑い、竜の姿になり飛んでいった。


リュウはすぐさま畑の手入れを終わらせ、風呂に入り、本を読み始めた。ご飯を食べるのも忘れ、500ページ以上もある本を1日で読んでしまった。気づけば朝になっていた。


内容自体はセウザさんたちが言っていたのと大差なかったな。でも物語口調で、邪神を封印するまでの人との出会いや別れが面白かった。勇者は雷属性と剣術に長けており、『雷剣の勇者』と呼ばれており、賢者の方は全属性魔法と合成魔法に長けており、『合成の魔導士』と呼ばれていたらしい。ヤファイさんの言っていた通り『神の紋章』によって手に入れた能力に違いがあった。勇者と賢者のその後は人族の王国から爵位を与えられ、二人で結婚をし、平和に余生を過ごしたらしい。ということは今も勇者と賢者の末裔がいるということだ。会ってみたいな。


あれ?もう朝になってるよ。まぁいいか。面白かったし。今日はたしかサダンさんとの修行か。修行へとよし行ってくるとしますかな。


面白かったり、誤字があればコメントください。

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