第5話 1年目 異世界でお勉強
異世界での常識をのせました。
1歳になった。もうしゃべれるし、走り回れる。ミルクはとっくに卒業した。ドランさんが建ててくれた家の中にいる。とっても広い家だ。今はヤファイさんとお勉強中である。お勉強といっても算数とかではなく、今は魔物についてだ。
この一年で分かったことはいろいろあった。おさらいでもするか
まずこの世界の名前は『ガリュール・メイニー』だ。うん。これはセウザさんに教えてもらったからしっている。
そして、今いるこの森の名は『神の名を持つものの森』だそうだ。その名の通りこの森に棲んでいる動物は神獣であったり、魔物であればその種の最上位がいる。人は俺しかいない。この前少し散歩でもするかと外に出て行ったことがある。そこには『ゴットゴブリン』なるものがいた。ゴブリンはゲームの中だと雑魚扱いであるがそこにいたのは俺よりもステータスが高いものだった。すぐに見つかり、追いかけられた。唯一の救いが俺の『俊敏』だけがゴブリンより少し高かったため追いつかれることはなかった。そして運よく近くにいたエイスさんが鎌でゴブリンの首をチョンパした。その後神竜さんたち全員が集まり、めちゃくちゃ説教された。それ以降ルミエールさんが張った結界から出ることを禁じられた。
ちなみにその時隠れながら逃げたため、『俊敏』のステータスが上がり、特殊スキルに『隠密スキル』増えていた。レベルは上がってない。
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俊敏:5020
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====== 隠密 ============
発動時見つかりにくくなる。
スキルレベルが上がるごとに、より
見つかりにくくなる。
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そしてこの世界の時間についてだ。この世界には『紋章歴』というものがある。邪神が封印された年に始まったらしい。ちなみに今は501年だ。
月は12か月あり、ひと月ちょうど30日の年間360日。一日は24時間で1時間は60分。1分は60秒であり地球とそんなに変わりがない。曜日はないそうだ。しっかりとした四季もある。この森にはないそうだが。ちなみに俺の誕生日は『紋章歴500年1月1日0時0分0秒』らしい。1歳になる日の夢の中でセウザさんたちが言っていた。その時はたわいのない話をした。
次はこの世界の国についてだ。ガリュールには8つの大陸がある。その大陸の一つひとつに王国があるらしい。それを統べるのがそれぞれ、人族・獣人族・森人族・山人族・竜人族・海人族・魔族・悪魔族という人種たち。この中で唯一悪魔族が差別を受けている。実際、今も悪魔族は悪さをしているらしい。悪魔族以外の国々はしっかりとした条約を結び、大陸を行き来する海路や道路がある程度整備されており、様々な国で様々な種族を見ることができるらしい。王国以外にも様々な国や町、村がある。
そういえばこの世界ってやたらと『8』が多いよな。基本となる武術スキルも8つ。属性魔法も8つ。必然的に神竜さんたちも8体となる。人種も8種。大陸も8つときたもんだ。セウザさんが言ってたけど神様も8人いるらしいな。なんか秘密でもあるのだろうか・・・。今は気にしないでおこう。
そして、異世界で生きるために最も重要なこと・・そう。お金だ。お金のことを教えてくれたのはレイアさんだ。ものすごく真剣に話を聞いた。
通貨は石貨・鉄貨・銅貨・大銅貨・銀貨・大銀貨・金貨・大金貨・白金貨。
単位は『Zr』だそうだ。世界全体で統一されている。
その話を聞いて統一されてるのはいいなと思った。
するとレイアさんが見やすいよう表を作ってくれた。
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石貨= 1Zr
鉄貨= 10Zr
銅貨= 100Zr
大銅貨= 1000Zr
銀貨= 10000Zr(一万)
大銀貨= 100000Zr(十万)
金貨= 1000000Zr(百万)
大金貨= 10000000Zr(千万)
白金貨= 100000000Zr(一億)
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セウザさんたちが送ってくれた物の中に、石貨×100、鉄貨×100、銅貨×100、大銅貨×100、銀貨×10、大銀貨×1、金貨×1が入っていた。白金貨は入っていなかった。・・ちっ。
で、冒頭に戻り今はヤファイさんと魔物についてお勉強中。ドランさんが作った家の中にはいくつもの部屋があり、その中の勉強部屋でやっている。何故か黒板もあり、学校の授業のようだ。わからない所があれば手を挙げて聞くのが鉄則となっている。
「魔物と魔獣の違いはなんですか?」
「いい質問だ。それはだな。あまり大差はないのだよ。獣型かそれ以外かぐらいであるな。総称してどちらも魔物と呼ぶ場合が多い。」
皆わかりやすく教えてくれる。その中でもヤファイさんとレイアさんは別格だ。黒板に表や図を書いたり、プリントを用意してくれる。もし地球に来たら人気者の先生になるだろうな。美男美女だし。
「では魔物を倒したらどうなるんですか?」
「光の粒子となり消える。そこに袋が現れ、その中に魔石や討伐部位などが入っている。運のステータスによって中に入ってるものの質と量が変わってくるのだ。」
へー。そこに運のステータスが関わってくるんだ。『神眼』の力で分かってたはいたけど平均値とかを見たら俺の運のステータスめちゃ高かったよな。これは楽しみだ。へっへっへ・・おっと。いかんいかん。キャラがぶれるところだった。
「魔物にも強さの等級とかはあるんですか?」
「あぁ。あるぞ。少し待っておれ。」
とヤファイさんは黒板に何か書き始めた。
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E級
↓
D級
↓
C級
↓
B級
↓
A級
↓
S級
↓
X級
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「外の世界では、冒険者ギルドというものがあってだな。そこによって決められた等級だ。」
ギルドか。外に出たらすぐに登録しなきゃな。
「この森にいる魔物はどんぐらいの強さですか。」
「全てがA級以上だな。」
あじゃぱ~。そりゃそうだよな。なんたって『神の名を持つものの森』だもんな。
「もし・・もしですよ。ヤファイさんを倒そうと思ったらどんぐらいなんですか。」
「我らは全員X級などという枠にははまらんな。」
「ははは。そうですよね・・」
やべぇ。さすがだよ。こんな人たちに修行してもらえるのか。
「その他に動物はいるんですか?」
「あぁ。普通に家畜やペットとなるおとなしい動物も多くいるぞ。他にも神獣がおる。」
「そういえばこの森にも神獣がいるんですよね。」
「神獣の子供でも全てがS級の強さを持っておる。」
「子供でもですか。他に何か特徴とかはあるんですか?」
「スキルの中に『従魔スキル』というものがあってだな。それにより魔物や神獣を従うことができる。しかし残念ながら我らは全員『従魔スキル』を持っていないため教えられんがな。」
『従魔スキル』か。いつか手に入られる機会があったら欲しいな。
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