第6話 3年目 修行開始
いよいよ修行開始です
3歳になった。これまでしっかりと勉強した。
そういえばこの前初めてこっちに来てから鏡を見た。自分の顔を見てないなと思い、家に鏡はなかったためそういう魔法はないか聞いて自分の顔を見てみたんだ。まぁ自分で言うのもなんだがとてつもなくイケメンになっていた。今はイケメンというか可愛らしい顔だった。白い髪の毛に右目が金、左目が赤のオッドアイであった。3人の神様の特徴をそれぞれ合わせていた。
服装は最初にこの世界に来た時に包まれていた布でドランさんがが作ってくれた。あの布相当良い物らしくドランさんは張り切っていろいろと高性能にしてしまった。ドランさんは『作成スキル』を全て、しかも高レベルで所得している。服を作っているときのドランさんときたらもう職人って感じだったね。そりゃもうチート装備ってやつですわ。はい。
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神布の羽衣:神級 製作:ドラン
『破壊不能』・『魔力障壁』
『所有限定』・『全属性耐性』
所有者:タツキ リュウ
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神布のズボン:神級 製作:ドラン
『破壊不能』・『魔力障壁』
『所有限定』・『全属性耐性』
所有者:タツキ リュウ
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な!やばいだろ。まず等級についてだ。この世界には作られたものにも等級が存在する。下級、中級、上級、最上級、宝級、伝説級、神級の順に等級が上がっていく。俺が着ているのはその一番等級の高いものである。でだ、その下に書いてあるのは作成スキルの中の『付与スキル』によって付与されたものだ。
『破壊不能』・・・その物を破壊できない。
『魔力障壁』・・・魔力を流すと障壁が出される。
『所有限定』・・・所有者以外の者が使うことができない。無理に使おうとすると魔力障壁が出され触れることすらできなくなる。(ただし製作者は除く)
『全属性耐性』・・所有者の属性魔法に対する耐性が上がる。
笑うしかなかったよ。でも使えるものはちゃんと使わなきゃね。
それで、今日から修行開始だ。
レイアさんが修行スケジュールを書いてくれた。
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「人」 「修行内容」
ヤファイ :『火属性魔法』『剣術』『身体強化』『身体硬化』
↓
ヴァーテル:『水属性魔法』『短剣術』『回復魔法』
↓
レイア :『風属性魔法』『弓術』『空間魔法』
↓
ドラン :『土属性魔法』『槌術』『作成スキル全般』
↓
休み
↓
サダン :『雷属性魔法』『槍術』『魔力操作』『魔力集中』
↓
エイス :『氷属性魔法』『鎌術』『合成魔法』
↓
ルミエール:『光属性魔法』『棒術』『結界魔法』
↓
ダーク :『闇属性魔法』『格闘術』『魔闘術』
↓
休み
↓
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最初の1か月は、筋トレや魔力を感じる練習をするそうだ。
今日はその初日。ヴァーテルさんに見守られながら今は魔力を感じ取る練習だ。
「体の中の魔力を感じるて言ったって具体的にどこらへんにあるんです?」
「そんなことも自分でわからなければ魔法なんて使えないわよ♪」
ヴァーテルさんて少しS気質だよなぁ。とリュウは思った。ヒントすら与えられない状態で何をしろと思ったリュウであったがとりあえず眼を瞑り、精神を集中させた。
もうそこには風で木々が揺れる音しかしない。ヴァーテルも真剣な目でリュウを見つめた。
数分経っただろうか。リュウは体の中にある魔力を感じることができた。
これが魔力か。鳩尾あたりに透明な珠があるようなイメージか。その中で魔力が渦巻いているな。その珠から体中に血管のような管が張り巡らされている。レベルが上がるごとにこの珠の貯蔵量が増え魔力が増えるということか。
リュウは眼を開いた。魔眼を発動した状態で。
うわっ!?魔眼を発動した状態だとこんな風に見えるのか。
リュウには紫色の世界が見えており、魔力が強いところが白く見えるようになっている。リュウはそのままヴァーテルを見た。
これがヴァーテルさんの魔力か。俺のとは全然質も量も違うな。すごい力を感じる。木や草にも微量ながらも魔力が蓄えられてるんだな。空気中にも魔力が漂っている。たしかエイスさんが空気中の魔力のことを『魔素』って言ってたな。
リュウはもう一度眼を瞑る。
魔素が呼吸によって肺に行く。肺から珠の中へ浸透していく。これが魔力が回復する仕組みか。『即時魔力回復』はそれをより多く早く取り入れることができるスキルなのか。じゃあ『即時体力回復』はどうなってるんだ・・・あぁそういうことか。血管のように張り巡らされている魔力管から魔力が体の中に自動的に浸透していき、それが細胞を普通よりも早く修復させるってことか。回復魔法はそれを外部から促進させるんだな。これを応用して体中に魔力を移動させることができるはず。おっできた。
「あら。もう魔力を動かせるのね。なら今日の修行おしまい♪」
「えっ?もう終わりなんですか?」
「だってリュウったら今日教えるはずのことを自分でやっちゃったもの。」
「なんかすいません。」
「謝んなくていいわよ♪私も教える手間が省けたもの♪」
「あのー。まだ残ってやってていいですか?」
「いいわよ♪私も今日は暇だから見守ってあげるわ♪本当はまだだめだけどリュウがどうしてもって言うのなら魔法をおしえ・・・ありゃ。」
リュウはもう眼を瞑り、極限の集中状態になっていた。こうなったらリュウにはもう周りの音は聞こえない。
さっきは体の中で魔力を巡らすことができた。次はどうする。魔力を外に・・いやまだ早いな。巡らせた魔力を留めてみるか。うーん。まだ慣れないな。いろいろな箇所に移動させてみるか。よし、慣れてきたぞ。そして留める。よしうまくいった。その状態のまま魔力を体に纏わす。おっ。できた。
「この子、いきなり『身体強化』と『身体硬化』を同時に発動するしているわ。二つ同時に発動させるのは難しいことなのに。天才ってやつかしら。」
ヴァーテルは真剣な顔でつぶやく。リュウは地球にいた頃も天才であった。いや天才というと少し語弊があるかもしれない。正しくは『やろうと思えばなんだってできる』だ。しかも高レベルの状態でだ。だが従来の面倒臭がりな性格の所為で本来の力が出せていなかった。しかし唯一リュウがはまった物がある。それは彫刻である。リュウが彫刻にはまったのは転生する前の1か月前だ。そんな短期間でレベル3まで上げたのだ。実際レベル3まで上げるには5年ほどかかる。
うーん。この状態のままだと動けないな。動こうとすると体がきしむ。まだ筋力が足りないのか。ふう。まだ難しいな。筋トレもしなくちゃな。まだ日も高いし、早速始めるか。
リュウはそう思いながらストレッチを始めた。
本当この体ってすげえよな。足を開いた状態で上半身がベタッて地面につくもんな。しかも本気でジャンプすれば5mくらい跳びあがるし。レベルが上がったら宇宙空間までジャンプできちゃうんじゃないかな。
リュウはそのまま腕立てを始め、100回終わったらスクワット、背筋へと変えていった。
全然疲れないな。効果あんのかな。まあ体を壊したらいけないから、もう終わりにするか。
「終わりました。もう戻りますね。」
「あら。もうおしまいなの。」
「はい。無理してはいけませんからね。」
「明日もここにきて頂戴。明日はたしかダークだわ。」
そしてリュウは家に戻った。夜になるまで魔力を操作していた。夜になったので風呂に入り、眠りについた。ちなみに神竜たちは自分の住処があり、いつもはそこにいる。